上 下
518 / 968

誤解が解けた!!

しおりを挟む
「...その魔力量じゃあとてもじゃないけど父ちゃんの相手は無理だね、アリカが嘘をついているようには見えないし...、それが本当に全力なんだね...」

 何処と無く残念そうな表情を浮かべる彼女に俺は言葉を添える。

「強い奴と戦いたいのなら大丈夫だぞ、ケロナがいるからな!」

「ケロナってあの時助太刀に来てくれた青い蛙人のこと?」

「そうそう、強かっただろ?」

「まあ、強かったけど父ちゃんと比べるとなぁ...」

 彼女の反応を見る限り、ティラスは今のケロナよりも強いようだ。

 それをギサラは捕まえて洗脳していたと言うことは、つまり洗脳以前のティラスくらい強い戦力がないと話にならないという事か...。

 そう考えると先が長く感じてしまう。

「やっとリウを見つけたってぇのに、今度は戦力が足らないのかよ!!」

 俺達アリカ☆だけでは絶対に勝てないと分かった以上、一旦アリカ城に戻って態勢を整えるしかないのだが...。

「くそっ!戦力が全然たりねぇ!!」

 脳裏に浮かぶのは大量のテイマー達。

 あの数を相手にできるほどの戦力は俺たちにはないのだ。

 洗脳されている者達とはいえ、元を辿れば優秀な者も多いはずだ。

 カザイのテイマー達の采配ぶりを間近で見た俺だからこそ言える。

 テイマーを舐めてはいけないと。

 俺が戦力の増強を考えていると、誰かが肩を突いて来た。

 その方向を見るとトラスがいた。

「戦力が足りない?、私達を入れてもか?」

「んっ?」

 あれっ?もしかして一緒にギサラと戦ってくれるとでもいうのか?この子は。

「ちょっと確認させてくれ」

「うん」

 彼女はあどけない表情で頷く。

「俺たちが戦うのはあのギサラだぞ?、それにはまず大量のテイマー達をなんとかしなくちゃいけない」

「ギサラって誰?」

「ギサラってぇのは片目に×印がある白髪男のことだ」

 そこまで呟くと、彼女は怒りを露わにする。

「あいつかぁ!!、私の父ちゃんをさらって洗脳した奴だ!!しばきに行くなら私達も連れていけ!」

 どうやら彼女とギサラの間には因縁があるようだ。

 いや、なければそもそ俺たちがティラスと戦うことにはならなかっただろう。

 彼女達が一緒に戦ってくれると言うのであれば心強い。

 片腕を失ったとはいえティラスの力は拝見済みだし、トラスの腕力にも期待はできる。

 そんな僅かな希望の芽が芽生えてくる俺たちの話し合いに参加してくる影があった。


しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活

XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

落ち込んでいたら綺麗なお姉さんにナンパされてお持ち帰りされた話

水無瀬雨音
恋愛
実家の花屋で働く璃子。落ち込んでいたら綺麗なお姉さんに花束をプレゼントされ……? 恋の始まりの話。

〈社会人百合〉アキとハル

みなはらつかさ
恋愛
 女の子拾いました――。  ある朝起きたら、隣にネイキッドな女の子が寝ていた!?  主人公・紅(くれない)アキは、どういったことかと問いただすと、酔っ払った勢いで、彼女・葵(あおい)ハルと一夜をともにしたらしい。  しかも、ハルは失踪中の大企業令嬢で……? 絵:Novel AI

僕が美少女になったせいで幼馴染が百合に目覚めた

楠富 つかさ
恋愛
ある朝、目覚めたら女の子になっていた主人公と主人公に恋をしていたが、女の子になって主人公を見て百合に目覚めたヒロインのドタバタした日常。 この作品はハーメルン様でも掲載しています。

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

処理中です...