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【次元大帝ファウスト】②

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「きゃぁぁぁぁ!!!」

 ミカさんが私の代わりにファウストの攻撃を受けたのだが悲鳴を上げる。

 彼女の【硬質化】した腕を難なく引き裂く彼の砂鉄鞭は頭のおかしい威力を誇っているのだ。

 その場にうずくまり腕を庇う彼女を見てすぐさまアルフィ様を呼ぶ。

「アルフィ様! ミカさんの手当てを!」

 そう叫ぶ私にファウストは一瞬で近づいてくる。

「遅い」

 そのまま腹を蹴られた私はお腹を押さえて動けなくなる。

(こ...これがただの蹴りの威力ですか...!? 私たち以外が食らえば肉片も残りませんよ!?)

 今のレベルの私が食らってこれなのだ。

 仮に世界中の強者を集めたとしてもこの蹴りに耐えられる物などここに立っている者たち以外には存在しないだろう。

 どうにか一命は取り留めたものの次はないだろう。

 そう確信づけるだけの威力はある。

「【聖なる回復セイント・ヒール】!!」

 回復魔法でも上位種に存在する回復魔法で私とミカさんの傷を回復させてくれるアルフィ様に感謝する。

「ありがとうございます!」

「お礼はいいから【最強パーティアルティ究極魔法マーズ】の準備を!!」

 いつになく険しい表情で私にそう叫ぶアルフィ様の指示に従う私。

 すぐさま魔法陣を貼り直し、新たな【最強パーティ究極魔】の準備に取り掛かった。

 私が魔法を扱う時間を全員で稼いでくれる。

「【ブレイク・ソード】!!」

「効かないな、今度はこっちの番だ!」

「させませんわ!」

 キィアが果敢に攻撃してエリーゼが守る。

「今だっ!!」

 隙を見てミルシュが奴の腹部に3連打を浴びせかたが。

「その程度か?」

 あまり聞いていない様子。

 その瞬間にユラっと揺らいだ空間からプラルが現れて意表の一撃を放ちましたが受け止められてしまいました。

「この程度の隠密能力で僕の目が騙されるとでも?」

「...化け物め、今や私の隠密能力は1人で国家の金庫に忍ぶことも可能な程に上達したというのにそれを一瞬で見破るとは...!」

 腕を掴まれて投げられたプラルをキィアがキャッチしました。

「大丈夫か?」

「はい、ありがとうございます」

 すぐさま陣形を整える私たちでしたが、どうにも奴に弄ばれている感覚が拭えないですし、ニヤニヤと笑い続ける彼にうつ手はもう【最強パーティ究極魔法】しかありません!

 私はすぐさま詠唱を終えようと必死に呪文を唱えているのでした。
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