25 / 169
始まりの大陸編
塩の香り
しおりを挟む
塩の香りが漂い始め、海が近いことを知らせる。
「そろそろですぜ、ユウリのダンナ!」
ダインの大きな声で目覚めるマオ。
「うん?、朝か?」
マオが竜車から顔を出すと朝日が辺りを照らしていた。
「やっと起きたか、寝れて良かったな」
半日ほど走り続けたので、その間寝れていないレスカはそろそろ限界そうな表情をしている。
それにくらべて、ユウリは全くといっていいほどケロッとしているのでマオは驚いている。
「勇者はよくこんな長時間起きていられるな、余よりもかなり長い時間起きているだろう?」
「まあ、俺は昔っから長時間活動しても平気なんだよな、そのせいか他のやつと馬が合わず、結局一人であんなとこまで行けてしまったんだがな」
「そうだな、余もあんだけ動かされて相当疲れてたし」
「お前は別にそこまで活躍してないだろ!」
ユウリがそういうと、マオは胸に手を置いてドヤ顔で話してくる。
「でも、余はあの青い怪物を倒したぞ!」
スライムを倒したことが相当嬉しかったようで、未だに引きずってるようだ。
「スライムは、魔物の中でも最下位クラスの相手だぞ」
「...え?、マジ?...」
「ああ、マジだ」
マオは困惑したように腕を組み悩み始める。
「でも余の城にはあんな魔物いなかったと思うけど...」
「いるわけないだろ!、お前の城は終盤の方だったから、スライムより何倍も強い魔物たちに、お前は守られてたんだよ!」
マオは驚きの声を上げる。
「何!、それは本当か!?、でも余の城のやつらは軽く吹けば飛ぶ程度の存在だったぞ?」
「そりゃお前のレベルが高かったからだろうな」
腑に落ちないような顔で俺を見てくるが、事実に変わりはない。
マオの考え込む姿だけは気品が漂っているが、実際のところそこまで重要そうなことは考えていないと思われる。
どうせ、スライムを我が四天王の一角にとかでも考えているんだろう。
俺はそう考えるとじわじわとくるものがあり、心の中で笑っていた。
塩の香りがどんどん強くなる、
「ダンナ!、つきやしたぜ!」
ダインの声が竜車の外から聞こえてきたと同時に竜車の動きがとまる。
「着いたか...」
俺は竜車から降りる。
片手を竜車の縁を持ってカッコつけているように見えたのか、マオに指を指されて笑われる。
「何今の降り方w」
俺は少し顔を赤くする。
正直少しカッコつけて降りたので、それをマオに見抜かれたのが恥ずかしい。
外の明かりに触れた俺は、手で顔を覆う。
眩しい光が飛び込んできて清々しい気分になる。
30秒ほど経つと、マオに言われたことなど忘れていた。
「そろそろですぜ、ユウリのダンナ!」
ダインの大きな声で目覚めるマオ。
「うん?、朝か?」
マオが竜車から顔を出すと朝日が辺りを照らしていた。
「やっと起きたか、寝れて良かったな」
半日ほど走り続けたので、その間寝れていないレスカはそろそろ限界そうな表情をしている。
それにくらべて、ユウリは全くといっていいほどケロッとしているのでマオは驚いている。
「勇者はよくこんな長時間起きていられるな、余よりもかなり長い時間起きているだろう?」
「まあ、俺は昔っから長時間活動しても平気なんだよな、そのせいか他のやつと馬が合わず、結局一人であんなとこまで行けてしまったんだがな」
「そうだな、余もあんだけ動かされて相当疲れてたし」
「お前は別にそこまで活躍してないだろ!」
ユウリがそういうと、マオは胸に手を置いてドヤ顔で話してくる。
「でも、余はあの青い怪物を倒したぞ!」
スライムを倒したことが相当嬉しかったようで、未だに引きずってるようだ。
「スライムは、魔物の中でも最下位クラスの相手だぞ」
「...え?、マジ?...」
「ああ、マジだ」
マオは困惑したように腕を組み悩み始める。
「でも余の城にはあんな魔物いなかったと思うけど...」
「いるわけないだろ!、お前の城は終盤の方だったから、スライムより何倍も強い魔物たちに、お前は守られてたんだよ!」
マオは驚きの声を上げる。
「何!、それは本当か!?、でも余の城のやつらは軽く吹けば飛ぶ程度の存在だったぞ?」
「そりゃお前のレベルが高かったからだろうな」
腑に落ちないような顔で俺を見てくるが、事実に変わりはない。
マオの考え込む姿だけは気品が漂っているが、実際のところそこまで重要そうなことは考えていないと思われる。
どうせ、スライムを我が四天王の一角にとかでも考えているんだろう。
俺はそう考えるとじわじわとくるものがあり、心の中で笑っていた。
塩の香りがどんどん強くなる、
「ダンナ!、つきやしたぜ!」
ダインの声が竜車の外から聞こえてきたと同時に竜車の動きがとまる。
「着いたか...」
俺は竜車から降りる。
片手を竜車の縁を持ってカッコつけているように見えたのか、マオに指を指されて笑われる。
「何今の降り方w」
俺は少し顔を赤くする。
正直少しカッコつけて降りたので、それをマオに見抜かれたのが恥ずかしい。
外の明かりに触れた俺は、手で顔を覆う。
眩しい光が飛び込んできて清々しい気分になる。
30秒ほど経つと、マオに言われたことなど忘れていた。
0
お気に入りに追加
35
あなたにおすすめの小説

せっかくのクラス転移だけども、俺はポテトチップスでも食べながらクラスメイトの冒険を見守りたいと思います
霖空
ファンタジー
クラス転移に巻き込まれてしまった主人公。
得た能力は悪くない……いや、むしろ、チートじみたものだった。
しかしながら、それ以上のデメリットもあり……。
傍観者にならざるをえない彼が傍観者するお話です。
基本的に、勇者や、影井くんを見守りつつ、ほのぼの?生活していきます。
が、そのうち、彼自身の物語も始まる予定です。

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします
Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。
相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。
現在、第三章フェレスト王国エルフ編

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。


調子に乗りすぎて処刑されてしまった悪役貴族のやり直し自制生活 〜ただし自制できるとは言っていない〜
EAT
ファンタジー
「どうしてこうなった?」
優れた血統、高貴な家柄、天賦の才能────生まれときから勝ち組の人生により調子に乗りまくっていた侯爵家嫡男クレイム・ブラッドレイは殺された。
傍から見ればそれは当然の報いであり、殺されて当然な悪逆非道の限りを彼は尽くしてきた。しかし、彼はなぜ自分が殺されなければならないのか理解できなかった。そして、死ぬ間際にてその答えにたどり着く。簡単な話だ………信頼し、友と思っていた人間に騙されていたのである。
そうして誰もにも助けてもらえずに彼は一生を終えた。意識が薄れゆく最中でクレイムは思う。「願うことならば今度の人生は平穏に過ごしたい」と「決して調子に乗らず、謙虚に慎ましく穏やかな自制生活を送ろう」と。
次に目が覚めればまた新しい人生が始まると思っていたクレイムであったが、目覚めてみればそれは10年前の少年時代であった。
最初はどういうことか理解が追いつかなかったが、また同じ未来を繰り返すのかと絶望さえしたが、同時にそれはクレイムにとって悪い話ではなかった。「同じ轍は踏まない。今度は全てを投げ出して平穏なスローライフを送るんだ!」と目標を定め、もう一度人生をやり直すことを決意する。
しかし、運命がそれを許さない。
一度目の人生では考えられないほどの苦難と試練が真人間へと更生したクレイムに次々と降りかかる。果たしてクレイムは本当にのんびり平穏なスローライフを遅れるのだろうか?
※他サイトにも掲載中
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

備蓄スキルで異世界転移もナンノソノ
ちかず
ファンタジー
久しぶりの早帰りの金曜日の夜(但し、矢作基準)ラッキーの連続に浮かれた矢作の行った先は。
見た事のない空き地に1人。異世界だと気づかない矢作のした事は?
異世界アニメも見た事のない矢作が、自分のスキルに気づく日はいつ来るのだろうか。スキル【備蓄】で異世界に騒動を起こすもちょっぴりズレた矢作はそれに気づかずマイペースに頑張るお話。
鈍感な主人公が降り注ぐ困難もナンノソノとクリアしながら仲間を増やして居場所を作るまで。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる