TS系最弱な美幼女魔王ちゃんとなった俺は、何故か自分が生み出した使い魔達と無敵のダンジョンを作ることになったんだが！！

蛙の試練④

　彼女が次なる試練への扉を開くと、そこは大きく開けた場所でした。

「わぁ！、地下空洞の奥にこんな場所があったんですね！」

　ティアの奴が関心しながら部屋の奥にへと入っていきます。

「ちょっとは警戒しろっ！」

　大声で叫ぶ私でしたが、彼女はあんまり気にしていない様子。

「大丈夫ですよ！、この部屋何も無いみたいですし、ただ広いだけです！」

　彼女の言う通り、確かにここは無駄にだだっ広いだけでギミックなどは無いように見える。

　それに、ただ前に進むだけで次の扉に辿り着けそうだ。

(もう試練は終わりなのかな？)

　そう思うと少しホッとする。

「早くいきましょう！」

　彼女が走り出した瞬間、それは現れた。

　大きく見開いた２つの眼が私の五感を刺激する！。

「ティア！今すぐ戻ってきなさい！」

「へっ？」

　驚いたような瞳で私の方を見てくる彼女でしたが、なぜ私が叫んだのかが彼女にも数秒後に分かる事でしょう。

　ズザザ！！ッと言う激しい音と共に、巨大な黒い大蛇が姿を表しました。

　体長は5メートル、体の太さは3メートル程あります。

「うぇ...、蛇か...」

　明らかにやる気がなくなる私ですが、ここが蛙の試練というのであれば、最後の試練が天敵の大蛇がとの勝負であっても不思議ではありません。

(あの横穴から這い出てきたんだな...)

　大きく開いた横穴を静かに見据えながらも、私は大蛇の方に視線を移す。

「ケロナ様、ここは私が」

　剣を引き抜き、大蛇を睨みつけるティアに私は呟いた。

「一緒に戦うぞ」

「！？、ケロナ様は私の主人です！、お怪我をさせる訳にはいきません！」

　そう言ってくれるのはありがたいが、奴はどう考えても彼女1人で仕留めれるレベルでは無い。

「あいつは多分そこそこ強いぞ、ティア1人じゃ不安だ、だから私も一緒に戦うだけ」

「ケロナ様...」

　感無量とばかりに私の方を見つめてくる視線が妙にくすぐったい。

「ヨミの為にもさっさと終わらせて地上に出よう！」

「はいっ！すぐに蛇鍋にしてあげましょう！」

　蛇鍋というのがなんなのかよくわからないが、妙に食欲をそそるな...。

　ごくりと唾液を飲み込んだ瞬間！、大蛇が私達に向かってくるのでした。