TS系最弱な美幼女魔王ちゃんとなった俺は、何故か自分が生み出した使い魔達と無敵のダンジョンを作ることになったんだが！！

円卓会議③

「じゃあ次は...空だな」

　なんとか陸路と海側の包囲網構成論は出来上がったのだが、今度は空軍の話題が上がる。

　と言ってもこれは殆ど彼女達の仕事だろう。

「ミユキ！ちょっといいか？」

　今までアリカの後ろで沈黙していた彼女だったが、アリカの問いかけにより口を動かし始める。

「アリカ様、なんでしょうか？」

　何やらゴニョゴニョと会話した後に彼女は頷きました。

「はい、分かりました、我らドラゴン部隊は上空からアトランティスを見張っていれば良いのですね」

　さらっと怖いことを笑顔で呟く彼女。

(おいおい...、まさかとは思うが5人同時にブレスを吐く訳じゃないよな？)

　ドラゴン部隊と言う事は、カザイの4醒龍も此度のメンバーに入ると言う事です。

　1回の咆哮だけでも王国が滅びるレベルのドラゴンが5体もいることに安心感を覚えずにはいられない。

　そんなミユキとカザイの4醒龍を同時に相手に出来る者など殆どいないでしょう、私でも彼女達5人を相手に喧嘩するなんてこちらから願い下げたいくらいですから...。

　今回ばかりはいくら相手があのギサラだと言えども、ここまで最善を尽くせば勝てる見込みが少しはあるのかもしれません。

　ですが勿論こちらの目的はリウと【獣鬼団の秘宝】の奪還です。

　なので一斉攻撃でアトランティスごとギサラを吹っ飛ばすなんて荒技は選択肢にありません。

　と言う事は...。

「結局私達の誰かがアトランティス内に入ってリウを救わなければならないって事か...」

　私がそう呟くと、アリカはすぐ様焦ったように口を開いて言葉を返してくれました。

「も...勿論最初っからそのつもりさ、アトランティスの内部がどれ程広いかわからないけれど、ギサラの事だから地下ダンジョン相当のお大きさはあると思う...、と言う事は自給自足がアトランティス内に完備されていてもおかしくはない...」

　ここは話を合わせておきましょう。

「もしもアリカの考えが当たっているのであれば、アトランティスを囲んで時間経過による降伏を待っていてもしょうがないって訳だな」

「そうそう！！そう言うことだ！、間違っても一斉攻撃でアトランティスごとギサラを潰すなんて事考えてないからな！本当だぞ！」

　じゃあ最初に兵糧攻めにするとか言ってたのはなんだよ！！とかいちいちツッコまないからな。

　皆アリカの馬鹿さ加減が分かってきたのか少しだけ顔が引きつっているがこれはまあいつもの事だからほっといておこう。

　それよりも...だ。

「では誰がギサラの本拠地に足を踏み入れるのか決めないとな」

　私の言葉に皆が注目しているのでした。