大きな町で小さな喫茶店を趣味で営む水系最強超能力者ツカサさんの経営戦略!!以前所属していた組織の残党から能力を狙われていますが問題ありません
ルシェ(Twitter名はカイトGT)
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奴らの目的
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それにしても随分と舐められたものでだね...。
「さて、君は何者だい?どこの組織に属している?」
「答える必要は無い」
私は再び彼に攻撃を加える。
今度は闇の刃を繰り出しましたがやはりそれも無効化されました。
「君は馬鹿なのかな? この部屋にいる限り僕に勝てるわけがないんだよ?」
「それはどうかな?」
私は先程から少しずつ自分の周囲に結界を張っていました。
「君のその力は影の空間移動系か。まあ、僕にかかればそんなものは通用しないんだけどね?」
そう言って彼が手を振ると、私は壁に叩きつけられました。
「...っ!」
『大丈夫かい?』
「なんとかね...」
私はそう返し、すぐに体勢を立て直すと彼は笑いながらこう言った。
「お前の能力が分かったぞ。空間移動系だろ?」
「どうしてそう思う?」
「簡単な推理だ。まずはさっきまでお前がいた場所だ。そこは床も壁も天井も血だらけだった。だけどお前自身は綺麗なものだろう?」
「それがどうしたっていうんだ?」
「つまりだ。お前は今までに何人も人を殺めている。だと言うのそこまで服が綺麗なのはおかしいだろう? 空間移動系の能力でもなければ不可能な芸当だ。違うか?」
「...」
私は無言で肯定する。
「そして、この部屋でのみ発動する能力は限られている。それならこの部屋での戦闘でそれが使えないとなると俺の制限した能力であると考えるのが妥当だ。そうなると1番面倒な空間移動系を封じておいて良かったよ。まあ、それ以外にも面倒な能力は全て封殺しているんだけどね」
「...正解。でもそれだけじゃ私の能力の正体まではわからないはず」
「ああ、そうだな。だけどその答え合わせをする前に少し遊ぼうじゃないか」
そう言うと彼はポケットの中から小型の銃を取り出しました。
「これは麻酔銃。これを喰らえばしばらく動けなくなる」
彼は私に銃口を向けると引き金を引いた。
すると銃口から勢い良く煙が吹き出した。
「能力の使えない能力者なんて雑魚当然だ。ここで捕らえて情報を聞き出してやる」
彼は勝ち誇ったように私に向かって歩いてくる。
「...残念」
「え?なん...ガハッ!?」
「私を捕まえたかったみたいだけど、私にそんな物効かない」
「ば、バカな!? 一体どうやって!?」
「教えない」
私は彼の腹に蹴りを入れる。
彼はそのまま倒れ込み意識を失った。
「ふぅ...。これで終わりかな」
私はそう呟くと部屋の奥にある大きな扉を開いた。
そこにはビックスター学園の名簿で見た事のある行方不明者達が椅子に縛りつけられていた。
「助けに来たよ」
私はそう言って彼らを縛っていた縄を解く。
彼らは皆一様に感謝の言葉を述べていたが、全員を救えたわけではなかった。
まだ生きている者もいたが、ほとんどが息を引き取っており、助かりそうにもなかった。
「みんな死んじゃったのか...」
私が落胆していると、1人の少女が私に向かって頭を下げた。
「ありがとうございます。あなたのおかげで私たちは救われました」
「...うん。あなたは生きててよかった」
私は彼女の頭を撫でる。
「あの、失礼ですがあなたは?」
「私はノエル。ただの喫茶店の定員だよ」
「喫茶店の定員さんですか...。本当に感謝します」
「うん。あなた達はこれからどうするの?」
「一度学園に戻って生き残っていた者達だけでも親の元に帰ります」
「そうか...、じゃあ一度ここ出よう」
私がそう呟いて後ろを振り向いた時だった。
ちくっとした感触が首筋を刺したのは。
「...えっ?」
驚く私が最後に見たのは、後ろにいたはずの学生の姿が『カオスチャイルド』の面々に変わったところでした。
「さて、君は何者だい?どこの組織に属している?」
「答える必要は無い」
私は再び彼に攻撃を加える。
今度は闇の刃を繰り出しましたがやはりそれも無効化されました。
「君は馬鹿なのかな? この部屋にいる限り僕に勝てるわけがないんだよ?」
「それはどうかな?」
私は先程から少しずつ自分の周囲に結界を張っていました。
「君のその力は影の空間移動系か。まあ、僕にかかればそんなものは通用しないんだけどね?」
そう言って彼が手を振ると、私は壁に叩きつけられました。
「...っ!」
『大丈夫かい?』
「なんとかね...」
私はそう返し、すぐに体勢を立て直すと彼は笑いながらこう言った。
「お前の能力が分かったぞ。空間移動系だろ?」
「どうしてそう思う?」
「簡単な推理だ。まずはさっきまでお前がいた場所だ。そこは床も壁も天井も血だらけだった。だけどお前自身は綺麗なものだろう?」
「それがどうしたっていうんだ?」
「つまりだ。お前は今までに何人も人を殺めている。だと言うのそこまで服が綺麗なのはおかしいだろう? 空間移動系の能力でもなければ不可能な芸当だ。違うか?」
「...」
私は無言で肯定する。
「そして、この部屋でのみ発動する能力は限られている。それならこの部屋での戦闘でそれが使えないとなると俺の制限した能力であると考えるのが妥当だ。そうなると1番面倒な空間移動系を封じておいて良かったよ。まあ、それ以外にも面倒な能力は全て封殺しているんだけどね」
「...正解。でもそれだけじゃ私の能力の正体まではわからないはず」
「ああ、そうだな。だけどその答え合わせをする前に少し遊ぼうじゃないか」
そう言うと彼はポケットの中から小型の銃を取り出しました。
「これは麻酔銃。これを喰らえばしばらく動けなくなる」
彼は私に銃口を向けると引き金を引いた。
すると銃口から勢い良く煙が吹き出した。
「能力の使えない能力者なんて雑魚当然だ。ここで捕らえて情報を聞き出してやる」
彼は勝ち誇ったように私に向かって歩いてくる。
「...残念」
「え?なん...ガハッ!?」
「私を捕まえたかったみたいだけど、私にそんな物効かない」
「ば、バカな!? 一体どうやって!?」
「教えない」
私は彼の腹に蹴りを入れる。
彼はそのまま倒れ込み意識を失った。
「ふぅ...。これで終わりかな」
私はそう呟くと部屋の奥にある大きな扉を開いた。
そこにはビックスター学園の名簿で見た事のある行方不明者達が椅子に縛りつけられていた。
「助けに来たよ」
私はそう言って彼らを縛っていた縄を解く。
彼らは皆一様に感謝の言葉を述べていたが、全員を救えたわけではなかった。
まだ生きている者もいたが、ほとんどが息を引き取っており、助かりそうにもなかった。
「みんな死んじゃったのか...」
私が落胆していると、1人の少女が私に向かって頭を下げた。
「ありがとうございます。あなたのおかげで私たちは救われました」
「...うん。あなたは生きててよかった」
私は彼女の頭を撫でる。
「あの、失礼ですがあなたは?」
「私はノエル。ただの喫茶店の定員だよ」
「喫茶店の定員さんですか...。本当に感謝します」
「うん。あなた達はこれからどうするの?」
「一度学園に戻って生き残っていた者達だけでも親の元に帰ります」
「そうか...、じゃあ一度ここ出よう」
私がそう呟いて後ろを振り向いた時だった。
ちくっとした感触が首筋を刺したのは。
「...えっ?」
驚く私が最後に見たのは、後ろにいたはずの学生の姿が『カオスチャイルド』の面々に変わったところでした。
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カクヨムのSF部門においても高評価いただき80万pv達成、最高週間2位、月間3位の実績あり。
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