女体化した勇者と魔王が一緒に旅するようになった理由

ルシェ(Twitter名はカイトGT)

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水の大陸編

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「俺たちはあの後、ある程度敵兵を減らした後に逃げようとしていたんだが...」

 ~過去・王都ローケン~

「良し!、退路は開いた!皆行くぞ!!」

 ユウトのパーティーが勢いよく離脱して行く。

「何をしているお前たち!!、早く奴らを捕らえよ!」

 ローケン王が叫び声を上げた時、何者かが叫び声を上げた。

「待つのじゃ!、ユウト殿!」

 俺は一瞬そっちに気をとられ、足を止めた。
 その言葉を発した者は少女で、確実に俺よりかは年齢が低いだろう。
 だがなぜだろう、彼女が現れてから、あれだけ騒がしかった広間が静かになった。
 変な緊張感に、俺は警戒を強める。

「なんだ!」

 俺はその少女に怒り声を上げると、一瞬だけ怯んだが、その後調子の良い声で話し始める。
 クリーム色の髪をくるくると巻く仕草をしながら、余裕のある表情で俺の方を向く。

「ユウト殿は相当な実力者だと聞いておる、どうじゃ?我と勝負せぬか?」

「勝負だと?」

 俺は警戒心を強めながらも話を続ける。
 彼女は勢いに身を任せた様に口を開いた。

「そうじゃ!、我と真剣で勝負せい!、そなたが勝てば、王への侮辱もなかったことにしよう!」

 勝手に色々と決めているが、こちらとしてはそれで手が打てるなら安いものだと思えた。

「いいだろう、ただし相手が少女といえど、俺は手加減しないぞ」

「そうでなくては面白くないであろう?」

 謎の強キャラ感を煽っているが、俺は自分の力を信じて戦うのみだ。

「待て!プリシラよ勝手にその様な事を...」

 王がなにやら慌てているが、少女は剣を王の首元に突き立てた。

「王よ、我の言うことが聞けぬか?」

「...どうぞご自由に...」

 王でさえも尻に引くとは...、彼女の正体が知りたいが、とりあえず全てはこの勝負に勝ってからだな...。
 俺は剣を引き抜いて広間の中央に向かった。
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