TS系最弱な美幼女魔王ちゃんとなった俺は、何故か自分が生み出した使い魔達と無敵のダンジョンを作ることになったんだが！！

私達の【最終極限】【改☆】

「もう...終わりだな...」

　私はなんとなく弱音を吐いていた。

　正直言って打つ手など残されていない。

【極限】の力を得た者達がこれだけ集まって手に負えない程の化け物であったというのなら、私達には最初から勝機など微塵もなかったという事になるのだから...。

　しかし、そんな私の手を強く握りしめるアリカの表情はまだ死んでいないように見えた。

「アリカ？」

　私は思わず彼女の顔を覗き込む。

　見間違いかと思いつつも僅かな希望を信じて彼女を見つめてみると...。

　やはり、彼・女・の・表・情・は・ま・だ・死・ん・で・い・な・か・っ・た・の・だ・！。

　この状況で何が出来るのかは知らないが、アリカと言う存在が諦めていないのであれば私が諦める訳にはいかない。

　力の入らない体を無理矢理起こし、彼女と一緒に立ち上がる。

「アリカ...、指示を出して」

　彼女に対して自然とこんな言葉が出てくるなんて自分でも驚きだった。

　自分よりも遥かに戦闘力の劣る相手に期待する事なんて何もないと思っていたのに、今は彼女の表情が心の支えとなっている。

　私の言葉に彼女も答えてくれた。

「うん...大丈夫だ、俺に任せてくれ」

　この状況下に置いても彼女は諦めてなどいないと言う事が言葉の質感で分かる。

　そして彼女は私の手をギュッと握りしめると聞いたことのない呪文を唱え始めた。

「【創成結合クリエイト・リンク】」

　その瞬間だった。

　もう限界だったはずの体の中から未知の強大な力が溢れてきたのは...。

　まるで生き返ったかのような感覚を全身で感じながら、体の中で確かに紡がれている自身の名前を呟いた。

「「創世の蒼巫女...アリカナ=りみてっど☆」」

　そう呟いた瞬間から世界に蒼い光が飛び散り、死した者や傷ついた者達に祝福を与えていた...。

　私が自主的にやった訳ではないが、自分がこの奇跡を呼び起こしたのだと言う自覚はある。

　突然何事もなかったかのように傷ついた者達が全て立ち上がり始める【5王連合軍】を見て驚きを隠せない様子のギサラ。

　私はそんな彼に今こそ引導を渡す！！。

　私の存在に気がついた彼が一直線に向かってくるのだが、恐怖は全く感じない。

　彼の全力の攻撃を軽くあしらうと、すぐさま反撃に転じた。

「「これが...私達の【最終極限】だよ....」」

　両手で♡の形を作り技名を呟く。

「「【愛とラブ♡&平和のピース♪生命返還！！クリエイション☆】」」

　その言葉をいい終わると同時に彼への攻撃は終了するのだった...。