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始まりの大陸編
VSスライム
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「うぉぉぉ!」
マオはスライムに特攻を仕掛ける。
腕を振るって爪で攻撃するが、相変わらずの威力だ。
マオの力ない攻撃では、スライム相手にさえダメージが通っていない。
スライムはマオを小馬鹿にしたように、のしかかる。
スライムの全体重が乗ったのしかかりは、今のマオにとっては脅威だ。
泥にまみれてでも全力で飛び込み、回避した。
(素手じゃ勝てない...)
マオはそこら辺に落ちていた棒切れを手にして武装する。
木の棒を剣に見立てて掲げる。
ないよりかはマシ程度の武装だが、マオにとっては、初めて手にした武器であったためか、喜んでいるようにも見える。
棒切れを振りかざして、スライムに当てる。
ベシッといういい音が鳴り響く。
その音が気持ちよかったのか何度も棒切れで叩く。
ベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッ!。
だんだん楽しくなってきたのか、叩くのをやめない。
流石にこれだけ叩いたら、スライムは力尽きて伸びていた。
「うぉぉぉ!!!、余は実力でスライムに勝ったぞー!!」
この世界で一番弱い魔物であろうスライムに勝っただけでもマオにとっては嬉しかった。
ユウリが思わず笑みをこぼしたのをレスカは気づかないふりをする。
「見ていたか!?、勇者よ!、余は一人でスライムを倒したのだぞ!」
泥で汚れた姿のマオを見たユウリが、マオの頭に手を置いて、こうつぶやいた。
「まあ、30点くらいかな」
「え~、もう少し点数高くないの~...」
マオが点数に落ち込んでいると、ユウリはもう一言添える。
「でも、かっこよかったぞ...、マオ!」
その言葉をもらえた時のマオの瞳はとても嬉しそうに輝いていた。
「マオちゃん、よくできましたね!」
レスカもマオの頭を撫でて褒める。
「えへへ~、ありがとうレスカ...」
レスカに褒められたのを見たユウリは、少しむすっとして後ろを向いた。
後ろを向いて数秒後にマオに抱きつかれる。
不意に抱きつかれたのでユウリは態勢を崩して倒れる。
「何するんだ!マオ!」
「やっぱもっと余を褒めてくれ、勇者よ!」
あまりにもしつこいのでユウリが怒ろうとした時、レスカに注意された。
「初めてマオちゃんが魔物を倒したのですし、もう少しは褒めてあげてもいいのでは?」
レスカに言われたので、ユウリは渋々マオを褒める。
「あ~はいはい、すごいすごいよ、マオは」
「ありがとう!」
(こんな適当な言葉でいいのかよ...)
棒読みで適当な言葉を並べただけなのに、嬉しそうなマオを見た俺はなんか子供を相手にしているような気分に陥る。
(こいつ本当にあの魔王だよな...、俺の方が自信なくなってきたぞ...)
俺が頭を抱えていると不意に耳元で誰かに囁かれた。
「よくできました」
俺はびっくりして声のする方向を向くが誰もいない。
だがよく聞いたことのある声だ。
驚いた俺を見てレスカは、静かに笑っていたので犯人がわかった。
「どうやったかはわからないが、レスカだろ、今の言葉をかけたのは」
「さ~てね...」
はぐらかすような態度をとるレスカは、俺の方を見て微笑んでいる。
マオはなんのことかわかっていないようで、目を丸くして二人のやり取りを見ているだけだ。
その時、マオのレベルが上がったことに俺は気づいた。
マオ自身は自分のレベルが上がったことに気がついていないのか、マヌケそうな顔のままだ。
(ったく、自分のレベルが上がった時くらい気づけよ...)
俺は見切りのスキルでマオのレベルの値を見る。
(レベルは2と...、でもって固有スキルの取得と...)
俺はそのスキルの全貌を解読した時、思わず息を飲んだ。
マオはスライムに特攻を仕掛ける。
腕を振るって爪で攻撃するが、相変わらずの威力だ。
マオの力ない攻撃では、スライム相手にさえダメージが通っていない。
スライムはマオを小馬鹿にしたように、のしかかる。
スライムの全体重が乗ったのしかかりは、今のマオにとっては脅威だ。
泥にまみれてでも全力で飛び込み、回避した。
(素手じゃ勝てない...)
マオはそこら辺に落ちていた棒切れを手にして武装する。
木の棒を剣に見立てて掲げる。
ないよりかはマシ程度の武装だが、マオにとっては、初めて手にした武器であったためか、喜んでいるようにも見える。
棒切れを振りかざして、スライムに当てる。
ベシッといういい音が鳴り響く。
その音が気持ちよかったのか何度も棒切れで叩く。
ベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッベシッ!。
だんだん楽しくなってきたのか、叩くのをやめない。
流石にこれだけ叩いたら、スライムは力尽きて伸びていた。
「うぉぉぉ!!!、余は実力でスライムに勝ったぞー!!」
この世界で一番弱い魔物であろうスライムに勝っただけでもマオにとっては嬉しかった。
ユウリが思わず笑みをこぼしたのをレスカは気づかないふりをする。
「見ていたか!?、勇者よ!、余は一人でスライムを倒したのだぞ!」
泥で汚れた姿のマオを見たユウリが、マオの頭に手を置いて、こうつぶやいた。
「まあ、30点くらいかな」
「え~、もう少し点数高くないの~...」
マオが点数に落ち込んでいると、ユウリはもう一言添える。
「でも、かっこよかったぞ...、マオ!」
その言葉をもらえた時のマオの瞳はとても嬉しそうに輝いていた。
「マオちゃん、よくできましたね!」
レスカもマオの頭を撫でて褒める。
「えへへ~、ありがとうレスカ...」
レスカに褒められたのを見たユウリは、少しむすっとして後ろを向いた。
後ろを向いて数秒後にマオに抱きつかれる。
不意に抱きつかれたのでユウリは態勢を崩して倒れる。
「何するんだ!マオ!」
「やっぱもっと余を褒めてくれ、勇者よ!」
あまりにもしつこいのでユウリが怒ろうとした時、レスカに注意された。
「初めてマオちゃんが魔物を倒したのですし、もう少しは褒めてあげてもいいのでは?」
レスカに言われたので、ユウリは渋々マオを褒める。
「あ~はいはい、すごいすごいよ、マオは」
「ありがとう!」
(こんな適当な言葉でいいのかよ...)
棒読みで適当な言葉を並べただけなのに、嬉しそうなマオを見た俺はなんか子供を相手にしているような気分に陥る。
(こいつ本当にあの魔王だよな...、俺の方が自信なくなってきたぞ...)
俺が頭を抱えていると不意に耳元で誰かに囁かれた。
「よくできました」
俺はびっくりして声のする方向を向くが誰もいない。
だがよく聞いたことのある声だ。
驚いた俺を見てレスカは、静かに笑っていたので犯人がわかった。
「どうやったかはわからないが、レスカだろ、今の言葉をかけたのは」
「さ~てね...」
はぐらかすような態度をとるレスカは、俺の方を見て微笑んでいる。
マオはなんのことかわかっていないようで、目を丸くして二人のやり取りを見ているだけだ。
その時、マオのレベルが上がったことに俺は気づいた。
マオ自身は自分のレベルが上がったことに気がついていないのか、マヌケそうな顔のままだ。
(ったく、自分のレベルが上がった時くらい気づけよ...)
俺は見切りのスキルでマオのレベルの値を見る。
(レベルは2と...、でもって固有スキルの取得と...)
俺はそのスキルの全貌を解読した時、思わず息を飲んだ。
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