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【蒼蛙】サイド⑤【改☆】

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「しかし...、それが分かったからと言っても結局扉をくぐっていくしかないのではないか?」

 そういう答えに行き着くティラスの考えも間違ってはいない。

 扉を潜り続ければきっとギサラの元に辿りつけるのだろうが、私はもっと効率の良い方法を考えていた。

「普通の人たちはね...、でも私達にはティラスがいる」

 私の言葉に彼は驚く。

「私がか?」

「ええ、今の私達にはあなたの馬鹿力が必要なのよ、試しに地面を本気で殴りつけて見て」

 彼はよく分からないと言った表情を浮かべながらも、取り敢えずドラゴン化し地面を思いっきり殴りつけた。

 すると...。

 ドゴォン!!という大きな音とともに次の部屋にへと繋がる隙間のような物が現れた。

「これは...、どう言うことだ?」

 ティラス自身も何が起こったのか良く理解していないようなので教える。

 ※私の考えだけどね。

「簡単に言うとこの世界とそこの世界は魔力を介した独立世界で出来ている、その独立した世界の壁に凄まじい衝撃を浴びせた結果、本来なら歩数を稼いで扉を出現させるシステムが誤作動して隙間が現れたってとこかな」

 皆私の言っていることが理解出来なさそうな顔をしているが、とにかくこれで楽ができると言うことだけは伝わったようだ。

 次の部屋もそのまた次の部屋もティラスが地面をぶん殴れば隙間が現れるので、それを利用した高速攻略を編み出したせいか、もう海底神殿の奥地らしい場所に辿り着いてしまった。

 そこはまるで機械の待機場と言った場所で、色んなメカや改造された機械達が格納庫の中で静かに佇んでいる。

「ここは...なんだ?」

 私達は呆気に取られたようにその場にある機械達を見つめては触った...。

 するととある事に気がつく。

「これ...、全部モンスターだ...」

 触ってみると僅かに暖かい命の温もりを感じる...。

 元がモンスターである事の証拠としては充分だろう。

 触れば触る程その正体に気がつきそうで嫌になってきた。

(あまり詮索するのはやめよう...、早くこの部屋から出たい...)

 生物としての尊厳を奪い去り、兵器と化した物がここ佇む機械達の正体なのだろう...。

 そこに気がつくと気持ちが暗くなってくるのだ。

 そう思い次の部屋へと向かおうとした時に奴が現れるのだった...。
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