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火の大陸編
プレゼント
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結局あの時には渡せなかった小包を見て私はため息を吐く。
「これをアオに渡したかったな...」
1人寂しく俯いていると。
「失礼します」
と言う声と共に見知ったメイドが入って来たので、慌ててそれを隠す。
「アアア!...アオッ!!」
「はい?私はアオですが...、いかがなされましたか?」
指をさしながら声が震えていたので、彼女は私の心配をしている。
「さっきから様子が変ですよ?、ザーク様?」
アオの視線が痛い、小包が見えてしまわないか不安になる。
「いや、別になんでもない...」
(ザークの馬鹿っ!、せっかく渡すチャンスが来たのになんで棒に振っちゃうの!!)
自分で自分を責めるが意味はない。
チャンスを失った私があたふたしていると「ザーク殿はアオ殿に渡したいものがあるそうじゃ」と後ろにいたメイドが声を上げた。
「クロリア!」
クロリアは静かにウィンクをして来た。
彼女なりに頭を働かせてくれたのだろう、これはファインプレイというやつだ。
「クロリアさん...、ザーク様が私に渡したい物?」
もう隠す意味はないと、私は片手に持っていた小包をさらけ出した。
なんか人に物をあげるというのは恥ずかしい。
私は少し顔を赤らめながら、さっきまで考えていた言葉を言う。
「ほら...、アオっていつも頑張っているでしょ?、これはそのお礼、いつもありがとう!アオッ...」
私は小包をそっと出しながらも、受け取ってもらえるか不安になる。
「ザーク様...!」
彼女は小包を受け取り「開けて見てもよろしいですか?」と聞いてきたので「いいよ、開けて見て」と返す。
彼女が小包を開けてみると、青いイルカのような形をしたヘアピンが入っていた。
簡素な作りで、値の張る物ではないが、嬉しそうな彼女の表情を見て買ってきて良かったと思えた。
その場で前髪の辺りにつけた姿を見て、少し自分の感性が子供っぽいことに気がついた。
アオの年齢であの感じの髪飾りはなかったかもしれないと思ったが。
彼女の笑顔は偽りではなかった。
心の底からの笑顔を私に見せてくれた。
いらぬ心配をした自分が恥ずかしくなる。
「ありがとうございますザーク様!、この髪飾りは一生大事にしますね!」
この時の彼女の顔を、私が忘れることはないだろう。
それほどまでに、この時の彼女は、慈愛のこもった美しい表情を浮かべていたのだった。
「これをアオに渡したかったな...」
1人寂しく俯いていると。
「失礼します」
と言う声と共に見知ったメイドが入って来たので、慌ててそれを隠す。
「アアア!...アオッ!!」
「はい?私はアオですが...、いかがなされましたか?」
指をさしながら声が震えていたので、彼女は私の心配をしている。
「さっきから様子が変ですよ?、ザーク様?」
アオの視線が痛い、小包が見えてしまわないか不安になる。
「いや、別になんでもない...」
(ザークの馬鹿っ!、せっかく渡すチャンスが来たのになんで棒に振っちゃうの!!)
自分で自分を責めるが意味はない。
チャンスを失った私があたふたしていると「ザーク殿はアオ殿に渡したいものがあるそうじゃ」と後ろにいたメイドが声を上げた。
「クロリア!」
クロリアは静かにウィンクをして来た。
彼女なりに頭を働かせてくれたのだろう、これはファインプレイというやつだ。
「クロリアさん...、ザーク様が私に渡したい物?」
もう隠す意味はないと、私は片手に持っていた小包をさらけ出した。
なんか人に物をあげるというのは恥ずかしい。
私は少し顔を赤らめながら、さっきまで考えていた言葉を言う。
「ほら...、アオっていつも頑張っているでしょ?、これはそのお礼、いつもありがとう!アオッ...」
私は小包をそっと出しながらも、受け取ってもらえるか不安になる。
「ザーク様...!」
彼女は小包を受け取り「開けて見てもよろしいですか?」と聞いてきたので「いいよ、開けて見て」と返す。
彼女が小包を開けてみると、青いイルカのような形をしたヘアピンが入っていた。
簡素な作りで、値の張る物ではないが、嬉しそうな彼女の表情を見て買ってきて良かったと思えた。
その場で前髪の辺りにつけた姿を見て、少し自分の感性が子供っぽいことに気がついた。
アオの年齢であの感じの髪飾りはなかったかもしれないと思ったが。
彼女の笑顔は偽りではなかった。
心の底からの笑顔を私に見せてくれた。
いらぬ心配をした自分が恥ずかしくなる。
「ありがとうございますザーク様!、この髪飾りは一生大事にしますね!」
この時の彼女の顔を、私が忘れることはないだろう。
それほどまでに、この時の彼女は、慈愛のこもった美しい表情を浮かべていたのだった。
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