女体化した勇者と魔王が一緒に旅するようになった理由

ルシェ(Twitter名はカイトGT)

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水の大陸編

王都内の現状

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 俺は王都内をぶらついていた。
 相変わらず発展した町であり、まるでこの大陸だけ10年先の技術で作られたと言われても不思議ではない程だ。
 魔道具と呼ばれる物を人が扱い、暮らしは豊かになるかに見えたが、それを買えたり生産出来るのは主に中層より上の層であり、豊かな者とそうでない者の差が激しいのが顕著に現れている。
 現にさっきから光輝く街並みとは裏腹に、小汚い子供達が端の方でうなだれているのがちょくちょく見える。
 何人かは既に生き絶えている様だ。
 これを見て何も感じないほど冷徹ではないが、これは国の問題であり、勇者の仕事ではないので放置する。
 もしも俺が同じ立場なら、どうにかしてでも這い上がるので、お前たちもそうしてみろ!とさえ思う。
 確かに施設があった分は、こいつらよりはマシな暮らしができていたのは事実だが、もしもここで俺が生まれていたとしても、絶対に野垂れ死ぬ道を選ぶ気は無いと言える。
 あいつらは、誰かが自分を拾ってくれるのを待ち続けるだけの人間なのだ。
 チラッと視線を変えると、子供でも働いて稼いでいる者も存在している。
 国によって事情は違えど、子供だって貴重な労働力となるので、意外と重宝されるのだ。
 こう言う子供を見ると応援したくなる。
 何だかんだ言っても、やはり魔王城まで一人で行った経験があるので、この惨状を見ても、強い気持ちでいられるのだと思う。
 ここより酷い場所だって存在するのだから...。

「くそ...、なんか嫌な事ばっか思い出す日だな...」

 そんな俺の脳裏に浮かぶのは、マオとアイカだった。

(うるさい奴らだが、一緒にいる時にこんな気分になったことはないな...)

 一人は虚しさを呼び起こす。
 何かの本で読んだな...、まあ所詮は誰かの言葉で幻想に過ぎないがな...。
 俺はしょうもない事で時間を潰したと思いながら、装備品の置いてある武器屋を目指した。
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