女体化した勇者と魔王が一緒に旅するようになった理由

ルシェ(Twitter名はカイトGT)

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火の大陸編

初めての外出

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「にしても驚いたのう、ザーク殿が今まで一度も外出したことがないとは...」

「そうなんだよね...、ザークは今まで一度も外出なんてしたことなかった...、だから今日始めてお外に出る」

 城門を開いてもらい、外の光景を目にした時、私の心は踊った。
 終盤の大地なので、光は暗く、植物は黒を基準としたものが生い茂っているが、今のザークには関係がなかった。
 ただ、瞳に映る広大な大地に心を震わせていた。

「広い...、ザークの部屋よりずっと...」

「そりゃそうじゃ、世界からすれば、この城ですらちっぽけなものじゃからのう」

 彼女からすれば当たり前の風景なのだろうが、私からすれば広い世界を見るのは初めてだったので興奮したのだ。

「感動的な体験じゃろうが、わざわざ城の外に出たのは、ポータルを開くためじゃからな...」

 彼女が手のひらを広げて、黒いモヤのようなゲートを作り出した。

「ここら一帯は我ら魔族の本拠地じゃから、良い装飾品などは売っておらん、気味の悪いドクロの髪飾りなどは売っておるが、そんな物を買いに行くのではないのだろう?」

 ウィンクをしながら私の方を見てきたので頷いた。

「なら決まりじゃな!、最近妾が行った、火の大陸の観光地ならいいものが売ってそうじゃから、そこに向かうぞ!」

 言われるがままに彼女に任せる。
 私は外に出たことがないので、全部クロリアに任せるつもりだが、買うものは私が選ぶつもりだ。

(アオに似合う物があるといいな...)

 彼女の喜ぶ姿を頭に浮かべながら、買う物のイメージを膨らませていた。
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