57 / 169
火の大陸編
クロリア
しおりを挟む
「レスカちゃん良かったのう、また虐めたいのう」
魔王城の庭園で思い出を振り返り、1人で悶えている私。
そこに見慣れない桜色の髪をしたメイドがやってくる。
「クロリア様、はじめまして、私はアオと申します」
綺麗なお辞儀を見せたアオをじっくりと観察する。
その目線が気になったのか、アオはスカートを抑えている。
「何でしょうか?」
彼女に不審がられてしまったので距離を置く。
「すまんのう、そうしても可愛い娘を見ると笑顔にしたくなる性分なんじゃが...、お主、わらわの傘下にくだらぬか?」
彼女は首を横に振る。
「すみません、私はザーク様のメイドです、自分の意思で動くわけにはいきません」
「つれないのう、自分の意思で判断させぬとは、ザークとか言う新しい魔王の器量が知れるわい」
わざと無神経な言葉を選んで彼女の神経を逆なでしてみる。
すると、思った通り静かに激昂し、少し怒りの表情をのぞかせている。
「クロリア様、我が主人を蔑ろにするような発言はお控えください、それに私はザーク様のことを信頼しています」
彼女の目には曇りのない青い瞳が光り輝いている。
それを見た私はふふんと笑いながら彼女の真剣な眼差しを寵愛した。
「その表情にはグッとくるものがあるのう、このような配下を持ったザークとやらがどんな者か少し気になったぞ」
「ザーク様でしたら、今は寝室にて睡眠中です、もう少しでお目覚めの時間なのでその時にお会いになりますか?」
彼女は丁寧な口調で私に提案を出す。
ふむ、と人差し指を唇の前において考える私。
「今から会いに行こうか...」
「え?...」
彼女が驚いたような表情をしたので面白い。
私は知っていた、魔王が寝ている場所は前と変わっていないだろう。
私は城壁を駆け上がり、大幅にショートカットし、魔王の寝室に到着する。
「さぁて、鬼が出るか蛇がでるか...」
私は前の魔王のように、巨体な男のような姿を想像している。
私はゆっくりと扉に手をかけて静かに開いた。
魔王城の庭園で思い出を振り返り、1人で悶えている私。
そこに見慣れない桜色の髪をしたメイドがやってくる。
「クロリア様、はじめまして、私はアオと申します」
綺麗なお辞儀を見せたアオをじっくりと観察する。
その目線が気になったのか、アオはスカートを抑えている。
「何でしょうか?」
彼女に不審がられてしまったので距離を置く。
「すまんのう、そうしても可愛い娘を見ると笑顔にしたくなる性分なんじゃが...、お主、わらわの傘下にくだらぬか?」
彼女は首を横に振る。
「すみません、私はザーク様のメイドです、自分の意思で動くわけにはいきません」
「つれないのう、自分の意思で判断させぬとは、ザークとか言う新しい魔王の器量が知れるわい」
わざと無神経な言葉を選んで彼女の神経を逆なでしてみる。
すると、思った通り静かに激昂し、少し怒りの表情をのぞかせている。
「クロリア様、我が主人を蔑ろにするような発言はお控えください、それに私はザーク様のことを信頼しています」
彼女の目には曇りのない青い瞳が光り輝いている。
それを見た私はふふんと笑いながら彼女の真剣な眼差しを寵愛した。
「その表情にはグッとくるものがあるのう、このような配下を持ったザークとやらがどんな者か少し気になったぞ」
「ザーク様でしたら、今は寝室にて睡眠中です、もう少しでお目覚めの時間なのでその時にお会いになりますか?」
彼女は丁寧な口調で私に提案を出す。
ふむ、と人差し指を唇の前において考える私。
「今から会いに行こうか...」
「え?...」
彼女が驚いたような表情をしたので面白い。
私は知っていた、魔王が寝ている場所は前と変わっていないだろう。
私は城壁を駆け上がり、大幅にショートカットし、魔王の寝室に到着する。
「さぁて、鬼が出るか蛇がでるか...」
私は前の魔王のように、巨体な男のような姿を想像している。
私はゆっくりと扉に手をかけて静かに開いた。
0
お気に入りに追加
35
あなたにおすすめの小説

せっかくのクラス転移だけども、俺はポテトチップスでも食べながらクラスメイトの冒険を見守りたいと思います
霖空
ファンタジー
クラス転移に巻き込まれてしまった主人公。
得た能力は悪くない……いや、むしろ、チートじみたものだった。
しかしながら、それ以上のデメリットもあり……。
傍観者にならざるをえない彼が傍観者するお話です。
基本的に、勇者や、影井くんを見守りつつ、ほのぼの?生活していきます。
が、そのうち、彼自身の物語も始まる予定です。

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします
Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。
相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。
現在、第三章フェレスト王国エルフ編

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。


調子に乗りすぎて処刑されてしまった悪役貴族のやり直し自制生活 〜ただし自制できるとは言っていない〜
EAT
ファンタジー
「どうしてこうなった?」
優れた血統、高貴な家柄、天賦の才能────生まれときから勝ち組の人生により調子に乗りまくっていた侯爵家嫡男クレイム・ブラッドレイは殺された。
傍から見ればそれは当然の報いであり、殺されて当然な悪逆非道の限りを彼は尽くしてきた。しかし、彼はなぜ自分が殺されなければならないのか理解できなかった。そして、死ぬ間際にてその答えにたどり着く。簡単な話だ………信頼し、友と思っていた人間に騙されていたのである。
そうして誰もにも助けてもらえずに彼は一生を終えた。意識が薄れゆく最中でクレイムは思う。「願うことならば今度の人生は平穏に過ごしたい」と「決して調子に乗らず、謙虚に慎ましく穏やかな自制生活を送ろう」と。
次に目が覚めればまた新しい人生が始まると思っていたクレイムであったが、目覚めてみればそれは10年前の少年時代であった。
最初はどういうことか理解が追いつかなかったが、また同じ未来を繰り返すのかと絶望さえしたが、同時にそれはクレイムにとって悪い話ではなかった。「同じ轍は踏まない。今度は全てを投げ出して平穏なスローライフを送るんだ!」と目標を定め、もう一度人生をやり直すことを決意する。
しかし、運命がそれを許さない。
一度目の人生では考えられないほどの苦難と試練が真人間へと更生したクレイムに次々と降りかかる。果たしてクレイムは本当にのんびり平穏なスローライフを遅れるのだろうか?
※他サイトにも掲載中
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

備蓄スキルで異世界転移もナンノソノ
ちかず
ファンタジー
久しぶりの早帰りの金曜日の夜(但し、矢作基準)ラッキーの連続に浮かれた矢作の行った先は。
見た事のない空き地に1人。異世界だと気づかない矢作のした事は?
異世界アニメも見た事のない矢作が、自分のスキルに気づく日はいつ来るのだろうか。スキル【備蓄】で異世界に騒動を起こすもちょっぴりズレた矢作はそれに気づかずマイペースに頑張るお話。
鈍感な主人公が降り注ぐ困難もナンノソノとクリアしながら仲間を増やして居場所を作るまで。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる