85 / 169
火の大陸編
お前は...美しい...
しおりを挟む
暗い通路を渡り歩いて、ある場所に私は向かう。
独房、鉄格子の奥に見える存在に、私は目を奪われた。
だが、そんな私を親の仇のように睨みつけてくる。
「お前は、なぜ私をそんな目で睨む...」
私を見る彼女の視線は冷たい。
彼女の風貌は、家畜の豚のように汚れてはいたが、青く光る眼光は鋭く美しい...。
桜色の長い髪を汗でべたつかせてはいるが、それでも、彼女の本質を私が見誤ることはない。
両足を鎖で繋がれた彼女は、私を軽蔑したような目で見てくる。
ガチャガチャという、鎖の音を独房中に響かせながら動き続ける。
「あぇ..、..し.て...!」
よろよろと拘束された両手を私に伸ばして、何かを口走っている。
何を言っているかは分からないが、何のことを話そうとしているのかは分かる。
彼女は口を動かしているが、私のかけた術式の効力により、上手に話すことができない。
いつまで抵抗の意思を見せ続けるのだろうか?、かれこれ数年にわたった拷問でも、彼女を屈服させるには至らなかった。
彼女の体には生々しい拷問の跡が残っている。
手と足には無数の数えきれない生傷が見えていた。
本心を屈服させるのは諦めて、洗脳や催眠によるコントロールを試した方が良さそうだと思い始めていた。
できれば心から屈服させたかったのだが、これ以上は時間の無駄だろう。
私はため息を吐きながら、血まみれで弱り切った彼女を見下ろす。
白い簡素な服は、彼女の血と汗と涙で染まっていた。
その光景に、私は胸を震わせる。
(ああ、子を思う親の姿は実に美しい...、だからこそ...、我が物にしたい)
私に少しでも近づこうとする彼女の這い寄ってくる姿に、愉悦を感じながらも蹴り飛ばす。
一度倒れ伏した彼女だが、再び立ち上がってくる。
何度倒れても、その眼光の鋭さが消えることはなかった。
どれだけキツイ拷問をしようとも、腕を引きちぎられるような感触を与えても、彼女の心は壊れなかった。
何度拷問しても無駄なのだ。
彼女の心はまさしく××だった...。
その心は絶対に折れることはない。
そのことをよく知っているのは自分だった。
無理だと分かっていたが、こればかりはどうしようもないことだと諦めきれない自分がいた。
彼女に触れようとすると、腕の拘束具で殴りかかろうとしてくる。
無駄だと分かっていても、彼女は抵抗をやめない。
私は彼女の首に手を当ててゆっくりと持ち上げる。
少しずつ力を入れてゆっくりと息ができないようにしていく。
必死に足をばたつかせながら、腕の拘束具で殴りかかってくるが痛くもかゆくもない。
声にならない絶叫を上げながら、決死の形相で私を本気で殺そうとしている彼女に敬意を表したい。
口をパクパクさせながら空気を求める彼女は、静かに意識を失っていく。
完全に意識がなくなったのを確認すると、力を緩める。
ダランと力なく崩れ去る彼女に見とれてれてしまう。
床に寝かしつけると、ベタつく髪を少しかき分けて素顔を確認する、思わず声が漏れてしまった。
「お前は...、美しい...」
彼女の血だらけの手を握りしめる。
ほのかに暖かさを感じる。
「もう一度、お前の笑顔が見てみたいものだな...」
静かに呟きながら、独房の鍵をかけてその場を後にした。
独房、鉄格子の奥に見える存在に、私は目を奪われた。
だが、そんな私を親の仇のように睨みつけてくる。
「お前は、なぜ私をそんな目で睨む...」
私を見る彼女の視線は冷たい。
彼女の風貌は、家畜の豚のように汚れてはいたが、青く光る眼光は鋭く美しい...。
桜色の長い髪を汗でべたつかせてはいるが、それでも、彼女の本質を私が見誤ることはない。
両足を鎖で繋がれた彼女は、私を軽蔑したような目で見てくる。
ガチャガチャという、鎖の音を独房中に響かせながら動き続ける。
「あぇ..、..し.て...!」
よろよろと拘束された両手を私に伸ばして、何かを口走っている。
何を言っているかは分からないが、何のことを話そうとしているのかは分かる。
彼女は口を動かしているが、私のかけた術式の効力により、上手に話すことができない。
いつまで抵抗の意思を見せ続けるのだろうか?、かれこれ数年にわたった拷問でも、彼女を屈服させるには至らなかった。
彼女の体には生々しい拷問の跡が残っている。
手と足には無数の数えきれない生傷が見えていた。
本心を屈服させるのは諦めて、洗脳や催眠によるコントロールを試した方が良さそうだと思い始めていた。
できれば心から屈服させたかったのだが、これ以上は時間の無駄だろう。
私はため息を吐きながら、血まみれで弱り切った彼女を見下ろす。
白い簡素な服は、彼女の血と汗と涙で染まっていた。
その光景に、私は胸を震わせる。
(ああ、子を思う親の姿は実に美しい...、だからこそ...、我が物にしたい)
私に少しでも近づこうとする彼女の這い寄ってくる姿に、愉悦を感じながらも蹴り飛ばす。
一度倒れ伏した彼女だが、再び立ち上がってくる。
何度倒れても、その眼光の鋭さが消えることはなかった。
どれだけキツイ拷問をしようとも、腕を引きちぎられるような感触を与えても、彼女の心は壊れなかった。
何度拷問しても無駄なのだ。
彼女の心はまさしく××だった...。
その心は絶対に折れることはない。
そのことをよく知っているのは自分だった。
無理だと分かっていたが、こればかりはどうしようもないことだと諦めきれない自分がいた。
彼女に触れようとすると、腕の拘束具で殴りかかろうとしてくる。
無駄だと分かっていても、彼女は抵抗をやめない。
私は彼女の首に手を当ててゆっくりと持ち上げる。
少しずつ力を入れてゆっくりと息ができないようにしていく。
必死に足をばたつかせながら、腕の拘束具で殴りかかってくるが痛くもかゆくもない。
声にならない絶叫を上げながら、決死の形相で私を本気で殺そうとしている彼女に敬意を表したい。
口をパクパクさせながら空気を求める彼女は、静かに意識を失っていく。
完全に意識がなくなったのを確認すると、力を緩める。
ダランと力なく崩れ去る彼女に見とれてれてしまう。
床に寝かしつけると、ベタつく髪を少しかき分けて素顔を確認する、思わず声が漏れてしまった。
「お前は...、美しい...」
彼女の血だらけの手を握りしめる。
ほのかに暖かさを感じる。
「もう一度、お前の笑顔が見てみたいものだな...」
静かに呟きながら、独房の鍵をかけてその場を後にした。
0
お気に入りに追加
35
あなたにおすすめの小説
サディストの私がM男を多頭飼いした時のお話
トシコ
ファンタジー
素人の女王様である私がマゾの男性を飼うのはリスクもありますが、生活に余裕の出来た私には癒しの空間でした。結婚しないで管理職になった女性は周りから見る目も厳しく、私は自分だけの城を作りまあした。そこで私とM男の週末の生活を祖紹介します。半分はノンフィクション、そして半分はフィクションです。

せっかくのクラス転移だけども、俺はポテトチップスでも食べながらクラスメイトの冒険を見守りたいと思います
霖空
ファンタジー
クラス転移に巻き込まれてしまった主人公。
得た能力は悪くない……いや、むしろ、チートじみたものだった。
しかしながら、それ以上のデメリットもあり……。
傍観者にならざるをえない彼が傍観者するお話です。
基本的に、勇者や、影井くんを見守りつつ、ほのぼの?生活していきます。
が、そのうち、彼自身の物語も始まる予定です。

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします
Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。
相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。
現在、第三章フェレスト王国エルフ編

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。


調子に乗りすぎて処刑されてしまった悪役貴族のやり直し自制生活 〜ただし自制できるとは言っていない〜
EAT
ファンタジー
「どうしてこうなった?」
優れた血統、高貴な家柄、天賦の才能────生まれときから勝ち組の人生により調子に乗りまくっていた侯爵家嫡男クレイム・ブラッドレイは殺された。
傍から見ればそれは当然の報いであり、殺されて当然な悪逆非道の限りを彼は尽くしてきた。しかし、彼はなぜ自分が殺されなければならないのか理解できなかった。そして、死ぬ間際にてその答えにたどり着く。簡単な話だ………信頼し、友と思っていた人間に騙されていたのである。
そうして誰もにも助けてもらえずに彼は一生を終えた。意識が薄れゆく最中でクレイムは思う。「願うことならば今度の人生は平穏に過ごしたい」と「決して調子に乗らず、謙虚に慎ましく穏やかな自制生活を送ろう」と。
次に目が覚めればまた新しい人生が始まると思っていたクレイムであったが、目覚めてみればそれは10年前の少年時代であった。
最初はどういうことか理解が追いつかなかったが、また同じ未来を繰り返すのかと絶望さえしたが、同時にそれはクレイムにとって悪い話ではなかった。「同じ轍は踏まない。今度は全てを投げ出して平穏なスローライフを送るんだ!」と目標を定め、もう一度人生をやり直すことを決意する。
しかし、運命がそれを許さない。
一度目の人生では考えられないほどの苦難と試練が真人間へと更生したクレイムに次々と降りかかる。果たしてクレイムは本当にのんびり平穏なスローライフを遅れるのだろうか?
※他サイトにも掲載中
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる