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氷の国アイシス編
氷の国アイシス(イラスト有り)
しおりを挟む クウに乗ったまま狩夜と花夜はアイシスを目指していた。
空の旅はかなり快適だ、少し揺れるのを除けばだが...。
しばらくすると氷の国のシンボルである氷のように透き通る城が見えてくる。
をの城下町の外へクウは着陸すると人間の姿に戻る。
相変わらず寒そうな格好だが彼女はそこまで寒さを感じないらしい。
しかし、狩夜はそんなクウを黙って見ていられるような性格ではない。
まず最初にクウ用の服を見に服屋による。
色々と雪国らしい珍しい服があったとがクウが選んだのはカエルのような見た目のコートだった。
明らかに子供ウケを狙ったデザインだったので狩夜は反対したが花夜がクウの気に入った物をを買うべきと押し切ってきたので渋々購入する。
クウはそれを着ると嬉しそうな表情で雪の上を走り回る。
いくら子供ウケを狙ったデザインとはいえさすが雪国製だ。
保温効果や耐寒性能もバッチリかどうか触って確認した狩夜だが、どちらも素晴らしい性能であった。
狩夜と花夜ももう少し耐寒性を上げるためマフラーなどの商品を少し購入した。
その後はいつも通り宿をとり、仕事を探しに行く。
とりあえず仕事は見つかったが少し遠くの場所にそいつらの巣があるらしいのでクウに頼み、飛んで行くことにした。
~雪山~
アイシスから少し離れた山。
雪が降り積もり歩くのが少し大変だ。
狙いの獲物の近くまで来たので歩いているがなかなか獲物が見つからない。
クウが少し苦しそうに歩いているのでペースを落として探索しているのでどうしても探索の効率は落ちる。
鳥人族は基本は鳥の姿で行動しているらしく人間の姿になるのは細かい作業などをするときに限るという。
クウには悪いが人間の姿にも慣れてもらうために人間の状態で歩いてもらっている。
「少し休憩するか...」
狩夜は岩に腰掛けて二人を見る。
花夜はまだまだ動けそうだがクウの方は息切れが激しく、これ以上の探索は危険と判断した。
食べ物を二人に分けて渡す。
狩夜も簡易食をかじりながら休息する。
ふと、クウが質問をしてきた。
「そういえば花夜は狩夜のこと兄ちゃん呼びしてるけど、兄妹なの?」
あどけない顔で聞いてきたので、狩夜が質問に答えるより先に花夜が答えた。
「いえ、本当の兄妹ではありません、私がこういう呼び方がいいのでそうしているだけです」
「そうなんだ...、へーんなの...」
花夜が嬉しそうな顔なのが気に食わないのか今度は狩夜に問いかける。
「狩夜はその呼び方をどう思ってるの?」
直接的な言い回しだ、ひねりがない。
「どうって...、別に、好きに呼べばいいと思っている」
狩夜は普通の態度で返す。
花夜がクウの言葉使いを注意する。
「クウちゃん、私や狩夜お兄ちゃんを呼び捨てにするのはいけないと思いますよ、年上は敬うものです」
注意されたクウは胸に手を置いて年齢を明かす。
「なら大丈夫、クウはこう見えて20年生きてます、年齢だけならこの中で一番です!」
意気揚々と答えたが花夜も負けじと年齢を明かす。
「私だって20です!」
まさかの同年代と言うことで二人の会話の密度が深まる中、狩夜は「嘘だろ」と言いながら年齢を明かした。
「俺17なんだが....」
まさかの狩夜が一番年下な事に一行の雰囲気は氷ついた。
だが、狩夜自身もこの真実には驚いているようで、花夜とクウの外見年齢が10歳未満だと言うことを指摘する。
「いや、ありえないだろ...、その見た目で二人とも20って....」
花夜は少し恥ずかしがりながら顔を両手で隠している。
恐らくは年下にお兄ちゃんと言っていたのが恥ずかしいのだろう。
クウは腹を抱えて笑っている、狩夜の齢がまさか本当に自分より低いとは思わなかったのだろう。
二人の様子を見ている狩夜は少し腹が立ってきたが、年齢が一番低いのは事実なのでそれは受け止める。
狩夜がふてくされていると急に辺りが静まる。
周りから複数の気配を感じるのは狩夜だけではないようだ、花夜も臨戦態勢に入る。
クウも何やら気がついたようで立ち上がり辺りを見回している。
そして今回の獲物が雪を蹴って現れる。
白い毛並みの狼だ、それが数匹群れをなしてクウに襲いかかる。
まずは弱い獲物から殺しにくる、野生の動物達の知恵だろう。
クウの前に狩夜と花夜が立ち塞がり防衛の布陣を作る。
狼達は素早い動きで翻弄してくる上に雪に足がとられて動きづらい。
奴らの本拠地で戦っているので不意打ちや奇襲をもらうことは覚悟していたが、野生の魔物はやはり手強い。
このままではジリ貧なのは目に見え始めたので花夜に鼓動を使うことを許可した。
花夜はコクンと頷いて神経を集中させる。
その間は狩夜が一人で狼達の攻撃を受け続ける。
結構きついがなんとか堪える。
狩夜が一人で頑張っていると後ろから氷の槍が数本狼達に飛んで行く。
狩夜が槍の投擲方向を見るとクウが魔法の詠唱をしているのが見えた。
(クウの奴、氷系統の魔法が使えるのか....)
狩夜に襲いかかる牙が何本か折れたところで花夜の鼓動が発動した。
青い波紋が腕に纏わりついて、狼の爪のような形を形成する。
鼓動を発動した花夜の動きは異常だ。
素早いなどと言う表現では収まらない俊敏さと岩をも砕けるのではないかと言う腕力、この二つを兼ね備えている。
ただ、長時間持たないことと、鼓動を扱うのに時間がかかるという課題は残っているのだが...。
鼓動を纏いしその腕は狼達を惨殺して行く。
さっきまで雪に足をとられていたのに鼓動を発動してからは特に気にならないかのような動きへと変化する。
狼達は数匹の同胞を失うと一目散に逃げ始めた。
花夜は追撃を試みようとしたが狩夜に止められた。
もう花夜の鼓動時間は少ないことを狩夜に諭される。
狩夜の言った通り、すぐに腕の鼓動は消える。
狩夜は息をついて沈む夕日を見つめる。
「もう日が暮れるな...、目的数は討伐したし、今日は帰ろう、しばらくはこの国を拠点に情報を進める」
狩夜の言葉を聞いた花夜とクウは頷いて雪山を下山し始める。
しかし、下山を始めた花夜の顔は沈んでいた。
自分の力の効果時間を自分は分からないのに狩夜に諭されたのが気にかかり今日は眠れそうにない。
狩夜はクウの魔法に少し興味がわいたので、あとで使える魔法の種類や量と質を詳しく聞いてみようと思う。
今日の仕事は賃金よりも価値のある収穫があった。
花夜の鼓動解放中は周囲の状況の影響を受けずに行動が可能なことと、クウが魔法を習得可能と言うことだ。
クウのお腹が鳴り響く音に二人は笑みを浮かべた。
空の旅はかなり快適だ、少し揺れるのを除けばだが...。
しばらくすると氷の国のシンボルである氷のように透き通る城が見えてくる。
をの城下町の外へクウは着陸すると人間の姿に戻る。
相変わらず寒そうな格好だが彼女はそこまで寒さを感じないらしい。
しかし、狩夜はそんなクウを黙って見ていられるような性格ではない。
まず最初にクウ用の服を見に服屋による。
色々と雪国らしい珍しい服があったとがクウが選んだのはカエルのような見た目のコートだった。
明らかに子供ウケを狙ったデザインだったので狩夜は反対したが花夜がクウの気に入った物をを買うべきと押し切ってきたので渋々購入する。
クウはそれを着ると嬉しそうな表情で雪の上を走り回る。
いくら子供ウケを狙ったデザインとはいえさすが雪国製だ。
保温効果や耐寒性能もバッチリかどうか触って確認した狩夜だが、どちらも素晴らしい性能であった。
狩夜と花夜ももう少し耐寒性を上げるためマフラーなどの商品を少し購入した。
その後はいつも通り宿をとり、仕事を探しに行く。
とりあえず仕事は見つかったが少し遠くの場所にそいつらの巣があるらしいのでクウに頼み、飛んで行くことにした。
~雪山~
アイシスから少し離れた山。
雪が降り積もり歩くのが少し大変だ。
狙いの獲物の近くまで来たので歩いているがなかなか獲物が見つからない。
クウが少し苦しそうに歩いているのでペースを落として探索しているのでどうしても探索の効率は落ちる。
鳥人族は基本は鳥の姿で行動しているらしく人間の姿になるのは細かい作業などをするときに限るという。
クウには悪いが人間の姿にも慣れてもらうために人間の状態で歩いてもらっている。
「少し休憩するか...」
狩夜は岩に腰掛けて二人を見る。
花夜はまだまだ動けそうだがクウの方は息切れが激しく、これ以上の探索は危険と判断した。
食べ物を二人に分けて渡す。
狩夜も簡易食をかじりながら休息する。
ふと、クウが質問をしてきた。
「そういえば花夜は狩夜のこと兄ちゃん呼びしてるけど、兄妹なの?」
あどけない顔で聞いてきたので、狩夜が質問に答えるより先に花夜が答えた。
「いえ、本当の兄妹ではありません、私がこういう呼び方がいいのでそうしているだけです」
「そうなんだ...、へーんなの...」
花夜が嬉しそうな顔なのが気に食わないのか今度は狩夜に問いかける。
「狩夜はその呼び方をどう思ってるの?」
直接的な言い回しだ、ひねりがない。
「どうって...、別に、好きに呼べばいいと思っている」
狩夜は普通の態度で返す。
花夜がクウの言葉使いを注意する。
「クウちゃん、私や狩夜お兄ちゃんを呼び捨てにするのはいけないと思いますよ、年上は敬うものです」
注意されたクウは胸に手を置いて年齢を明かす。
「なら大丈夫、クウはこう見えて20年生きてます、年齢だけならこの中で一番です!」
意気揚々と答えたが花夜も負けじと年齢を明かす。
「私だって20です!」
まさかの同年代と言うことで二人の会話の密度が深まる中、狩夜は「嘘だろ」と言いながら年齢を明かした。
「俺17なんだが....」
まさかの狩夜が一番年下な事に一行の雰囲気は氷ついた。
だが、狩夜自身もこの真実には驚いているようで、花夜とクウの外見年齢が10歳未満だと言うことを指摘する。
「いや、ありえないだろ...、その見た目で二人とも20って....」
花夜は少し恥ずかしがりながら顔を両手で隠している。
恐らくは年下にお兄ちゃんと言っていたのが恥ずかしいのだろう。
クウは腹を抱えて笑っている、狩夜の齢がまさか本当に自分より低いとは思わなかったのだろう。
二人の様子を見ている狩夜は少し腹が立ってきたが、年齢が一番低いのは事実なのでそれは受け止める。
狩夜がふてくされていると急に辺りが静まる。
周りから複数の気配を感じるのは狩夜だけではないようだ、花夜も臨戦態勢に入る。
クウも何やら気がついたようで立ち上がり辺りを見回している。
そして今回の獲物が雪を蹴って現れる。
白い毛並みの狼だ、それが数匹群れをなしてクウに襲いかかる。
まずは弱い獲物から殺しにくる、野生の動物達の知恵だろう。
クウの前に狩夜と花夜が立ち塞がり防衛の布陣を作る。
狼達は素早い動きで翻弄してくる上に雪に足がとられて動きづらい。
奴らの本拠地で戦っているので不意打ちや奇襲をもらうことは覚悟していたが、野生の魔物はやはり手強い。
このままではジリ貧なのは目に見え始めたので花夜に鼓動を使うことを許可した。
花夜はコクンと頷いて神経を集中させる。
その間は狩夜が一人で狼達の攻撃を受け続ける。
結構きついがなんとか堪える。
狩夜が一人で頑張っていると後ろから氷の槍が数本狼達に飛んで行く。
狩夜が槍の投擲方向を見るとクウが魔法の詠唱をしているのが見えた。
(クウの奴、氷系統の魔法が使えるのか....)
狩夜に襲いかかる牙が何本か折れたところで花夜の鼓動が発動した。
青い波紋が腕に纏わりついて、狼の爪のような形を形成する。
鼓動を発動した花夜の動きは異常だ。
素早いなどと言う表現では収まらない俊敏さと岩をも砕けるのではないかと言う腕力、この二つを兼ね備えている。
ただ、長時間持たないことと、鼓動を扱うのに時間がかかるという課題は残っているのだが...。
鼓動を纏いしその腕は狼達を惨殺して行く。
さっきまで雪に足をとられていたのに鼓動を発動してからは特に気にならないかのような動きへと変化する。
狼達は数匹の同胞を失うと一目散に逃げ始めた。
花夜は追撃を試みようとしたが狩夜に止められた。
もう花夜の鼓動時間は少ないことを狩夜に諭される。
狩夜の言った通り、すぐに腕の鼓動は消える。
狩夜は息をついて沈む夕日を見つめる。
「もう日が暮れるな...、目的数は討伐したし、今日は帰ろう、しばらくはこの国を拠点に情報を進める」
狩夜の言葉を聞いた花夜とクウは頷いて雪山を下山し始める。
しかし、下山を始めた花夜の顔は沈んでいた。
自分の力の効果時間を自分は分からないのに狩夜に諭されたのが気にかかり今日は眠れそうにない。
狩夜はクウの魔法に少し興味がわいたので、あとで使える魔法の種類や量と質を詳しく聞いてみようと思う。
今日の仕事は賃金よりも価値のある収穫があった。
花夜の鼓動解放中は周囲の状況の影響を受けずに行動が可能なことと、クウが魔法を習得可能と言うことだ。
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