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火の大陸編
覚えてない方がいい...
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私はそこにいた。
物心ついた時からお姉ちゃんと一緒。
父さんも母さんもいなくて、姉妹で二人暮し。
だから、二人で協力してこの巣を作った。
人間の目に止まらない高い山脈を巣にして、姉妹仲良く暮らす。
それだけで幸せだった。
「お姉ちゃん、一緒に体洗おう!」
「ん?、いいよアイカ!、綺麗にしようか」
今のお姉ちゃんとは違い、少し男勝りな性格だったのを覚えている。
今思うと、私がいたからお姉ちゃんはこうしないといけないと張り詰めていたのかもしれない。
妹が頼れる姉を演じていたのかも...。
そう思うと少し胸が締め付けられる。
「今日は海底ダコの掴み獲りしてきたから一緒に焼こうな!」
お姉ちゃんのブレスは、巨大なタコを1発で美味しく焼いてくれた。
私も一緒に咆哮を上げてブレスを吐くがお姉ちゃんのようにうまくできない。
私がしょげていると、お姉ちゃんは私の頭をポンポン叩く。
「大丈夫だって!、アイカもきっといつかはこんくらいできるようになるって!」
楽観的なお姉ちゃんの様子をみると、変な安心感があった。
私は落ち着くと、急にお腹がぐぐ~と鳴り、タコの丸焼きの香ばしい匂いが鼻をつく。
「美味しそう~」
私は目を輝かせてタコにかぶりつく。
お姉ちゃんが作ってくれる物は大抵美味しいかった。
タコの丸焼き、イノシシの丸焼き、キノコスープに果実のサラダ。
どれも思い出深い物ばかりだ。
たまに失敗するけれど、それも思い出だ。
こういう日がこれからも続いていくと思っていた...。
だけど、転機は急に訪れた。
火の大陸に雪が降った日。
普通は雪など降らないこの地に、それは起こった。
私とお姉ちゃんがブレスの炎で暖を取っていると、龍の巣に見慣れない人間が訪れた。
怯える私を見たお姉ちゃんは「隠れてなさい」と静かに呟いて、私を食べ残しのクズ底に落とした。
クズ底から話声を聴いていると、なにやら物騒な物音がして辺りが熱気に包まれた。
お姉ちゃんが龍化したのだ。
それと同時に冷気が大気を汚染し、一瞬でその熱気はかき消された、と同時に物音が外の方へと遠のいていく。
私は慌てて龍化し、龍の巣の崖まで移動すると、そこから見えたのは海上に落ちていく真紅のドラゴンと、それを見つめる一人の人間だった。
その人間は、無数の氷塊を作り出して構える。
そのまま、落ちていくお姉ちゃんに何度もそれを叩きつけていた。
その時のお姉ちゃんは、爪が割れ、ツノが折れて、尻尾も切断されていた。
見るからに痛々しい姿となって、血しぶきをあげながら海面に叩きつけられたお姉ちゃんは二度と浮かび上がってくることはなかった。
私は怒りの形相でその人間を睨みつけていたが、レベルの違いに気がついていたので何もできなかった。
後日海底をくまなく探したが、お姉ちゃんの遺体は見つからず、途方に暮れていた。
「なぜ?どうしてアイカ達がこんな目に合わないといけないの?、何にも悪いことしていないのに...」
怒りをぶつけるべきその人間はそれ以降現れはしなかった。
その後から、私の人間に対する怒りと憎しみが増していくのを感じていたが、私のとった行動は傍観だった。
もうなにもしたくなかった、このまま年老いて一人で死ぬことが最後の幸福に思えたからだ。
再びお姉ちゃんが私達の巣の近くに現れるまでは...。
懐かしい存在感を感じとった私は、龍化しながら空へと羽ばたいた。
物心ついた時からお姉ちゃんと一緒。
父さんも母さんもいなくて、姉妹で二人暮し。
だから、二人で協力してこの巣を作った。
人間の目に止まらない高い山脈を巣にして、姉妹仲良く暮らす。
それだけで幸せだった。
「お姉ちゃん、一緒に体洗おう!」
「ん?、いいよアイカ!、綺麗にしようか」
今のお姉ちゃんとは違い、少し男勝りな性格だったのを覚えている。
今思うと、私がいたからお姉ちゃんはこうしないといけないと張り詰めていたのかもしれない。
妹が頼れる姉を演じていたのかも...。
そう思うと少し胸が締め付けられる。
「今日は海底ダコの掴み獲りしてきたから一緒に焼こうな!」
お姉ちゃんのブレスは、巨大なタコを1発で美味しく焼いてくれた。
私も一緒に咆哮を上げてブレスを吐くがお姉ちゃんのようにうまくできない。
私がしょげていると、お姉ちゃんは私の頭をポンポン叩く。
「大丈夫だって!、アイカもきっといつかはこんくらいできるようになるって!」
楽観的なお姉ちゃんの様子をみると、変な安心感があった。
私は落ち着くと、急にお腹がぐぐ~と鳴り、タコの丸焼きの香ばしい匂いが鼻をつく。
「美味しそう~」
私は目を輝かせてタコにかぶりつく。
お姉ちゃんが作ってくれる物は大抵美味しいかった。
タコの丸焼き、イノシシの丸焼き、キノコスープに果実のサラダ。
どれも思い出深い物ばかりだ。
たまに失敗するけれど、それも思い出だ。
こういう日がこれからも続いていくと思っていた...。
だけど、転機は急に訪れた。
火の大陸に雪が降った日。
普通は雪など降らないこの地に、それは起こった。
私とお姉ちゃんがブレスの炎で暖を取っていると、龍の巣に見慣れない人間が訪れた。
怯える私を見たお姉ちゃんは「隠れてなさい」と静かに呟いて、私を食べ残しのクズ底に落とした。
クズ底から話声を聴いていると、なにやら物騒な物音がして辺りが熱気に包まれた。
お姉ちゃんが龍化したのだ。
それと同時に冷気が大気を汚染し、一瞬でその熱気はかき消された、と同時に物音が外の方へと遠のいていく。
私は慌てて龍化し、龍の巣の崖まで移動すると、そこから見えたのは海上に落ちていく真紅のドラゴンと、それを見つめる一人の人間だった。
その人間は、無数の氷塊を作り出して構える。
そのまま、落ちていくお姉ちゃんに何度もそれを叩きつけていた。
その時のお姉ちゃんは、爪が割れ、ツノが折れて、尻尾も切断されていた。
見るからに痛々しい姿となって、血しぶきをあげながら海面に叩きつけられたお姉ちゃんは二度と浮かび上がってくることはなかった。
私は怒りの形相でその人間を睨みつけていたが、レベルの違いに気がついていたので何もできなかった。
後日海底をくまなく探したが、お姉ちゃんの遺体は見つからず、途方に暮れていた。
「なぜ?どうしてアイカ達がこんな目に合わないといけないの?、何にも悪いことしていないのに...」
怒りをぶつけるべきその人間はそれ以降現れはしなかった。
その後から、私の人間に対する怒りと憎しみが増していくのを感じていたが、私のとった行動は傍観だった。
もうなにもしたくなかった、このまま年老いて一人で死ぬことが最後の幸福に思えたからだ。
再びお姉ちゃんが私達の巣の近くに現れるまでは...。
懐かしい存在感を感じとった私は、龍化しながら空へと羽ばたいた。
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