TS系最弱な美幼女魔王ちゃんとなった俺は、何故か自分が生み出した使い魔達と無敵のダンジョンを作ることになったんだが！！

アリカ王国一武闘会開催！！⑤

　しばらく会場内を見渡していると...。

(おっ...？　あれは...チュリアか？)

　明らかに見覚えのあるメイドの姿に俺は注目を集める。

　ああ見えてチュリアはかなり強いからな。

　今大会は武器の使用も認められているのでハンデはないだろう。

　彼女の武器は【刀】だからである。

　勿論魔法の使用も認めているのでまさに【武闘】会なのだ。

　ただし、殺害だけは認めていない。

　殺傷した時点でその選手は失格とし、来年以降出場者として数えられないようになる設定だ。

(おっ！　刀の腹を上手く使って気絶させているな...、流石チュリアだと褒めておこう)

　こうして遠くから見ても彼女の戦闘力の高さは目を見張るものがある。

　元が奴隷なだけに力はあったのかもしれないが、あそこまでの戦闘力を手に入れたのは彼女の努力の賜物だろう。

　俺は彼女が刀を振るわない日を見たことがない。

　常に俺の横にいるようにも思えるが、それはミユキの役目なので彼女は割と自由がある。

　その自由時間を全て自己研鑽に費やした彼女が【極限】の力に目覚めるのは当然の出来事だったと言えよう...。

(チュリア...本当に大きくなったな...)

　今ではアリカ☆ の中でも指折りの実力者となった彼女を見ていると年甲斐も無く涙もろくなってしまいそうだ。

　沢山の選手に囲まれても常に一対一の状況を作り上げて確実に殲滅していく姿に感銘を受ける...。

(あんなにちっちゃかったチュリアがこんなに強くなるなんて...、思いもしなかった)

　俺と彼女が出会った当時、彼女はすごく痩せ細っており奴隷の所有者に刻印を押される直前であった。

　それを公の場で堂々とする元所有者に腹がたった俺は奴隷だったチュリアを攫ったのだ。

　しかも【キャラカスタム】を施して【チュリア=からるる☆】と言う新しい名前を与えた。

　こうして彼女は晴れてアリカ☆ の仲間入りとなり、以後俺のメイドとして仕事をして貰っているのだ。

　こうして彼女の晴れ舞台を眺めていると、まるでお父さんにでもなった気分になってしまう...。

(頑張れよチュリア...、俺は応援しているからな...)

　俺は踊りを踊りながらも彼女の方に向けてエールを送るのでした。