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火の大陸編
龍の巣(イラスト有り)
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私はドラゴンの巣へと運ばれていた。
藁や葉っぱ、木の枝や何かの保健で簡素に作られた巣は、まるで鳥の巣のようであった。
その中心部に私を優しく置いて、私をじっと見つめてくる。
私は嫌な汗が全身から流れ落ちるのを感じながらも、頭を動かす。
どうにかして逃げられないかを考える。
その間も私をじっと見つめて微動だにしない青い瞳に吸い込まれそうになる。
おもむろに巨龍は口を動かす。
「やっぱり...お姉ちゃん...?」
「えっ!?」
私は驚いた顔で口を抑える。
目の前のドラゴンが自分のことを「お姉ちゃん?」と抜かしたのだから無理もない。
そもそも人の言葉がわかるのかと思っていると、ドラゴンの体から煙のような物が吹き出してきて、辺り一面が包まれる。
咳をこみながら煙が晴れるのを待った。
「お姉ちゃんだよね...?」
私は目を見開いてしまっていた。
なぜなら、そこに立っていたのはマオと同年代くらいの幼女だったからだ。
赤い短髪の髪に、青い瞳が輝いている。
白と赤の混じる独特の装束を纏い、こっちを心配そうに見ている。
「あなたは...?」
「アイカ...だよ...、覚えてない?」
自分の幼き時に似ているその子を見て、なにか頭に痛みが走った。
一瞬だったのでなにが起きたのかはわからない。
なにか忘れている...?
いや、でもアイカなんて名前聞いたこともないし、私にはユウリ以外の家族など存在しない。
でも、この子を見ているとなぜかそれと似たような感情が湧き上がってくる。
「覚えてない...か...」
アイカと名乗る少女は、ため息を吐きながらその場に座る。
その仕草を見て何かは感じるのだが、やはり何かが邪魔をしているような感覚が残る。
少女は私の方を見て語り始めた。
「お姉ちゃんは何年か前にある旅人に氷漬けにされて海上に叩き落とされたんだよ、もしかしたらその時に記憶を失ったのかもしれないね...」
...、たしかに私は始まりの大陸の港で発見されたのは間違いない。
その後に始まりの町に送られてユウリに出会ったのだ。
私はそれ以前の記憶はない、この子の言うことが正しければ私は...、あれ?海上って...。
気になったので少女に聞いてみる。
「ねぇ...、アイカちゃん?だったよね?、海上で私が叩き落とされったって...、もしかして私も龍だったの?」
「うん、お姉ちゃんも私と同じで火龍の血筋を引く者だよ、もしかしてそれも忘れてたの?」
衝撃の事実に私は空いた口が塞がらない、時を同じくして、自分のスキル欄に新たなスキルが登場した。
スキル名は“火龍”と“龍人”だった。
「...、アイカちゃんの言ったことは本当見たいですね...」
スキルとは、その人の種族やこれまでの鍛錬により得れるものである。
種族スキルはその種族でないと得ることはできないため、偽ることなどできはしない。
この種族スキルを覚えたということは...、私はこの子の言う通り龍族なのだろう。
私が種族スキルを習得した時に少女は微笑んだ。
「少しは私のことを信用してくれた?」
「ええ...、でもなんで私だけを連れ去ったの?、そこまで確信めいていたのならあの場で話してくれれば良かったのに」
「ドラゴンと話したがる人間はいない、ドラゴンとは人の恐れる象徴であり力の化身、そんなアイカが記憶をなくしたお姉ちゃんと話せるわけがない」
子どもらしかぬ冷たい瞳で私をみると、近づいてくる。
「それにあんな人間と一緒にいるなんてびっくりした、基本的に人とは相容れぬ存在であるドラゴンが、あそこまで人と親しげにできるなんて思っても見なかったから...」
そう言いながら私の真下に移動して、私を見上げてくる。
「お姉ちゃん、記憶を思い出せなくてもいいから、アイカとまた一緒に暮らそう...、今度はアイカがお姉ちゃんを守るから...」
少女は私の足にしがみついて離さない。
彼女は強力なドラゴンなのかもしれないが、内面は子供なのだとこの時に気がついた。
正直この子の話を全て鵜呑みにするほどレスカも愚かではないが、なぜか信憑性が妙に高く感じていた。
(ユウリ...、私は...、人ではないのかもしれません...)
その真実は、私の心に受け入れがたい感情が渦巻かせていた。
藁や葉っぱ、木の枝や何かの保健で簡素に作られた巣は、まるで鳥の巣のようであった。
その中心部に私を優しく置いて、私をじっと見つめてくる。
私は嫌な汗が全身から流れ落ちるのを感じながらも、頭を動かす。
どうにかして逃げられないかを考える。
その間も私をじっと見つめて微動だにしない青い瞳に吸い込まれそうになる。
おもむろに巨龍は口を動かす。
「やっぱり...お姉ちゃん...?」
「えっ!?」
私は驚いた顔で口を抑える。
目の前のドラゴンが自分のことを「お姉ちゃん?」と抜かしたのだから無理もない。
そもそも人の言葉がわかるのかと思っていると、ドラゴンの体から煙のような物が吹き出してきて、辺り一面が包まれる。
咳をこみながら煙が晴れるのを待った。
「お姉ちゃんだよね...?」
私は目を見開いてしまっていた。
なぜなら、そこに立っていたのはマオと同年代くらいの幼女だったからだ。
赤い短髪の髪に、青い瞳が輝いている。
白と赤の混じる独特の装束を纏い、こっちを心配そうに見ている。
「あなたは...?」
「アイカ...だよ...、覚えてない?」
自分の幼き時に似ているその子を見て、なにか頭に痛みが走った。
一瞬だったのでなにが起きたのかはわからない。
なにか忘れている...?
いや、でもアイカなんて名前聞いたこともないし、私にはユウリ以外の家族など存在しない。
でも、この子を見ているとなぜかそれと似たような感情が湧き上がってくる。
「覚えてない...か...」
アイカと名乗る少女は、ため息を吐きながらその場に座る。
その仕草を見て何かは感じるのだが、やはり何かが邪魔をしているような感覚が残る。
少女は私の方を見て語り始めた。
「お姉ちゃんは何年か前にある旅人に氷漬けにされて海上に叩き落とされたんだよ、もしかしたらその時に記憶を失ったのかもしれないね...」
...、たしかに私は始まりの大陸の港で発見されたのは間違いない。
その後に始まりの町に送られてユウリに出会ったのだ。
私はそれ以前の記憶はない、この子の言うことが正しければ私は...、あれ?海上って...。
気になったので少女に聞いてみる。
「ねぇ...、アイカちゃん?だったよね?、海上で私が叩き落とされったって...、もしかして私も龍だったの?」
「うん、お姉ちゃんも私と同じで火龍の血筋を引く者だよ、もしかしてそれも忘れてたの?」
衝撃の事実に私は空いた口が塞がらない、時を同じくして、自分のスキル欄に新たなスキルが登場した。
スキル名は“火龍”と“龍人”だった。
「...、アイカちゃんの言ったことは本当見たいですね...」
スキルとは、その人の種族やこれまでの鍛錬により得れるものである。
種族スキルはその種族でないと得ることはできないため、偽ることなどできはしない。
この種族スキルを覚えたということは...、私はこの子の言う通り龍族なのだろう。
私が種族スキルを習得した時に少女は微笑んだ。
「少しは私のことを信用してくれた?」
「ええ...、でもなんで私だけを連れ去ったの?、そこまで確信めいていたのならあの場で話してくれれば良かったのに」
「ドラゴンと話したがる人間はいない、ドラゴンとは人の恐れる象徴であり力の化身、そんなアイカが記憶をなくしたお姉ちゃんと話せるわけがない」
子どもらしかぬ冷たい瞳で私をみると、近づいてくる。
「それにあんな人間と一緒にいるなんてびっくりした、基本的に人とは相容れぬ存在であるドラゴンが、あそこまで人と親しげにできるなんて思っても見なかったから...」
そう言いながら私の真下に移動して、私を見上げてくる。
「お姉ちゃん、記憶を思い出せなくてもいいから、アイカとまた一緒に暮らそう...、今度はアイカがお姉ちゃんを守るから...」
少女は私の足にしがみついて離さない。
彼女は強力なドラゴンなのかもしれないが、内面は子供なのだとこの時に気がついた。
正直この子の話を全て鵜呑みにするほどレスカも愚かではないが、なぜか信憑性が妙に高く感じていた。
(ユウリ...、私は...、人ではないのかもしれません...)
その真実は、私の心に受け入れがたい感情が渦巻かせていた。
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