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冥帝の称号
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もちろんその誘いをわしは断った。
断ったと同時に食い殺された。
お腹から血がドバッと出て死にかけた...。
どんどん体が冷たくなっていくのを感じる中、奴はわしにこう呟いた。
「お前の愛したこの国を滅ぼそう...」
そう言われた時、わしの表情は硬直した。
そんなわしを見た奴は笑う。
「いいなその表情...、これだから人間を弄ぶのはやめられない...!」
そのまま奴はダンジョンの外に出て行った。
わしは悔しさと無力さで怒りに震えた。
そんな時になって奇跡が起きたのじゃ。
ダンジョンの奥から声が聞こえてきてこう囁いてくる...。
「指揮能力は充分、魔力と肉体の強さも人間にしておくにはおしい...、あなた...、よければ次の冥帝にならない?」
その声とは先代の冥帝じゃった。
そう...、このダンジョンの本来の姿は、冥帝の墓だったのだとこの時になって気がつく。
「冥帝になればカズラを倒せるのか...?」
「勿論...、あなたの死んだ仲間達も忠実な僕として蘇るわ...、勿論私の仲間達もね...」
そうして先代冥帝の仲間達と冥帝としての実力をつけるために、わしは数年...あるいは数十年の時をダンジョンの中で過ごした...。
貧弱な人間の体を冥帝の物に作り変えるのにはそれだけの時を必要とした。
徐々にわしの体は人間のものでは無くなり、魔物のそれにへと変化していく感覚は二度と味わいたくない...。
全身に響く激痛に耐えきったわしの風貌は変貌していた。
髪は真っ白に脱色しており、目は左右の色が違う。
更に以前には見られなかった狼の耳と猫の尻尾に戸惑いは隠せなかったが、身体中にみなぎる魔法力にだけは歓喜しておった...。
わしは急いでダンジョンから抜け出し、故郷の国へと帰還したのじゃが...。
それだけの時が過ぎれば当然...。
『砂漠の国アイシアは完全に地図から消滅し、ただの砂漠が広がるのみの領域』
そうなっているのは必然じゃった。
生まれ故郷がそうなっていたのを見た私は復讐を誓う。
何年かかろうとも笑極の魔王を討伐する...。
と。
夕日で紅く染まる、故郷だった砂海の砂を踏みしめながら、一歩また一歩と進むのだった...。
断ったと同時に食い殺された。
お腹から血がドバッと出て死にかけた...。
どんどん体が冷たくなっていくのを感じる中、奴はわしにこう呟いた。
「お前の愛したこの国を滅ぼそう...」
そう言われた時、わしの表情は硬直した。
そんなわしを見た奴は笑う。
「いいなその表情...、これだから人間を弄ぶのはやめられない...!」
そのまま奴はダンジョンの外に出て行った。
わしは悔しさと無力さで怒りに震えた。
そんな時になって奇跡が起きたのじゃ。
ダンジョンの奥から声が聞こえてきてこう囁いてくる...。
「指揮能力は充分、魔力と肉体の強さも人間にしておくにはおしい...、あなた...、よければ次の冥帝にならない?」
その声とは先代の冥帝じゃった。
そう...、このダンジョンの本来の姿は、冥帝の墓だったのだとこの時になって気がつく。
「冥帝になればカズラを倒せるのか...?」
「勿論...、あなたの死んだ仲間達も忠実な僕として蘇るわ...、勿論私の仲間達もね...」
そうして先代冥帝の仲間達と冥帝としての実力をつけるために、わしは数年...あるいは数十年の時をダンジョンの中で過ごした...。
貧弱な人間の体を冥帝の物に作り変えるのにはそれだけの時を必要とした。
徐々にわしの体は人間のものでは無くなり、魔物のそれにへと変化していく感覚は二度と味わいたくない...。
全身に響く激痛に耐えきったわしの風貌は変貌していた。
髪は真っ白に脱色しており、目は左右の色が違う。
更に以前には見られなかった狼の耳と猫の尻尾に戸惑いは隠せなかったが、身体中にみなぎる魔法力にだけは歓喜しておった...。
わしは急いでダンジョンから抜け出し、故郷の国へと帰還したのじゃが...。
それだけの時が過ぎれば当然...。
『砂漠の国アイシアは完全に地図から消滅し、ただの砂漠が広がるのみの領域』
そうなっているのは必然じゃった。
生まれ故郷がそうなっていたのを見た私は復讐を誓う。
何年かかろうとも笑極の魔王を討伐する...。
と。
夕日で紅く染まる、故郷だった砂海の砂を踏みしめながら、一歩また一歩と進むのだった...。
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