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獣鬼少女の誇り!④
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「まだ倒れないか...」
あれから数分が経過し、既に切り傷や擦り傷で体全体から血を滲み出している獣鬼少女。
はぁはぁと肩で息をしながらも、確かに自分の足で立っている彼女の姿は美しい...。
まるで自然の力強さを彼女から感じられるようだ。
「まだ...まだ...!」
ズルズルと自らの体を引きずるような形で戦闘を続ける彼女を止める者はいない。
「そろそろやばい気が...、流石に止めた方がいいんじゃないか?」
と俺が呟くとシスティが答えた。
「いや...、トラスが参ったと宣言しない限りわしらは手を出さない方がいい...、トラスにもプライドがあるじゃろうし、わしなら死んでも1発殴るまでは止められたくない」
そう言われたので取り敢えず医療班である対◯忍三人衆を近くに呼んである。
決着がついた時にはすぐさま回復が行えるように最大限の配慮はしておいた。
が...。
結局死ねば意味が無いので、できれば息があるうちに喧嘩をやめて欲しい。
(流石に息も絶え絶えで体を引きずるようにして戦う女の子は見たくないな...、ボロボロになってでも戦う姿は格好いいと思うけど...、できれば笑顔でいて欲しいからな...)
なんだか今のトラスを見ていると胸が締め付けられるようで居心地が悪いのだ。
だから早くギブアップして欲しいのに、彼女は意地を張ってギブアップしない。
「もうそろそろ諦めろ...、お前の攻撃は俺に届かない」
カズラも呆れたような視線をトラスに送っている。
「何を...、勝負はまだついていない!」
キッ!とした目つきでカズラを睨みつける彼女の迫力は凄まじいが、いかんせん彼女が彼に勝利する場面が想像できない。
側から見ていても、1発たりともカズラを自身には攻撃が当たっていないことくらい俺にだってわかる。
カズラが呼吸すら乱していないというのに、トラスは肩で息をしながら全身が血だらけだ。
どちらが優勢かは一目で分かるし、今の所決定打もない彼女が【笑極の魔王】に勝てる可能性は無いと断言できる。
正直トラスには早く諦めて欲しい...、せっかくの【5王連合軍】結成パーティだと言うのにこの喧嘩の所為でカズラに抜けられてしまったりトラスが怪我をしてしまっては意味が無いからである。
凄まじい戦いではあるので酒のつまみにはいいのかもしれないが、早く終わって欲しいと思う俺なのでした。
あれから数分が経過し、既に切り傷や擦り傷で体全体から血を滲み出している獣鬼少女。
はぁはぁと肩で息をしながらも、確かに自分の足で立っている彼女の姿は美しい...。
まるで自然の力強さを彼女から感じられるようだ。
「まだ...まだ...!」
ズルズルと自らの体を引きずるような形で戦闘を続ける彼女を止める者はいない。
「そろそろやばい気が...、流石に止めた方がいいんじゃないか?」
と俺が呟くとシスティが答えた。
「いや...、トラスが参ったと宣言しない限りわしらは手を出さない方がいい...、トラスにもプライドがあるじゃろうし、わしなら死んでも1発殴るまでは止められたくない」
そう言われたので取り敢えず医療班である対◯忍三人衆を近くに呼んである。
決着がついた時にはすぐさま回復が行えるように最大限の配慮はしておいた。
が...。
結局死ねば意味が無いので、できれば息があるうちに喧嘩をやめて欲しい。
(流石に息も絶え絶えで体を引きずるようにして戦う女の子は見たくないな...、ボロボロになってでも戦う姿は格好いいと思うけど...、できれば笑顔でいて欲しいからな...)
なんだか今のトラスを見ていると胸が締め付けられるようで居心地が悪いのだ。
だから早くギブアップして欲しいのに、彼女は意地を張ってギブアップしない。
「もうそろそろ諦めろ...、お前の攻撃は俺に届かない」
カズラも呆れたような視線をトラスに送っている。
「何を...、勝負はまだついていない!」
キッ!とした目つきでカズラを睨みつける彼女の迫力は凄まじいが、いかんせん彼女が彼に勝利する場面が想像できない。
側から見ていても、1発たりともカズラを自身には攻撃が当たっていないことくらい俺にだってわかる。
カズラが呼吸すら乱していないというのに、トラスは肩で息をしながら全身が血だらけだ。
どちらが優勢かは一目で分かるし、今の所決定打もない彼女が【笑極の魔王】に勝てる可能性は無いと断言できる。
正直トラスには早く諦めて欲しい...、せっかくの【5王連合軍】結成パーティだと言うのにこの喧嘩の所為でカズラに抜けられてしまったりトラスが怪我をしてしまっては意味が無いからである。
凄まじい戦いではあるので酒のつまみにはいいのかもしれないが、早く終わって欲しいと思う俺なのでした。
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