女体化した勇者と魔王が一緒に旅するようになった理由

ルシェ(Twitter名はカイトGT)

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火の大陸編

髪飾り

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 海を堪能した後は、町の方へと向かって歩いていた。
 ある程度街中を歩くと、私は彼女に質問する。

「この辺に髪飾り屋さんがあるの?」

 不安になって彼女の方をチラチラと見る。
 それに気がついた彼女がニコッと笑ってくれたので、少し安心した。

「大丈夫じゃ!安心せい!、このクロリアが必ずお目当ての物を紹介してみせよう!」

 彼女は力強く、私にそう言ってくれた。
 彼女は宣言通り、数店舗の店を紹介してくれたが、なかなか気になる物は見つからない。
 アオに似合いそうな髪飾りのイメージはあるのだが、意外と見つからない。

「これなんかどうじゃ?、貝殻の髪飾り」

 いいデザインの髪飾りを持ってきてはくれるのだが、そうじゃない、私が欲しいのはそれじゃない。
 海が近いので、海に関連する物がモチーフになっている物が多いのだが。

「やっぱりないか...」

 私は肩をがっくりと落としながらトボトボ歩く。
 それを見かねた彼女が最後とばかりに店を紹介してくれた。

(ここで最後か...、ここにもしなかったら...)

 私は祈るように店に入り探す。
 アオにプレゼントする物の、脳内イメージに近い物を探る。

「あっ...!」

 私は声に出してそれを見た。
 そしてそれをそのままレジに持っていくと、クロリアに買い物の仕方を教えてもらった。
 プレゼントを袋に包んでもらった時に、私は笑みを浮かべていた。

「ねぇ、クロリア...、アオは喜んでくれるかな?」

 私の質者に対し、彼女は紳士に向き合ってくれる。

「それはあげてみないとわからんのう、じゃが、ザーク殿から貰った物であれば、きっとアオ殿も喜ぶはずじゃ」

 優しい微笑みを私に向けるクロリア。
 その言葉を聞くと、ちょっとだけ自信がついた私は、アオにプレゼントするときの言葉を考えていた。
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