女体化した勇者と魔王が一緒に旅するようになった理由

ルシェ(Twitter名はカイトGT)

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水の大陸編

武装の新調

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 俺は王都内にある武器屋に入店した。
 相変わらずの技術だ。
 店内に入る時のドアは自動で、俺が近づくと感知して開く。

(変な所に金使うなよ...)

 確かに便利ではあるが、必須でも無いだろうに...と思う。

「いっらしゃいませ~、本日はどの様な物をお探しでしょうか?」

 店員の一人が元気よく声をかけてくるので、俺は必要な物を見立てて貰う。
 ついでにボロボロになった服を新調しよう。
 もう何年も着続けてきたので、流石に替え時だな。

「はい!分かりました!、服は女物でよろしいでしょうか?」

 俺は少し困る...、女物の服など買ったことがないので、カウンターから見えた服に決めた。
 赤と黒のパーカーで、今の俺が着ても違和感がなく、素晴らしい性能だったのでこれにした。

「おまけで黒いリボンもお渡しします!」

 店員の押し売りかと思ったが、どうやら無料配布らしい。
 ただ、無理やり髪型を弄られて、サイドテールを作られたのは遺憾に思ったが、髪型など触った事がなかったので新鮮だと気づいた。

「お待たせしたしました!、こちらが当店自慢の商品になります!」

 刃のない剣の柄を渡されたので素振りしてみると、電撃を帯びた刃が飛び出てきた。

「こちらが魔法剣と言われる武器で、使用者様の固定魔力を使用して刃に変換して攻撃する業物です」

「確かに良さげだが...、これって魔力消費しないか?」

「ご安心ください、悪魔でも固定魔力なので、柄そのものを破壊されない限りは大丈夫です、最初の登録時に魔力の感知を行うので、その時だけ魔力を消費していただければ、以後は素振りの要領で降れば、刀身が勝手に伸びます」

 ある程度振り回すと、使い勝手の良さに気づき、俺は頷く。

「なかなかいいな...、だが俺は普通の武器も見たいのだが...」

「絶対にこれがオススメです!」

 店員のなんとも言えない迫力に押された俺は、ついつい購入してしまった。
 武器の性能は確かに素晴らしいのだが、俺はこう言う派手な武器が少々苦手なのだ。
 できれば普通の鉄剣みたいなので充分なのだが、たまにはこう言う珍しい物を装備してもいいのかもしれない。
 レジで支払いを待っていると、驚愕の値段がはじき出されていた。

「服と剣で合わせて3万8千ゴールドになります!」

(...たっか!!!!)

 一応買えるが、しばらくは仕事に専念しないといけなくなるな...。
 俺は支払いを終え、店を出ようとしたその時...。

「ユウリ?」

 声をかけられたその先には、見覚えのある顔があった。
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