TS系最弱な美幼女魔王ちゃんとなった俺は、何故か自分が生み出した使い魔達と無敵のダンジョンを作ることになったんだが！！

熱【改☆】

　俺たちはヤシャを布団にいれてからチュリアに【聖】属性の回復をかけてもらっていたのだが...。

「...ダメですね、【聖・回復セイントヒール】では状態異常系は治せてもこういう熱は治せそうにないです」

　息を荒げながら高温の熱を出し続けているヤシャちゃんを見舞いに来たヨミが少し考えたように俯いていた。

　それを見た俺は彼女にこう呟く。

「大丈夫だって、こういう熱はちゃんとご飯を食べて寝てれば治るものさ、俺だって子供の頃よく熱にかかってたからな」

　この時の俺は簡単な嘘を吐いてその場を和まそうとして失敗している事に気がつかない。

　彼女はゆっくりと息を吐くと真剣な瞳でお婆さんの家を後にした。

(何をそんな真剣な顔をしているんだ？　所詮ただの熱だろうに...)

　と深く考えていない俺は本当に馬鹿だと思う。

　～その日の夜～

　まあ、1日で熱が引くはずもなく、チュリアに一日中看病させてしまった。

　勿論お婆さんやミユキと交代しながらの作業なので多少は楽だとは思うがな。

　俺はそんな二人に気を配って晩御飯をリウと2人で作っていた。

「ね～ね...、お味噌汁にそんな多くの味噌を入れるの？」

　と少し困惑したような表情を浮かべる妹に対し俺はにっこりと笑顔を浮かべる。

「リウは知らないだろうけど、これくらい味噌を入れたほうが体にいいんだよ」

　と言いながら自分好みの量を投入していた。

　勿論少し多めにしたのは言うまでもなくヤシャちゃんの為である。

　味噌は液体に溶かしちゃえば熱の時でも少量で高エネルギーを得られるので結構良い食品なのである。

　アミノ酸も入っているし、こうやって一口サイズに切った野菜を入れておけば一つの食器で軽く食べられるからね。

　そう思いながら料理を進めていると、突然玄関の扉が開かれてケロナがやってきた。

　おいおい、お腹が減ったのか？、しょうがないからもう1人分味噌汁を作ってやるかと考えていると...。

「ヨミが帰ってこないんだ！　何か知らないか！？」

　といきなり聞かれたので放心してしまう俺たちなのでした。