7 / 169
始まりの大陸編
マオちゃん初めての戦闘経験
しおりを挟む
「うお~!!!」
魔王は叫び声を上げながらスライム相手に全力で挑んでいる。
思いっきり片手を振るって、爪で引っ掻くが、大したダメージを与えられない。
魔王の攻撃が終わると、スライムが魔王にのしかかる攻撃をする。
大した攻撃ではないはずだが、魔王は半泣きになりながら勇者の方に近寄ってくる。
「グスッ、勇者ぁ~、あいつ強すぎる、もっと弱い相手はいないの?」
魔王の根性のなさに一喝を入れる。
「ふざけんな!、腐っても魔王だろ!、スライムごときに苦戦してんじゃねぇぞ!」
「だってぇ~...」
なんて情けない魔王なんだと勇者が見下しているとレスカに注意される。
「ユウリ!、マオちゃんはまだ子供なんです!、早く強くなって欲しいのはわかりますけど、その言い方はないと思います!」
レスカにはマオの正体が魔王だということは伏せてある。
余計な心配をされたくないというのもあるが、何よりも魔王の身を案じてのことだった。
もしも魔王だということがばれたら、他の勇者と魔王軍の両方に狙われることとなる。
それだけは避けたい勇者はとりあえず黙っておく。
それに魔王が死ぬと二度と男に戻れないかもしれない。
今この場で魔王のレベルを上げているのも、レベルが上がれば性転換の魔法を覚え直すかもしれないから仕方なく手伝っているだけだ。
とはいえレベルを上げるのも一苦労だ、魔王があまりにも弱すぎる。
勇者が十匹スライムを倒している間に一匹も倒せないどころか半泣きになって返り討ちにあっているところをみると少し笑える。
バカにしたような笑い声が漏れたのを魔王は見すごさなかった。
「今笑ったな~!」
魔王は人差し指を指を勇者に突きつけて半泣きのまま怒りをあらわにする。
「すまんな、あまりにも弱すぎて滑稽に思えてな...」
まあ、もともと敵対する者同士、そう仲良くなどできないのだろう。
魔王は泣きべそをかいたまま俯向き、悔しそうな顔を見せている。
そんな魔王を見たレスカは勇者に注意する。
「ユウリ!、ちょっと言い過ぎでは?、マオちゃんと何があったかは知りませんけど、マオちゃんと話す時のユウリはちょっと怖いです...」
レスカに内心を見通されている気分になった勇者は後ずさる。
その後レスカは魔王の目線に屈み込み頭を撫でながら優しく接する。
「マオちゃん、いいんですよ、今は弱くてもちょっとずつ強くなればいいんですから...」
彼女の優しさに魔王は泣きながら抱きつく。
「ママ~」
「ま...ママ!?」
レスカはママと呼ばれたことに喜び感じた。
「マオちゃん、ママですよ~」
魔王にママと呼びかけるレスカを見た勇者は「やめろ」と注意するが、レスカはそれをやめない。
勇者が唸っていると、魔王は勇者にだけ見えるように舌を出して馬鹿にしてくる。
向っ腹がたった勇者は魔王に怖い顔で近づくが、レスカに止められる。
「ユウリ!、そんな怖い顔で子供に近づいたらいけません!」
「子供って...、そいつは...」
勇者は魔王が5000歳だということを言いかけてやめる。
いう言葉見つからなくなった勇者はため息交じりに歩き始めた。
「まあいい、それよりも腹が減った、昼食を食いに町に戻るぞ..」
勇者の言葉に魔王ははしゃぎ始める。
「ご飯!、昼食!、メシ!」
「同じ意味の言葉を三回使うなよ...」
そう言いながらもフッと笑う勇者。
言葉では悪く言っても今の魔王は可愛く見えるのだろう。
(スライム一匹倒せない奴相手に俺は世界を旅したのか...)
少し虚しい気分になったが魔王のはしゃぎようを見ているとそんなことも忘れる。
「二人だけで盛り上がって、ずるいですよ!」
レスカも混ぜて欲しそうに会話に入ってくる。
勇者は久し振りに平和な時間を過ごしている気分を味わっていた。
魔王は叫び声を上げながらスライム相手に全力で挑んでいる。
思いっきり片手を振るって、爪で引っ掻くが、大したダメージを与えられない。
魔王の攻撃が終わると、スライムが魔王にのしかかる攻撃をする。
大した攻撃ではないはずだが、魔王は半泣きになりながら勇者の方に近寄ってくる。
「グスッ、勇者ぁ~、あいつ強すぎる、もっと弱い相手はいないの?」
魔王の根性のなさに一喝を入れる。
「ふざけんな!、腐っても魔王だろ!、スライムごときに苦戦してんじゃねぇぞ!」
「だってぇ~...」
なんて情けない魔王なんだと勇者が見下しているとレスカに注意される。
「ユウリ!、マオちゃんはまだ子供なんです!、早く強くなって欲しいのはわかりますけど、その言い方はないと思います!」
レスカにはマオの正体が魔王だということは伏せてある。
余計な心配をされたくないというのもあるが、何よりも魔王の身を案じてのことだった。
もしも魔王だということがばれたら、他の勇者と魔王軍の両方に狙われることとなる。
それだけは避けたい勇者はとりあえず黙っておく。
それに魔王が死ぬと二度と男に戻れないかもしれない。
今この場で魔王のレベルを上げているのも、レベルが上がれば性転換の魔法を覚え直すかもしれないから仕方なく手伝っているだけだ。
とはいえレベルを上げるのも一苦労だ、魔王があまりにも弱すぎる。
勇者が十匹スライムを倒している間に一匹も倒せないどころか半泣きになって返り討ちにあっているところをみると少し笑える。
バカにしたような笑い声が漏れたのを魔王は見すごさなかった。
「今笑ったな~!」
魔王は人差し指を指を勇者に突きつけて半泣きのまま怒りをあらわにする。
「すまんな、あまりにも弱すぎて滑稽に思えてな...」
まあ、もともと敵対する者同士、そう仲良くなどできないのだろう。
魔王は泣きべそをかいたまま俯向き、悔しそうな顔を見せている。
そんな魔王を見たレスカは勇者に注意する。
「ユウリ!、ちょっと言い過ぎでは?、マオちゃんと何があったかは知りませんけど、マオちゃんと話す時のユウリはちょっと怖いです...」
レスカに内心を見通されている気分になった勇者は後ずさる。
その後レスカは魔王の目線に屈み込み頭を撫でながら優しく接する。
「マオちゃん、いいんですよ、今は弱くてもちょっとずつ強くなればいいんですから...」
彼女の優しさに魔王は泣きながら抱きつく。
「ママ~」
「ま...ママ!?」
レスカはママと呼ばれたことに喜び感じた。
「マオちゃん、ママですよ~」
魔王にママと呼びかけるレスカを見た勇者は「やめろ」と注意するが、レスカはそれをやめない。
勇者が唸っていると、魔王は勇者にだけ見えるように舌を出して馬鹿にしてくる。
向っ腹がたった勇者は魔王に怖い顔で近づくが、レスカに止められる。
「ユウリ!、そんな怖い顔で子供に近づいたらいけません!」
「子供って...、そいつは...」
勇者は魔王が5000歳だということを言いかけてやめる。
いう言葉見つからなくなった勇者はため息交じりに歩き始めた。
「まあいい、それよりも腹が減った、昼食を食いに町に戻るぞ..」
勇者の言葉に魔王ははしゃぎ始める。
「ご飯!、昼食!、メシ!」
「同じ意味の言葉を三回使うなよ...」
そう言いながらもフッと笑う勇者。
言葉では悪く言っても今の魔王は可愛く見えるのだろう。
(スライム一匹倒せない奴相手に俺は世界を旅したのか...)
少し虚しい気分になったが魔王のはしゃぎようを見ているとそんなことも忘れる。
「二人だけで盛り上がって、ずるいですよ!」
レスカも混ぜて欲しそうに会話に入ってくる。
勇者は久し振りに平和な時間を過ごしている気分を味わっていた。
0
お気に入りに追加
35
あなたにおすすめの小説

せっかくのクラス転移だけども、俺はポテトチップスでも食べながらクラスメイトの冒険を見守りたいと思います
霖空
ファンタジー
クラス転移に巻き込まれてしまった主人公。
得た能力は悪くない……いや、むしろ、チートじみたものだった。
しかしながら、それ以上のデメリットもあり……。
傍観者にならざるをえない彼が傍観者するお話です。
基本的に、勇者や、影井くんを見守りつつ、ほのぼの?生活していきます。
が、そのうち、彼自身の物語も始まる予定です。

異世界召喚でクラスの勇者達よりも強い俺は無能として追放処刑されたので自由に旅をします
Dakurai
ファンタジー
クラスで授業していた不動無限は突如と教室が光に包み込まれ気がつくと異世界に召喚されてしまった。神による儀式でとある神によってのスキルを得たがスキルが強すぎてスキル無しと勘違いされ更にはクラスメイトと王女による思惑で追放処刑に会ってしまうしかし最強スキルと聖獣のカワウソによって難を逃れと思ったらクラスの女子中野蒼花がついてきた。
相棒のカワウソとクラスの中野蒼花そして異世界の仲間と共にこの世界を自由に旅をします。
現在、第三章フェレスト王国エルフ編

特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。


調子に乗りすぎて処刑されてしまった悪役貴族のやり直し自制生活 〜ただし自制できるとは言っていない〜
EAT
ファンタジー
「どうしてこうなった?」
優れた血統、高貴な家柄、天賦の才能────生まれときから勝ち組の人生により調子に乗りまくっていた侯爵家嫡男クレイム・ブラッドレイは殺された。
傍から見ればそれは当然の報いであり、殺されて当然な悪逆非道の限りを彼は尽くしてきた。しかし、彼はなぜ自分が殺されなければならないのか理解できなかった。そして、死ぬ間際にてその答えにたどり着く。簡単な話だ………信頼し、友と思っていた人間に騙されていたのである。
そうして誰もにも助けてもらえずに彼は一生を終えた。意識が薄れゆく最中でクレイムは思う。「願うことならば今度の人生は平穏に過ごしたい」と「決して調子に乗らず、謙虚に慎ましく穏やかな自制生活を送ろう」と。
次に目が覚めればまた新しい人生が始まると思っていたクレイムであったが、目覚めてみればそれは10年前の少年時代であった。
最初はどういうことか理解が追いつかなかったが、また同じ未来を繰り返すのかと絶望さえしたが、同時にそれはクレイムにとって悪い話ではなかった。「同じ轍は踏まない。今度は全てを投げ出して平穏なスローライフを送るんだ!」と目標を定め、もう一度人生をやり直すことを決意する。
しかし、運命がそれを許さない。
一度目の人生では考えられないほどの苦難と試練が真人間へと更生したクレイムに次々と降りかかる。果たしてクレイムは本当にのんびり平穏なスローライフを遅れるのだろうか?
※他サイトにも掲載中
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

備蓄スキルで異世界転移もナンノソノ
ちかず
ファンタジー
久しぶりの早帰りの金曜日の夜(但し、矢作基準)ラッキーの連続に浮かれた矢作の行った先は。
見た事のない空き地に1人。異世界だと気づかない矢作のした事は?
異世界アニメも見た事のない矢作が、自分のスキルに気づく日はいつ来るのだろうか。スキル【備蓄】で異世界に騒動を起こすもちょっぴりズレた矢作はそれに気づかずマイペースに頑張るお話。
鈍感な主人公が降り注ぐ困難もナンノソノとクリアしながら仲間を増やして居場所を作るまで。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる