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火の大陸編
後片付け
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私が瞬きをした一瞬のうちに、汚れた皿を全て運んでいました。
「何をボサッとしているの?、早くこっちに来て皿洗いを手伝いなさい...、アオ!クロリア!」
私とクロリア様は急いで厨房に走り、一緒になって皿を洗うのですが、アウス様の手際が良すぎるので正直必要無いのです。
「2人とも...やる気はあるのかしら?、特にクロリアさん...」
クロリアはふてくされながら「はいはい」と適当に返している。
そんな彼女を見たアウスはニコッと笑う。
「そうね...、後でお仕置きね...」
お仕置きと言う単語を聞いた途端に、彼女はなぜかお尻を抑えて身震いした。
「嫌じゃ...、お尻叩きの刑はもうこりごりなのじゃ~!!」
突然そのようなことを言い始めた彼女は、いきなり本気で皿洗いをし始めた。
嫌々ながらとはいえ、やはり基本スペックが高いクロリアが本気になれば私よりも早く終わらせていく。
私が一番仕事が遅いので劣等感を与えられる。
毎日地道に努力をして来たのだが、基本的なスペックが足りていないことを痛感させられる。
2人の素早さを見ていると、自分ももっと頑張らなくては、と心から思う。
私の仕上げるスピードが遅いことに気がついたアウス様はこちらを見て微笑む。
「それがあなたの全力?」
「...はい...」
恥ずかしいが、嘘偽りではない本当のことを答える。
自分の全力など、2人の足元にも及ばないことは充分承知だ。
そのような失敗作品である私がザーク様にお仕えできると言う幸福に、少しでもお返しがしたいと思って頑張るこの気持ちが、私を前に進ませている。
それがわかっているのか、アウスはニコッと笑う。
始めてあった時のような不吉な笑みではなく、心から笑うような清々しい笑顔。
「あなたみたいに頑張っている子は、嫌いじゃないわ...」
その言葉は優しく、まるで子を見守る母のようであった。
この人が苦手なことに変わりないが、たま~に励ますようなことを言ってくるのは嬉しい。
「...ありがとうございます...」
私は小さく言葉を返す。
あまりにも小さい言葉なので聞き取れなかったらしく。
「何か言ったかしら?」
と聞き直されたのだが「なんでもありません」と素っ気ない態度をとってしまう自分が恥ずかしい。
この人の前で素直になるのが小っ恥ずかしいのだ。
すぐに片付けが終わるので、後の時間を自由に使えることに気がついた。
3人でやると1人でやるより何倍も早く作業が終わるのが楽で良い。
今度は恥ずかしがらないように、息を落ち着かせてから、2人にはっきりとわかるように礼を言う。
「ありがとうございました、お二方のおかげで作業が早く終わりました」
「ふふっ、別に良いのよ、私もここのメイドだしね...」
「妾はもうメイドではないのだがな...」
素っ気ない態度ををとるクロリアの頭を叩くアウス。
「あら?、そのような態度を取るように躾けたつもりはないのだけれど...」
「痛てて...、はい...そうですねアウス様...」
頭を抑えながらそっぽを向く彼女を見て、つい笑いが溢れる。
その声を聞いた彼女が私の指を突きつけてくる。
「笑うな!、なんで笑うのじゃ!!」
怒り気味の声で反発してくる彼女に、私は答えを出す。
「いえ、何だかクロリア様とアウス様が親子のように見えてしまったので、つい...」
「妾とアウス様が親子?...」
クロリアは、アウスの顔を見上げてないわ~と、手を顔の前で振っている。
「そうね...、私とクロリアは師弟といった関係なのだけれど...、そう見えたのなら面白い反応だと思うわ」
アウス様は私の答えが面白かったのか、クスクスと笑っていました。
この仕事仲間のような感覚は、意外と心地いいなと思う私であった。
「何をボサッとしているの?、早くこっちに来て皿洗いを手伝いなさい...、アオ!クロリア!」
私とクロリア様は急いで厨房に走り、一緒になって皿を洗うのですが、アウス様の手際が良すぎるので正直必要無いのです。
「2人とも...やる気はあるのかしら?、特にクロリアさん...」
クロリアはふてくされながら「はいはい」と適当に返している。
そんな彼女を見たアウスはニコッと笑う。
「そうね...、後でお仕置きね...」
お仕置きと言う単語を聞いた途端に、彼女はなぜかお尻を抑えて身震いした。
「嫌じゃ...、お尻叩きの刑はもうこりごりなのじゃ~!!」
突然そのようなことを言い始めた彼女は、いきなり本気で皿洗いをし始めた。
嫌々ながらとはいえ、やはり基本スペックが高いクロリアが本気になれば私よりも早く終わらせていく。
私が一番仕事が遅いので劣等感を与えられる。
毎日地道に努力をして来たのだが、基本的なスペックが足りていないことを痛感させられる。
2人の素早さを見ていると、自分ももっと頑張らなくては、と心から思う。
私の仕上げるスピードが遅いことに気がついたアウス様はこちらを見て微笑む。
「それがあなたの全力?」
「...はい...」
恥ずかしいが、嘘偽りではない本当のことを答える。
自分の全力など、2人の足元にも及ばないことは充分承知だ。
そのような失敗作品である私がザーク様にお仕えできると言う幸福に、少しでもお返しがしたいと思って頑張るこの気持ちが、私を前に進ませている。
それがわかっているのか、アウスはニコッと笑う。
始めてあった時のような不吉な笑みではなく、心から笑うような清々しい笑顔。
「あなたみたいに頑張っている子は、嫌いじゃないわ...」
その言葉は優しく、まるで子を見守る母のようであった。
この人が苦手なことに変わりないが、たま~に励ますようなことを言ってくるのは嬉しい。
「...ありがとうございます...」
私は小さく言葉を返す。
あまりにも小さい言葉なので聞き取れなかったらしく。
「何か言ったかしら?」
と聞き直されたのだが「なんでもありません」と素っ気ない態度をとってしまう自分が恥ずかしい。
この人の前で素直になるのが小っ恥ずかしいのだ。
すぐに片付けが終わるので、後の時間を自由に使えることに気がついた。
3人でやると1人でやるより何倍も早く作業が終わるのが楽で良い。
今度は恥ずかしがらないように、息を落ち着かせてから、2人にはっきりとわかるように礼を言う。
「ありがとうございました、お二方のおかげで作業が早く終わりました」
「ふふっ、別に良いのよ、私もここのメイドだしね...」
「妾はもうメイドではないのだがな...」
素っ気ない態度ををとるクロリアの頭を叩くアウス。
「あら?、そのような態度を取るように躾けたつもりはないのだけれど...」
「痛てて...、はい...そうですねアウス様...」
頭を抑えながらそっぽを向く彼女を見て、つい笑いが溢れる。
その声を聞いた彼女が私の指を突きつけてくる。
「笑うな!、なんで笑うのじゃ!!」
怒り気味の声で反発してくる彼女に、私は答えを出す。
「いえ、何だかクロリア様とアウス様が親子のように見えてしまったので、つい...」
「妾とアウス様が親子?...」
クロリアは、アウスの顔を見上げてないわ~と、手を顔の前で振っている。
「そうね...、私とクロリアは師弟といった関係なのだけれど...、そう見えたのなら面白い反応だと思うわ」
アウス様は私の答えが面白かったのか、クスクスと笑っていました。
この仕事仲間のような感覚は、意外と心地いいなと思う私であった。
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