61 / 169
火の大陸編
桜炎の悪魔
しおりを挟む
焼けるように体が熱い...。
立っているのがやっとだ...。
ふと目の前を見ると、ザーク様の敵が見える。
炎のせいで赤く変色して見えてるが間違いない。
私はゆっくりと足を踏みしめて進む。
一歩また一歩、確実に距離を縮める。
「ーーーーーーー」
何か言っていることは分かる、標的の口が動くのが見えたからだ。
だが何を言っているかまではわからない、私の周囲を包んでいる豪炎が、すべての音をかき消していた。
無数の傷口がパックリと開き、出血を始めるが全く痛くない。
いや、意識していないだけだったのかも知れない。
ただ、今は目の前の敵を倒すことだけを考える。
奴はなぜか動かない、あれだけの実力差を見せつけた上でまだ余力を残しているようだ。
奴がザーク様の方に移動して、あの人の手を握ろうとしている。
それが憎らしく、許せない私は、眉間にシワを寄せる。
「離れろ...、ザーク様から離れろ!」
私は大声で叫び、片手を奴に向ける。
すると、周りの豪炎が奴に向かって咆哮を上げた。
まるで私の意見を尊重するかのように、奴だけを炎の渦へと誘う。
奴は炎の中で悶え苦しんでいる。
「死ねっ、死ねっ、死ねっ!」
私はつい嬉しくなって、狂ったように死ねを連呼する。
あの人の敵が苦しむ姿を見ると、謎の達成感があり、私の精神を汚染する。
(敵が苦しむのを見るのが気持ちいい...)
私は人には見せられない程の凶悪な顔を見せていた。
もうすぐ奴が灰になる...。
嬉しさのあまり気分が高揚する。
私の気分が上がると、周りの炎も比例して炎熱が上がっていく。
自分の感情がそのまま炎に変換されているような感覚さえ覚える。
「ウグッ...」
急に頭に痛みが走ったので頭を抑えた。
一瞬だったが激痛が走ったので、気をとられた。
その隙に奴は炎の渦から脱出していた。
「逃がさない!」
私が手を振りかざすと、周りの炎達が踊り始める。
私の命令を聞き入れ、まるで自分の手足のように、自由自在に操れる。
それを駆使し奴を追い詰める。
奴の逃げ場を囲い込み、殺しにかかる。
「これで...、終わり...」
後は手を振り下ろすだけ。
手を振り下ろそうとした瞬間、私の瞳は恍惚の光景を映し出していた。
立っているのがやっとだ...。
ふと目の前を見ると、ザーク様の敵が見える。
炎のせいで赤く変色して見えてるが間違いない。
私はゆっくりと足を踏みしめて進む。
一歩また一歩、確実に距離を縮める。
「ーーーーーーー」
何か言っていることは分かる、標的の口が動くのが見えたからだ。
だが何を言っているかまではわからない、私の周囲を包んでいる豪炎が、すべての音をかき消していた。
無数の傷口がパックリと開き、出血を始めるが全く痛くない。
いや、意識していないだけだったのかも知れない。
ただ、今は目の前の敵を倒すことだけを考える。
奴はなぜか動かない、あれだけの実力差を見せつけた上でまだ余力を残しているようだ。
奴がザーク様の方に移動して、あの人の手を握ろうとしている。
それが憎らしく、許せない私は、眉間にシワを寄せる。
「離れろ...、ザーク様から離れろ!」
私は大声で叫び、片手を奴に向ける。
すると、周りの豪炎が奴に向かって咆哮を上げた。
まるで私の意見を尊重するかのように、奴だけを炎の渦へと誘う。
奴は炎の中で悶え苦しんでいる。
「死ねっ、死ねっ、死ねっ!」
私はつい嬉しくなって、狂ったように死ねを連呼する。
あの人の敵が苦しむ姿を見ると、謎の達成感があり、私の精神を汚染する。
(敵が苦しむのを見るのが気持ちいい...)
私は人には見せられない程の凶悪な顔を見せていた。
もうすぐ奴が灰になる...。
嬉しさのあまり気分が高揚する。
私の気分が上がると、周りの炎も比例して炎熱が上がっていく。
自分の感情がそのまま炎に変換されているような感覚さえ覚える。
「ウグッ...」
急に頭に痛みが走ったので頭を抑えた。
一瞬だったが激痛が走ったので、気をとられた。
その隙に奴は炎の渦から脱出していた。
「逃がさない!」
私が手を振りかざすと、周りの炎達が踊り始める。
私の命令を聞き入れ、まるで自分の手足のように、自由自在に操れる。
それを駆使し奴を追い詰める。
奴の逃げ場を囲い込み、殺しにかかる。
「これで...、終わり...」
後は手を振り下ろすだけ。
手を振り下ろそうとした瞬間、私の瞳は恍惚の光景を映し出していた。
0
お気に入りに追加
35
あなたにおすすめの小説
サディストの私がM男を多頭飼いした時のお話
トシコ
ファンタジー
素人の女王様である私がマゾの男性を飼うのはリスクもありますが、生活に余裕の出来た私には癒しの空間でした。結婚しないで管理職になった女性は周りから見る目も厳しく、私は自分だけの城を作りまあした。そこで私とM男の週末の生活を祖紹介します。半分はノンフィクション、そして半分はフィクションです。

せっかくのクラス転移だけども、俺はポテトチップスでも食べながらクラスメイトの冒険を見守りたいと思います
霖空
ファンタジー
クラス転移に巻き込まれてしまった主人公。
得た能力は悪くない……いや、むしろ、チートじみたものだった。
しかしながら、それ以上のデメリットもあり……。
傍観者にならざるをえない彼が傍観者するお話です。
基本的に、勇者や、影井くんを見守りつつ、ほのぼの?生活していきます。
が、そのうち、彼自身の物語も始まる予定です。

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします
Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。
相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。
現在、第三章フェレスト王国エルフ編

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。


調子に乗りすぎて処刑されてしまった悪役貴族のやり直し自制生活 〜ただし自制できるとは言っていない〜
EAT
ファンタジー
「どうしてこうなった?」
優れた血統、高貴な家柄、天賦の才能────生まれときから勝ち組の人生により調子に乗りまくっていた侯爵家嫡男クレイム・ブラッドレイは殺された。
傍から見ればそれは当然の報いであり、殺されて当然な悪逆非道の限りを彼は尽くしてきた。しかし、彼はなぜ自分が殺されなければならないのか理解できなかった。そして、死ぬ間際にてその答えにたどり着く。簡単な話だ………信頼し、友と思っていた人間に騙されていたのである。
そうして誰もにも助けてもらえずに彼は一生を終えた。意識が薄れゆく最中でクレイムは思う。「願うことならば今度の人生は平穏に過ごしたい」と「決して調子に乗らず、謙虚に慎ましく穏やかな自制生活を送ろう」と。
次に目が覚めればまた新しい人生が始まると思っていたクレイムであったが、目覚めてみればそれは10年前の少年時代であった。
最初はどういうことか理解が追いつかなかったが、また同じ未来を繰り返すのかと絶望さえしたが、同時にそれはクレイムにとって悪い話ではなかった。「同じ轍は踏まない。今度は全てを投げ出して平穏なスローライフを送るんだ!」と目標を定め、もう一度人生をやり直すことを決意する。
しかし、運命がそれを許さない。
一度目の人生では考えられないほどの苦難と試練が真人間へと更生したクレイムに次々と降りかかる。果たしてクレイムは本当にのんびり平穏なスローライフを遅れるのだろうか?
※他サイトにも掲載中
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる