TS系最弱な美幼女魔王ちゃんとなった俺は、何故か自分が生み出した使い魔達と無敵のダンジョンを作ることになったんだが！！

ケロナ・お城ステージ⑨

(決まった！)

　誰もがそう思って次の瞬間！

「ぬん！！」

「...えっ？」

　ガルジャックは正面からトラスの奥義を受け切りました。

　いくら彼に耐久力があるとはいえ、流石に彼女の奥義を喰らっておいてこれだけのダメージで済むわけがありません。

　体がバラバラになって吹き飛んでいてもいいはずです。

　しかし、彼の体は五体満足でこの地に立っていました。

　私達の驚きと不思議そうな表情が入り混じった顔を見て彼はこう言いました。

「んっ？　どうした？　2人とも固まってしまって...、素晴らしい技だったぞ【龍殺し・双打】は」

　拍手をしながらトラスに賞賛を送る彼でしたが、最後の手を失った私達の心の中は暗闇で覆われてしまいます。

　そう思っていると、彼はパチンと指を鳴らして種を明かしてくれました。

「2人ともだいぶパワーが減っているなぁ...、これなら逃げられる心配もないだろうし少し種を明かしてやろうか...」

「種明かしだと？」

「ああ、なぜ俺が今の攻撃を受けても五体満足でいられるかの種明かしだよ...」

　彼はそう呟くとトラスに自分を殴るよう言いました。

　挑発されたトラスが彼の体に殴りかかった次の瞬間！！

　ビヨーンとまるでゴム人間の如く殴った部分が伸びたのです！

「なっ！」

「そうつまりそう言うことだ、俺は【龍殺し・双打】の風圧しか食らっていないんだよ。

　その言葉にトラスは自身の拳を見つめながらこう呟く。

「そう言われると確かに手応えがなかった...。そう言うことか...！」

　いっぱい食わされた私達の魔力は残り僅か...。

　この状態でどうやって奴に勝つと言うのでしょうか？