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笑極の魔王の邸宅②

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 俺たちは長い廊下を歩いて行く。

 その間にいくつものくすぐりコレクションが壁に埋め込まれていたので、ついつい足を止めて確認したくなる俺を彼女達は静止する。

「アリカ、あんまり彼女達を見ないであげて...、彼女達も不本意でやらされてるだけだろうから...」

「ケロナの言う通りじゃ、ギサラとやらを倒したらカズラは用済みじゃろ?、ちゃんと後始末してから囚われておる女性達は解放させてもらうからのう...」

 爆笑している壁に埋め込まれた女性たちを見かける度に2人のオーラが濃くなって行くのが分かった。

 気の強い女の子が怒ったらめっちゃ怖いと言うのは前世からの記憶である程度補完していたつもりだったが、直に見てみると予想の100倍は怖い!!。

 最初こそ性的な目でくすぐりの刑を受ける女性達を見ていた俺ですら、だんだんとそう言う目で見れなくなってきた...。

 何せそこら中にそれらがあるのだから、だんだんと彼女達の笑い声が狂乱に満ちた物なのだと自覚してしまう自分がいる。

 そして暫く歩いて行くと、ついに邸宅に入ってから初めての扉が見えた。

「扉だ...」

 俺が最初に扉に触れると、2人が同時に声を出した。

「「アリカが開けるのは危ない!(のじゃ!)」」

 のじゃはシスティの語尾です。

 そう言われたので渋々レディファーストを譲る。

 今は俺もレディだしレディファーストを貰っても良いよね?。

 俺のどうでもいい自問自答をよそに、2人は用心しながら扉を開いた。

 扉の奥には黒い体色の魔王、カズラが優雅にお茶を嗜んでいる姿が見える。

「ふむ...、どうやら俺の邸宅へと無事に着いたようだな、アリカ様」

 俺の名前を呼ぶ彼を見て俺は挨拶を返す。

「ようっ、ギサラと戦う前にちょっと話でもと思ってな」

「そうだな、相手の事を少しでも知っておく事は大事だ」

 その言葉に俺以外の全員が困惑する。

 そりゃそうか、俺以外は彼がギサラと因縁があってこの戦いに参戦したと思っているからな、その事についても話しておくか。

 俺は【笑極の魔王】の前にあるソファに座り話を始めるのでした。
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