TS系最弱な美幼女魔王ちゃんとなった俺は、何故か自分が生み出した使い魔達と無敵のダンジョンを作ることになったんだが！！

円卓会議

　私が会議場に辿り着くと、既に数名が席に座っていた。

「来たか...」

　システィが煌めく2色の眼で私を見つめながらそう呟く姿が見える。

「ああ...」

　そう返した後で彼女の横に座る私。

　よく見ると私の反対側にティラスとその横にパルナとディンの存在も確認できた。

(この付近の領域を収める王達が揃い踏みか...)

　これから話し合う内容に合点興味が湧いてくる。

　まあ、この面子で話し合う事なんて１つしかありませんが...。

「こほん！」

　アリカが咳を混んだ瞬間に皆の視線が１つに集まった。

「皆忙しい中よく集まってくれた、今日集まって貰ったのは他でもない！、ギサラからリウと【獣鬼団の秘宝】奪還作戦について話そうと思ったからである！」

　いつになく険しいアリカの表情に皆の意識が彼女に集中する。

「ギサラの力は強大で俺たちアリカ☆だけでは到底太刀打ちできなかった...、頼む！今回だけで良い！、皆の力を俺達に貸してくれ！」

　アリカはそう叫びながら皆に頭を下げる。

　その光景に皆が絶句していた。

「こらっ！顔をあげい！」

　とシスティ。

「そうです！、そこの猫さんの言う通りです！」

　とパルナ。

「アリカが頭を下げる必要なんてない...、アリカ王国を勝手な理由で攻めた償いをここでさせて頂きたいのはこちらの方だ」

　とディン。

「我ら獣鬼団、【秘宝】を取り戻すまではアリカ☆と共に歩む所存ゆえ...」

　とティラス。

　皆からの声援を受けて顔をあげるアリカ。

「皆...！、協力ありがとう！」

　私がそんな様子を見て静かに笑みを浮かべていると...。

　本題に入るアリカ。

「では本題に入らせていただく」

　スッと元の表情に戻し、今回の作戦内容を淡々と皆に伝えていく。

「まずは海チームの為に船を100隻ほど作りたいと思うんだけどどうだろう？」

「いや...、1ヶ月で100隻は無理じゃろ...、できても10隻...いや5隻くらいじゃないかのう？」

　冷静に返すシスティの正論に彼女は顔を真っ赤に染め上げる。

「わ...わかってるし！ば～かば～か！」

　冥王に対し重大な会議の中で「ば～かば～か」はないだろう...。

　これが私の主人なのか...、と少し恥ずかしくなってしまう私なのでした。