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氷の国アイシス編
EX.花夜とクウのアルバイト
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あれから3日、狩夜はまだ起きていない。
その間も花夜とクウは代わり交代で狩夜の世話をしていたが、これでは宿代と食費で破産してしまうのは時間の問題だった。
うなされている狩夜を見た2人は心配そうな表情で呟く。
「狩夜まだ寝てる~、寝坊助さんだな~」
「狩夜お兄ちゃん...、いつ目を覚ましてくれるのでしょうか...」
前言撤回、クウは事の重大さを理解していない様だった。
街の医師に見せて傷は直してもらったのだが、肝心の意識が戻ってこない。
狩夜は親父...や母さん...と言いながらうなされている。
苦しそうに呟く狩夜を見て何かしてあげたいと思った花夜はある行動に移る。
~宿屋受付~
「ここで働かせてくれだ?」
店長は呆れた表情で花夜とクウを見る。
この宿で働くなら、狩夜の世話をしながらお金が稼げると思いたった花夜。
花夜のあまりに真剣な表情に気圧される形で承諾した。
「働くって言っても、この宿はそこまで人の出入り良くねぇしあんま賃金奮発してやれねぇぞ、それでもいいのか?」
花夜は首を縦に降る。
クウもハシャギながら「大丈夫!」と言う。
花夜はともかくクウの性格を見た店長はこいつ本当に大丈夫か?と思っていたが...。
「じゃあこの宿の宣伝してくるね~」
と言い外に出て言ってしまった。
「ちょっと待った!それが手伝いとか言わないよな!」
店長は花夜に指をさして言葉を投げかける。
「いえ、クウには宿屋内の仕事は難しいので、私がそっち方面は手伝いますね!、これでも奴隷生活で掃除や洗濯はしてきたんですから」
得意げな花夜を見て、店長は頭に手お置いて心底疲れている。
(奴隷って...、あの銀髪の兄ちゃんそんな奴と一緒に旅してんのかよ...)
「まあ、とりえあえず客のいない部屋と廊下の掃除しといてくれ、割と部屋数多いから時間がかかるがな」
「まあ見ててください」
花夜は宿屋の受付から廊下まで全ての掃除をやり始める。
店長が暇そうに宿の扉を見つめているともうすでに掃除が終わったと言ってきたので店長は驚きの声をあげる。
「終わった?、この宿には嬢ちゃん達が泊まっている他に9の部屋があるんだぞ?、大人をからかうのもいい加減にしろよ...」
だがそれでも頑なに「全部終わりましたと」言う花夜の言葉が煩わしかったので確認に向かう。
「おいおいまじかよ...こりゃプロの仕事だな...」
あの短時間で花夜はこの宿の汚れを全て清掃したのだった。
時間にして約1時間。
物理的に不可能な時間だが、鼓動を持続性を高めて出力を抑えながら使う特訓の様にしていたので案外早く終わっていたのだ。
お金をもらえて自分の欠点の補足ができるいい仕事だと花夜は思っていた。
「嬢ちゃんやるな!、じゃあ次に俺の肩でも揉んで貰おうか...」
「そんなことでいいんですか?」
花夜は店長の肩に手を置いて揉みほぐしていく。
花夜のこなれた手つきに店長は目を見開いていた。
「嬢ちゃんすごく上手いな!、肩の疲れが流れ出て行くようだ!」
「褒めていただいてありがとうございます!、奴隷って意外といろんなことさせられるんですよ、これもその時覚えたことです、下手にするとぶたれたりするので...」
「そりゃ...、悪いことを聞いたな...」
さっきまでの良い雰囲気がなくなり会話が途絶える。
「ただいま~」
その時クウが帰ってくる
花夜は店長の肩を揉みながらクウの方向に向いて「お疲れ様」と言う。
「本当だよ~、クウにあんなことさせるなんて花夜も考えたよね~」
クウは笑顔で店長の肩を揉む花夜を魅見る。
「で、何してるの?」
「店長さんが肩を揉んで欲しいと言ったのでそれをしてるだけです」
「ずっる~い、花夜、後でクウにもしてよね!」
花夜はハイハイと素っ気なく返す。
ム~とむくれっ面で店長を羨ましそうに見つめるので。
「悪いな、姉ちゃん借りてるぜ」
とからかう。
「別に姉ちゃんじゃないけど...?」
「え?どう見たってお前さんの方が年下に見えるんだが?」
「人は見た目ではないのです!、クウと花夜は同年代なのです!」
店長はぷっと笑いながらカウンターを軽く叩く。
「ハハ、そうか同年代か、こりゃ一本取られたな」
「その顔、信じてないでしょ~」
店長とクウは笑い合う。
(こんなに笑ったのはいつぶりだ?)
店長は急に物思いにふける。
「どうしました?」
花夜に声をかけられた店長は「なんでもねぇよ」となんでもないふりをする。
(なんかこいつらがいる空間は居心地がいいな)
そう店長が思った時に客が入ってくるベルの音が鳴り響く。
「らっしゃい、何名様でしょうか?」
「さっきの鳥に会いにきたのですが、どこにいるのでしょうか!」
話が通じていないので店長は少しきつめの声を出す。
「おいおい、ここはペットショップじゃないぞ!」
店長が客をなだめているとクウはその場で鳥へ変身する。
部屋のサイズに合わせて程よい大きさに変化させる。
「クウちゃんすごいです!、自分の意思で大きさを変えられるですね」
「ふっふ~ん、クウも成長しているのだ!」
鳥の姿になった途端にその客はクウに触り始める。
「すっごいもふもふで気持ちいい...」
店長は口が開いたまま塞がらない。
花夜が説明を始める。
「さっきクウちゃんに頼んでおいたんですよ、鳥の姿で宣伝してきてってね、今日この宿に泊まった人は幸せの青い鳥をもふもふできる権利を与えますってね」
店長はふっと笑いクウを見て笑う。
「なるほどな、青髪の嬢ちゃんは鳥人族だったのか」
その後も続々と宿へとクウに会うためやってくる人が後を絶たず、部屋が一杯になると宿を閉める。
残念そうに帰って行く人達もいたが店長は大いに喜んでいた。
「この宿が満員になるなんてな、今日は忙しくなるぞ!」
店長は急に張り切り始め、厨房に入る。
「これでも俺は昔、ショフを目指してたんだよ!」
ルームサービスで店長の食事が食べられるのだが、店長の作る料理が美味しいのは3日滞在した花夜達には分かっていた。
花夜とクウは宿の客室に次々と食事を運んで行く。
扉越しにも聞こえる「うまい!」という声がなんとなく嬉しい。
今日の仕事が終わると花夜もクウもヘトヘトに疲れていた。
店長がそんな2人に差し入れをしてくれる。
軽い食事だがとても美味しい。
「美味しい!」
「そうですね!」
2人が食べている姿を店長は笑顔で見届ける。
2人ともあっという間に平らげてしまい、ハッとした花夜は財布を取り出す。
それを見た店長は手を広げて静止した。
「おっと、お代はいらねぇよ、それは俺からの気持ちだ、受け取ってくれ、んでこっちが今日の報酬だ」
そっと出された2万ガルという大金に花夜は驚いていた。
「受け取れません、こんな大金」
花夜は受け取るのを断ろうとしたが店長は笑顔で続ける。
「いいんだ、今日は久しぶりに宿が満員になったし、食事を客に振る舞う機会ができたってだけで充分よ、
むしろありがとうな嬢ちゃん達!」
人の高位は素直に受け取ろうと思い、花夜はそれを受け取る。
「ありがとうございます」
「代わりにと言っちゃ何だが、嬢ちゃん達、銀髪の兄ちゃんが目覚めるまでの間ここで働かないか?、鳥の嬢ちゃんの宣伝効果がこんなにもあると思わなかったんでな!」
「こちらこそお願いします」
花夜は喜びながら頭を下げる。
「じゃあ決まりだ、そうだ、ついでに部屋代タダにしといてやるよ、しばらくはスタッフだからな」
何気ない店長の優しさに花夜は心を撃たれていた。
その間も花夜とクウは代わり交代で狩夜の世話をしていたが、これでは宿代と食費で破産してしまうのは時間の問題だった。
うなされている狩夜を見た2人は心配そうな表情で呟く。
「狩夜まだ寝てる~、寝坊助さんだな~」
「狩夜お兄ちゃん...、いつ目を覚ましてくれるのでしょうか...」
前言撤回、クウは事の重大さを理解していない様だった。
街の医師に見せて傷は直してもらったのだが、肝心の意識が戻ってこない。
狩夜は親父...や母さん...と言いながらうなされている。
苦しそうに呟く狩夜を見て何かしてあげたいと思った花夜はある行動に移る。
~宿屋受付~
「ここで働かせてくれだ?」
店長は呆れた表情で花夜とクウを見る。
この宿で働くなら、狩夜の世話をしながらお金が稼げると思いたった花夜。
花夜のあまりに真剣な表情に気圧される形で承諾した。
「働くって言っても、この宿はそこまで人の出入り良くねぇしあんま賃金奮発してやれねぇぞ、それでもいいのか?」
花夜は首を縦に降る。
クウもハシャギながら「大丈夫!」と言う。
花夜はともかくクウの性格を見た店長はこいつ本当に大丈夫か?と思っていたが...。
「じゃあこの宿の宣伝してくるね~」
と言い外に出て言ってしまった。
「ちょっと待った!それが手伝いとか言わないよな!」
店長は花夜に指をさして言葉を投げかける。
「いえ、クウには宿屋内の仕事は難しいので、私がそっち方面は手伝いますね!、これでも奴隷生活で掃除や洗濯はしてきたんですから」
得意げな花夜を見て、店長は頭に手お置いて心底疲れている。
(奴隷って...、あの銀髪の兄ちゃんそんな奴と一緒に旅してんのかよ...)
「まあ、とりえあえず客のいない部屋と廊下の掃除しといてくれ、割と部屋数多いから時間がかかるがな」
「まあ見ててください」
花夜は宿屋の受付から廊下まで全ての掃除をやり始める。
店長が暇そうに宿の扉を見つめているともうすでに掃除が終わったと言ってきたので店長は驚きの声をあげる。
「終わった?、この宿には嬢ちゃん達が泊まっている他に9の部屋があるんだぞ?、大人をからかうのもいい加減にしろよ...」
だがそれでも頑なに「全部終わりましたと」言う花夜の言葉が煩わしかったので確認に向かう。
「おいおいまじかよ...こりゃプロの仕事だな...」
あの短時間で花夜はこの宿の汚れを全て清掃したのだった。
時間にして約1時間。
物理的に不可能な時間だが、鼓動を持続性を高めて出力を抑えながら使う特訓の様にしていたので案外早く終わっていたのだ。
お金をもらえて自分の欠点の補足ができるいい仕事だと花夜は思っていた。
「嬢ちゃんやるな!、じゃあ次に俺の肩でも揉んで貰おうか...」
「そんなことでいいんですか?」
花夜は店長の肩に手を置いて揉みほぐしていく。
花夜のこなれた手つきに店長は目を見開いていた。
「嬢ちゃんすごく上手いな!、肩の疲れが流れ出て行くようだ!」
「褒めていただいてありがとうございます!、奴隷って意外といろんなことさせられるんですよ、これもその時覚えたことです、下手にするとぶたれたりするので...」
「そりゃ...、悪いことを聞いたな...」
さっきまでの良い雰囲気がなくなり会話が途絶える。
「ただいま~」
その時クウが帰ってくる
花夜は店長の肩を揉みながらクウの方向に向いて「お疲れ様」と言う。
「本当だよ~、クウにあんなことさせるなんて花夜も考えたよね~」
クウは笑顔で店長の肩を揉む花夜を魅見る。
「で、何してるの?」
「店長さんが肩を揉んで欲しいと言ったのでそれをしてるだけです」
「ずっる~い、花夜、後でクウにもしてよね!」
花夜はハイハイと素っ気なく返す。
ム~とむくれっ面で店長を羨ましそうに見つめるので。
「悪いな、姉ちゃん借りてるぜ」
とからかう。
「別に姉ちゃんじゃないけど...?」
「え?どう見たってお前さんの方が年下に見えるんだが?」
「人は見た目ではないのです!、クウと花夜は同年代なのです!」
店長はぷっと笑いながらカウンターを軽く叩く。
「ハハ、そうか同年代か、こりゃ一本取られたな」
「その顔、信じてないでしょ~」
店長とクウは笑い合う。
(こんなに笑ったのはいつぶりだ?)
店長は急に物思いにふける。
「どうしました?」
花夜に声をかけられた店長は「なんでもねぇよ」となんでもないふりをする。
(なんかこいつらがいる空間は居心地がいいな)
そう店長が思った時に客が入ってくるベルの音が鳴り響く。
「らっしゃい、何名様でしょうか?」
「さっきの鳥に会いにきたのですが、どこにいるのでしょうか!」
話が通じていないので店長は少しきつめの声を出す。
「おいおい、ここはペットショップじゃないぞ!」
店長が客をなだめているとクウはその場で鳥へ変身する。
部屋のサイズに合わせて程よい大きさに変化させる。
「クウちゃんすごいです!、自分の意思で大きさを変えられるですね」
「ふっふ~ん、クウも成長しているのだ!」
鳥の姿になった途端にその客はクウに触り始める。
「すっごいもふもふで気持ちいい...」
店長は口が開いたまま塞がらない。
花夜が説明を始める。
「さっきクウちゃんに頼んでおいたんですよ、鳥の姿で宣伝してきてってね、今日この宿に泊まった人は幸せの青い鳥をもふもふできる権利を与えますってね」
店長はふっと笑いクウを見て笑う。
「なるほどな、青髪の嬢ちゃんは鳥人族だったのか」
その後も続々と宿へとクウに会うためやってくる人が後を絶たず、部屋が一杯になると宿を閉める。
残念そうに帰って行く人達もいたが店長は大いに喜んでいた。
「この宿が満員になるなんてな、今日は忙しくなるぞ!」
店長は急に張り切り始め、厨房に入る。
「これでも俺は昔、ショフを目指してたんだよ!」
ルームサービスで店長の食事が食べられるのだが、店長の作る料理が美味しいのは3日滞在した花夜達には分かっていた。
花夜とクウは宿の客室に次々と食事を運んで行く。
扉越しにも聞こえる「うまい!」という声がなんとなく嬉しい。
今日の仕事が終わると花夜もクウもヘトヘトに疲れていた。
店長がそんな2人に差し入れをしてくれる。
軽い食事だがとても美味しい。
「美味しい!」
「そうですね!」
2人が食べている姿を店長は笑顔で見届ける。
2人ともあっという間に平らげてしまい、ハッとした花夜は財布を取り出す。
それを見た店長は手を広げて静止した。
「おっと、お代はいらねぇよ、それは俺からの気持ちだ、受け取ってくれ、んでこっちが今日の報酬だ」
そっと出された2万ガルという大金に花夜は驚いていた。
「受け取れません、こんな大金」
花夜は受け取るのを断ろうとしたが店長は笑顔で続ける。
「いいんだ、今日は久しぶりに宿が満員になったし、食事を客に振る舞う機会ができたってだけで充分よ、
むしろありがとうな嬢ちゃん達!」
人の高位は素直に受け取ろうと思い、花夜はそれを受け取る。
「ありがとうございます」
「代わりにと言っちゃ何だが、嬢ちゃん達、銀髪の兄ちゃんが目覚めるまでの間ここで働かないか?、鳥の嬢ちゃんの宣伝効果がこんなにもあると思わなかったんでな!」
「こちらこそお願いします」
花夜は喜びながら頭を下げる。
「じゃあ決まりだ、そうだ、ついでに部屋代タダにしといてやるよ、しばらくはスタッフだからな」
何気ない店長の優しさに花夜は心を撃たれていた。
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