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火の大陸編
仕事
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ぴょんぴょんと跳ねてくる赤いスライムが現れる。
「そこだぁ!!、マオビィィィィム!!」
マオが思いっきり飛び跳ねて目からビームを放ち、そのスライムに当てるが、相変わらずダメージはないようだ。
「何やってんだよ!」
俺は注意するが、マオはそれを続けている。
スライムが眩しそうに目を閉じているところを、俺が勇者専用呪文の電撃で怯ませて、レスカが武闘家スキルの“空列波”で吹き飛ばす。
こう見えて、レスカは武闘家だ。(そんなことくらい最初の説明しとけよ)
武闘家の割には魔法力が高く、呪文も唱えれるのが彼女のすごいところだ。
「ハァ!」
レスカが拳を突き出す度に、そいつの体にめり込んで吹き飛ばす。
拳を突き出す度に、何度も空気の塊のような物が放出される。
マオは不思議そうにレスカの技を見ていると、マオの方にスライムが噛み付こうとしたことに気がついたレスカが蹴りを入れる。
蹴りからでも衝撃波のようなものが立ち、それらは四散する。
「おお~」
マオは口を開いてパチパチと拍手をして、レスカを褒め称える。
照れ臭そうに頭を描きながらマオを見るレスカにほっこりする俺だが、恋人に負けてはいられない。
「電撃呪文!!、シビレーロ!!」
俺が呪文を唱えると、先ほどよりも威力の高い電撃が飛び交う。
熟練度が低いため連発はできないが、この大陸の魔物であれば一撃必殺クラスの技だ。
少し消費魔力が多いのが難点だが、威力は折り紙付きだ。
しかし、雷の杖でも代用できるため、基本的には杖を使った後から呪文を使った方が効率はいい。
道具がなくても呪文を放てるのはメリットだが、道具は魔力を使わなくて済むのがメリットだが、一回使うとしばらく使えなくなるデメリットが痛いため、基本的には一回だけ道具を使い、そのあとは自分で戦うのが一番現実的な戦い方だ。
道具には道具に良さが、呪文には呪文の良さがある。
違う性能の技や道具を使いこなしてこそ、真の勇者と言えるだろう。
そう思って俺は多種多様な道具やスキルを所持していたのだが、後者は完全に消失されたため、今までは前者で戦うしかなかった。
最近はレベルが上がってきて、ある程度スキルを割振れたので、後者のスキルアップを急いでいる。
できるだけ多くの経験を積み、呪文やスキル技を沢山使って熟練度を上げなくてはと思っているのだが...。
「この魔物弱すぎ...」
さっきから一撃で粉砕できる程度の魔物の討伐ばかりしている、正直楽な仕事を選んでもらったのだが、これは流石に楽すぎる。
これでは報酬が期待できない。
まあ初日にやる肩慣らしとしては充分だが、明日からはもっとがっつりと稼げる危ない仕事を受けようと思う。
まあ、マオにはそれくらいが丁度いいのだが...。
マオの方に視線を送ると、そこには、苦戦している魔王の姿がある。
俺はマオの分も電撃で消滅させる。
彼女が倒す前にスライムを消滅させたので、こちらを見て怒ってくる。
「ムキ~!!、それは余が倒すべき相手だぞ!!」
俺は鼻で笑いながら「だったら俺より強くなってみろよ」と挑発する。
その場で地面を蹴る仕草をする彼女を見て俺は笑った。
「絶対に、いつかユウリをギャフンと言わせてやるからな~...」
「楽しみにしておく、まあマオが俺を抜くなんざほぼ不可能だろうけどな!」
彼女に俺は揺さぶりをかけて遊んでいると、レスカに注意される。
「ユウリ!、あなたは勇者なんですから、こんな小さい子と張り合ってはダメですよ!」
レスカの言うことが正論なのはわかっている、ただ、小さい子というのが魔王なのだが...。
俺はレスカの正論に反論するのも面倒くさくなり、そっぽを向いて次の目的を考えていた。
(...、そういえば今日は少し肌寒いな...)
「そこだぁ!!、マオビィィィィム!!」
マオが思いっきり飛び跳ねて目からビームを放ち、そのスライムに当てるが、相変わらずダメージはないようだ。
「何やってんだよ!」
俺は注意するが、マオはそれを続けている。
スライムが眩しそうに目を閉じているところを、俺が勇者専用呪文の電撃で怯ませて、レスカが武闘家スキルの“空列波”で吹き飛ばす。
こう見えて、レスカは武闘家だ。(そんなことくらい最初の説明しとけよ)
武闘家の割には魔法力が高く、呪文も唱えれるのが彼女のすごいところだ。
「ハァ!」
レスカが拳を突き出す度に、そいつの体にめり込んで吹き飛ばす。
拳を突き出す度に、何度も空気の塊のような物が放出される。
マオは不思議そうにレスカの技を見ていると、マオの方にスライムが噛み付こうとしたことに気がついたレスカが蹴りを入れる。
蹴りからでも衝撃波のようなものが立ち、それらは四散する。
「おお~」
マオは口を開いてパチパチと拍手をして、レスカを褒め称える。
照れ臭そうに頭を描きながらマオを見るレスカにほっこりする俺だが、恋人に負けてはいられない。
「電撃呪文!!、シビレーロ!!」
俺が呪文を唱えると、先ほどよりも威力の高い電撃が飛び交う。
熟練度が低いため連発はできないが、この大陸の魔物であれば一撃必殺クラスの技だ。
少し消費魔力が多いのが難点だが、威力は折り紙付きだ。
しかし、雷の杖でも代用できるため、基本的には杖を使った後から呪文を使った方が効率はいい。
道具がなくても呪文を放てるのはメリットだが、道具は魔力を使わなくて済むのがメリットだが、一回使うとしばらく使えなくなるデメリットが痛いため、基本的には一回だけ道具を使い、そのあとは自分で戦うのが一番現実的な戦い方だ。
道具には道具に良さが、呪文には呪文の良さがある。
違う性能の技や道具を使いこなしてこそ、真の勇者と言えるだろう。
そう思って俺は多種多様な道具やスキルを所持していたのだが、後者は完全に消失されたため、今までは前者で戦うしかなかった。
最近はレベルが上がってきて、ある程度スキルを割振れたので、後者のスキルアップを急いでいる。
できるだけ多くの経験を積み、呪文やスキル技を沢山使って熟練度を上げなくてはと思っているのだが...。
「この魔物弱すぎ...」
さっきから一撃で粉砕できる程度の魔物の討伐ばかりしている、正直楽な仕事を選んでもらったのだが、これは流石に楽すぎる。
これでは報酬が期待できない。
まあ初日にやる肩慣らしとしては充分だが、明日からはもっとがっつりと稼げる危ない仕事を受けようと思う。
まあ、マオにはそれくらいが丁度いいのだが...。
マオの方に視線を送ると、そこには、苦戦している魔王の姿がある。
俺はマオの分も電撃で消滅させる。
彼女が倒す前にスライムを消滅させたので、こちらを見て怒ってくる。
「ムキ~!!、それは余が倒すべき相手だぞ!!」
俺は鼻で笑いながら「だったら俺より強くなってみろよ」と挑発する。
その場で地面を蹴る仕草をする彼女を見て俺は笑った。
「絶対に、いつかユウリをギャフンと言わせてやるからな~...」
「楽しみにしておく、まあマオが俺を抜くなんざほぼ不可能だろうけどな!」
彼女に俺は揺さぶりをかけて遊んでいると、レスカに注意される。
「ユウリ!、あなたは勇者なんですから、こんな小さい子と張り合ってはダメですよ!」
レスカの言うことが正論なのはわかっている、ただ、小さい子というのが魔王なのだが...。
俺はレスカの正論に反論するのも面倒くさくなり、そっぽを向いて次の目的を考えていた。
(...、そういえば今日は少し肌寒いな...)
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