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【邂逅】③

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「ところで...、ケロナちゃん達はなんでこんな大会に出てたんだ? やっぱり優勝賞品目当て?」

 場所を変えた途端に世間話の要領で話しかけてくる勇者キィア。

「まあ、そうね」

「やっぱりそうか! あの刀の切れ味凄そうだもんな! 一度は握ってみたいよな!」

 まるで友達のように話しかけてくる勇者の表情は無邪気な子供と変わらない。

「実はさ、今回のトーナメント張り合いがないと思ってたんだけど、ケロナちゃん達が参加してるって言うのなら話は別だな」

 なぜ彼がそんな事を呟くのかと言うと...。

 彼と話している間にどうやってマーカイルの魔の手から逃れたのか聞かれたので、正直に答えたのである。

 私の言葉を聞いた直後は変な顔をしていた彼でしたが、一回戦での活躍を見ていたお陰か戸惑いながらも信じてくれました。

 彼曰く「そうでもしないと、あのマーカイルが見逃してくれるはずがないからな」だそうです。

 マーカイルの恐ろしさを身を持って体験している彼だからこそ言える言葉でしょう。

「俺たちのパーティはケロナちゃん達とは反対のトーナメント表にいるから、当たるとしたら決勝戦だ、お互いに頑張ろう」

「そうね、頑張りなさい」

 私の声を聞いた彼は喜んでいましたが、いつもの如く彼のパーティメンバーからは嫉妬の目で睨まれているのでした。
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