TS系最弱な美幼女魔王ちゃんとなった俺は、何故か自分が生み出した使い魔達と無敵のダンジョンを作ることになったんだが！！

【冥帝】サイド⑤【改☆】

　～？？？～

「痛っ...」

　わしが目を覚ますと横にトラスが居た...。

　特に身体が痙攣している様子はなく、まだ体内に水分がある程度は残っている事を確認できたのは大きい。

　大量の汗を排出した結果、相当消耗しているみたいだがとりあえず生きているようだったので一安心できる。

　それにしてもここは一体...？。

　キョロキョロと辺りを伺うと、どこかの洞窟らしい事が分かった。

　先程から不思議なことばかり起こる。

　地形が森林から砂漠へと推移し、そして洞窟か...。

　明らかにおかしい地形変動に対し、私はこの海底神殿そのものが１つのダンジョンなのではないかと憶測した。

　ヨロヨロと立ち上がりトラスを背負ったまま洞窟からの脱出を試みる。

　その時に思い出したのが背中の感触だった。

　あの時誰かに背中を押されたような感覚がしたが一体誰だったのだろうか？。

　スプルな訳がないし、あの場に人の気配はしなかった分謎が深まる...。

　もしかしたら流砂によって何か大きな物が流されてきただけなのかもしれないが、あの形は人間の手のようにも感じた...。

　いや、ここで考えていても拉致があかない。

　今はトラスに【水】を与える事が大切だ。

　脱水症状になり体の20%以上がなくなれば必ず死ぬ...。

　その前に水を探さなくてはならない！。

　そう思った矢先にコウモリ型の魔物たちが背中のトラスめがけて襲ってくる！！。

「ちぃ！！　邪魔じゃ！！」

　わしはすかさず魔法を唱えて奴らを撃ち落としていくが、なにせ数が多い！。

「いちいち相手にするのが面倒じゃ！！」

　呪文を唱えながら走り回るのは思ったよりも体力を消耗してしまう。

　雑魚どもに魔法を使いまくったらいくらわしが【冥帝】と言えども魔力は枯渇してしまうだろう。

　薄暗い洞窟を吸血コウモリどもに襲われながら走り回っていると...！。

「ギャ！！」

　いきなり真っ二つになる個体が現れ始めたので足を止める。

「なんじゃ！？」

　その後も剣音が洞窟内に鳴り響いたかと思えば数分後にはコウモリたちが全滅し、後にはわしらと目の目にいる人物達のみが残る。

「大丈夫ですか！？　システィ様！！」

　わしに駆け寄ってきたのはアリカのメイドであるチュリアとツグミだった。

「お主ら...、なんにせよ助かったわい...」

　わしは安堵のため息を吐きながら、安心感に包まれているのでした。