TS系最弱な美幼女魔王ちゃんとなった俺は、何故か自分が生み出した使い魔達と無敵のダンジョンを作ることになったんだが！！

緊急脱出！

　～ミユキ体内・医務室～

　俺達は対◯忍三人衆によって看病されていた。

　一応トラスの願いも聞いてやり、ティラスも治してあげたのだが、何故か右手が回復魔法や解毒魔法を使っても全く完治せず、まるで水分が無くなってしまったかのようにしぼんだままとなっている。

　診察したシュガー曰く「まるで塩分の過剰摂取による脱水症状の強化版」とのことである。

　全くを持って理解できない事だが、要するに塩分を摂りすぎて右腕の水分が完全に失われたのだと言う。

　それを謝る俺たちだったが、ティラスは「命があるだけでありがたい、自分の手で娘を殺さないで本当に良かった...」と呟いており、どちらかと言うと感謝されているようだった。

　ちなみに、ティラスの洗脳が解けた原因は圧・倒・的・な・強・者・に・よ・る・戯・れ・か・ら・く・る・絶・望・感・らしい。

　ケロナをのしてしまう程強いティラスが恐怖を感じてしまう程の強者か...。

　もしもそんな奴が仲間になってくれたならと考えずにはいられない。

　まあ、そんな奴と会話するのも怖いんだけどね！。

　いつもならあははと笑いたいところではあるのだが、今回ばかりは笑えない。

　得たものも大きいが、失ったものも大きすぎるからである。

　得たものと言えばギサラの本拠地を発見できた事と、無数のテイマー達が洗脳されギサラの手駒にされているという情報。

　何より一番の収穫は、リウが洗脳されていたとは言え生存を確認できたことだろう。

　失った物はロムパとルキィの2人。

　いきなりアリカ四天王の2人を失ったのは大きすぎる...。

「くそっ...、ロムパ...ルキィ...！」

　2人の名前を呟きながらも、俺は名案を思いつくのだった！。

「そうだ！！、死んじゃったんならまた生み出せばいい！！」

　そう思い俺は【キャラメイク】に入ろうとしたのだが...。

(あれっ...？、なんでだろう...、これはしちゃいけない気がする...)

【キャラメイキング】を行おうとすると、何故か指が止まってしまう...。

　これで彼女達が生き返ったとしても、それはきっと別の個体なのだと思ってしまうと、どうしても踏ん切りがつかない。

　魔・力・を・込・め・る・だ・け・の・簡・単・な・作・業・ができないのだ。

　当然である。

　今この瞬間に俺が行おうとした事は、命に対する冒涜であり、何よりも命を張ってくれた2人への侮辱に思えてならない。

　俺はそのまま【キャラメイキング】を行うことが出来ないまま、倒れ伏している仲間たちを眺める事しか出来ないのであった...。