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火の大陸編
火の大陸が凍える時...
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町に戻ると、真っ先に違和感を感じた私だった。
(なにこれ...、かなり肌寒い、それにこの異質な感じ...、あの日と同じ...)
ナツキとコルも何かに気がついたようで警戒を怠らない。
町に入ったときに気がついた。
「海が凍ってる...!」
海が氷ついており、バカンスどころの気分ではない観光客が激怒したように宿に戻って行くのが見える。
それにこの寒さでは水着は地獄だろう。
皆宿に戻って行くのだが、明らかに一人別の道をゆく者がいた。
この状況で町の外に向かう青髪の女性に私は目が止まって、声をかける。
「あの...」
私が声をかけようとすると、彼女は紅のマントを翻して私の方を向く。
「何かしら?」
薄気味悪い笑顔を浮かべている彼女に、私は嫌雰囲気を感じ取った。
ふふふっと笑った彼女はねっとりとしたボイスで私に注意する。
「...、特に用がないのに人を引き止めてはダメよ...、私にはこれから大仕事があるの...、そこらへんにいる勇者が仕事をしないから私がその後始末を引き受けているのよ...」
「それは聞き捨てなりませんね」
ナツキが私の後ろから彼女に食ってかかった。
「風の勇者ナツキ...、あなたはまだ仕事をしてるわ...、全体的に見ればあんまり役にはたっていなのだけれど...」
ナツキの表情が少し険しくなる。
「そちらこそ、あなたの名前も顔も聞いたことも見たこともないのですが、どこの勇者ですか?、僕に認知されないくらいの人物では話になりませんね」
彼が挑発すると、彼女は少し笑う。
「残念ながら私は勇者ではないの...、そうね...クロリアの友達といえばいいかしら?」
その言葉を聞いた瞬間にナツキのパーティは臨戦闘態勢を整える。
「ナツキ殿...、彼女はかなりの手練れですぞ...」
コルに耳打ちされたが、そんなことは言われなくても分かっている。
「そうみたいですね、でもクロリアさんの友達と知ったからには逃すわけにはいきません、あなた罪はありませんが、口を割って貰いますよ」
ナツキは剣先を彼女に向ける。
言葉はしっかりとしたことを言っているが、内心では震えている。
こうやって相対しているだけでも怖いくらいだが、クロリアの友達と聞いて黙って見逃すわけにはいかない。
一呼吸を置いてから2人で同時にかかろうとしたときに異変に気がついた。
まずは私が短剣で斬りかかるが、切先が届かない、気がつくと私の足が氷付けにされていた。
ナツキも同様にもたついている。
足を封じられたら、ナツキと私の素早さも意味がない。
その隙をついてコルを狙う彼女に完全に遅れをとったナツキ達は成すすべがなかった。
コルに近づくと、パンパンっと手を叩いて「ここまでね...」と言いそのまま薄気味悪い笑顔のまま、町から出て行った。
彼女の背中が見えなくなると、急にその場に屈みこんで、3人は嫌な気分を味わっていた。
(あの女、会話中に少しずつ、私たちに気がつかない程度で足周りの空気を凍結させていた、ここまでの熟練度の高い魔法使いは見たことがない)
ナツキとコルの表情から察するに、彼らもあれほどの魔法使いは見たことがないのだろう。
コルの魔法熟練度も高いが、それさえも遥かに上回る練度に精度、人間の技ではない。
背筋が凍るとはこういうことを言うのだろうと、私は思った。
息を切らしながら、ただ見逃してくれた幸運に、今は感謝している自分がいた...。
(なにこれ...、かなり肌寒い、それにこの異質な感じ...、あの日と同じ...)
ナツキとコルも何かに気がついたようで警戒を怠らない。
町に入ったときに気がついた。
「海が凍ってる...!」
海が氷ついており、バカンスどころの気分ではない観光客が激怒したように宿に戻って行くのが見える。
それにこの寒さでは水着は地獄だろう。
皆宿に戻って行くのだが、明らかに一人別の道をゆく者がいた。
この状況で町の外に向かう青髪の女性に私は目が止まって、声をかける。
「あの...」
私が声をかけようとすると、彼女は紅のマントを翻して私の方を向く。
「何かしら?」
薄気味悪い笑顔を浮かべている彼女に、私は嫌雰囲気を感じ取った。
ふふふっと笑った彼女はねっとりとしたボイスで私に注意する。
「...、特に用がないのに人を引き止めてはダメよ...、私にはこれから大仕事があるの...、そこらへんにいる勇者が仕事をしないから私がその後始末を引き受けているのよ...」
「それは聞き捨てなりませんね」
ナツキが私の後ろから彼女に食ってかかった。
「風の勇者ナツキ...、あなたはまだ仕事をしてるわ...、全体的に見ればあんまり役にはたっていなのだけれど...」
ナツキの表情が少し険しくなる。
「そちらこそ、あなたの名前も顔も聞いたことも見たこともないのですが、どこの勇者ですか?、僕に認知されないくらいの人物では話になりませんね」
彼が挑発すると、彼女は少し笑う。
「残念ながら私は勇者ではないの...、そうね...クロリアの友達といえばいいかしら?」
その言葉を聞いた瞬間にナツキのパーティは臨戦闘態勢を整える。
「ナツキ殿...、彼女はかなりの手練れですぞ...」
コルに耳打ちされたが、そんなことは言われなくても分かっている。
「そうみたいですね、でもクロリアさんの友達と知ったからには逃すわけにはいきません、あなた罪はありませんが、口を割って貰いますよ」
ナツキは剣先を彼女に向ける。
言葉はしっかりとしたことを言っているが、内心では震えている。
こうやって相対しているだけでも怖いくらいだが、クロリアの友達と聞いて黙って見逃すわけにはいかない。
一呼吸を置いてから2人で同時にかかろうとしたときに異変に気がついた。
まずは私が短剣で斬りかかるが、切先が届かない、気がつくと私の足が氷付けにされていた。
ナツキも同様にもたついている。
足を封じられたら、ナツキと私の素早さも意味がない。
その隙をついてコルを狙う彼女に完全に遅れをとったナツキ達は成すすべがなかった。
コルに近づくと、パンパンっと手を叩いて「ここまでね...」と言いそのまま薄気味悪い笑顔のまま、町から出て行った。
彼女の背中が見えなくなると、急にその場に屈みこんで、3人は嫌な気分を味わっていた。
(あの女、会話中に少しずつ、私たちに気がつかない程度で足周りの空気を凍結させていた、ここまでの熟練度の高い魔法使いは見たことがない)
ナツキとコルの表情から察するに、彼らもあれほどの魔法使いは見たことがないのだろう。
コルの魔法熟練度も高いが、それさえも遥かに上回る練度に精度、人間の技ではない。
背筋が凍るとはこういうことを言うのだろうと、私は思った。
息を切らしながら、ただ見逃してくれた幸運に、今は感謝している自分がいた...。
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