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【次元龍】と【大帝】②

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 緊迫とした空気で辺りが全て埋め尽くされる。

 ここから先の戦いは一瞬の油断が命取りの戦場。

 本当の殺し合いが始まる。

 我がゆっくりと刀を引き抜くとフリーズは笑う。

「貴方が刀を使うの? そんな玩具で私の皮膚を裂けるとでも思っているのかしら?」

「これが玩具に思えるのならば我に勝機はある」

「...はい?」

 そう...、彼女は知らない。

 この世界にはない【極限】の力の存在を...!

「【蒼極】」

 我がそう呟くと蒼き力が全身から溢れてくる。

 これはこの体の持ち主の技である。

 我の体から得体の知れない力が溢れて来たことに彼女は少し驚きの表情を浮かべていた。

「何その技...?」

「お前の知らない異世界の技だ...、とくと味わうがいい」

 体にある枷を外し【極限】の能力を得た我の体からは溢れんばかりの魔力が湧き出てている。

(今なら誰にも負ける気がしない)

 黒き鎧が蒼く染まり、その性能を底上げしているのが分かる。

【砂鉄】と【蒼極】は比較的に相性が良いようだ。

 磁石のS極とN極が惹かれ合うように、この2つもまた惹かれあっているのだ。

【砂鉄】に【蒼極】の電撃を混ぜて空中に飛散させ、電磁フィールドのような物を展開した。

 これで簡単には近づいてこられないだろう。

「電機と砂鉄の複合魔法...!」

 彼女も興味深そうに我の作り出したフィールドを眺めている。

「驚くのはまだ早いぞ【大帝】、この依代の性能をフルに活用してやろう」

 我はニヤリと笑いながら、自身に蒼き稲妻を纏うのでした。
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