TS系最弱な美幼女魔王ちゃんとなった俺は、何故か自分が生み出した使い魔達と無敵のダンジョンを作ることになったんだが！！

パーティの終幕【改☆】

「では最後にアリカ様からありがたいお言葉を頂きましょう！！」

　そうミユキに言われたので壇上に上がる俺。

　マイクを持ち皆にも聞こえる音量で声を発した。

「あ～あ～、聞こえますか～！！」

　俺の声に皆が答える。

「「「「聞こえま～す！！」」」」

　多種多様な種族達が俺の方を見て笑顔を見せているこの光景はいつ見ても良い物だと思うだろう。

　こほんと咳をこんでから演説に入る俺。

「では最初に言わせてもらおう、俺やこの場にいる皆は確かにギサラに色々奪われた...」

　その言葉にパーティ会場はさっきまでの歓声が嘘のように静まりかえるがここまでは予想通りだ。

　その後も臆せず続ける。

「だけど俺は彼を許そうと思う...、たしかに彼は許されない事をしたかもしれない...、だけど俺は思うんだ、どんなに悪い事をしたってそれを償おうとする意思があるのであれば誰にだって再起はできるんだって事をさ」

　俺はギサラに手招きをして彼を壇上に呼ぶ。

　そして彼にマイクを持たせてこれからの意気込みを聞く事にした。

「...俺はこの場にいる全ての者たちに酷いことをしていたのかもしれない...、あの時の俺はネアにもう一度会いたいという気持ちだけで動いていたからな...、他人のことまで考える余裕はなかったんだ」

　その言葉に会場からは罵声や怒声が浴びせられるが彼は気にせず続ける。

「だがな...、俺は復活したネアと触れ合って分かっちまったんだよ...、俺が今まで取り込んできた魔物達にも家族がいて幸せに暮らしていたんだってな...、許して貰おうとは思っていない...、許されるとも思っていない...、だからこの場で俺の口から言わせてくれ...」

　彼は一呼吸を置いて頭を下げた。

「す・ま・な・か・っ・た・」

　誠心誠意を込めて謝る彼の姿を見た民衆達は呆気に取られながらも何処と無く柔らかい感情を示し出す。

　勿論...、俺たちアリカ☆達も。

　大きな声で皆が叫んだのは罵声でも怒声でもなく「二度と悪事を働くなよ！！」的な意味の言葉だったのだ。

　その言葉に、民衆の心に揺さぶられてしまったのか、あのギサラが涙をこぼしていた...。