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違和感(?)

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「...」

「どうしたんじゃ?浮かない顔をしおってからに」

「実はツグミ君の事で...」

 私の横にシスティ様が座り、話を聞いてくれる事になりました。

 私が彼の腕を掴もうとした瞬間、何故か彼の体は3歩ほど離れていた事を話すと彼女は笑い声をあげる。

「そりゃあ、お主がただ単に子供のすばしっこさを侮っておるだけじゃ、子供は体が小さい分、力は弱いが素早いものじゃからな」

 そう得意げに呟く彼女に対し、私の表情は沈んでいました。

(本当にそれだけでしょうか?)

 私だって常日頃から特訓していますし遊んでいるだけではありません。

 活躍の場こそ少ないものの、仕事はきちっとしていますし、何より今はアリカ☆の加護も得ている私の掴みを躱していた事に違和感を覚えてしまったのだ。

 それに...、ツグミ君は私と同じリス種の魔物、同じリス種であるのなら行動の前の動作で次にどう動くかがわかるはず...。

 予備動作無しで私の手から逃れるはずが無いのです。

 でも...。

 そう思っていてもやはり自分が油断していただけなのでは?と思う自分も確かに存在していました。

(ちょっと確かめてみようかな...)

 ~数分後~

 自由に城内を歩き回るツグミ君を見つけるのに時間がかかると思っていましたが、意外にも直ぐに見つかって一安心します。

「ツグミ君、ちょっといいですか?」

「なに?チュリア」

 相変わらず私の事を呼び捨てで呼んでくる彼ですが、実際の所彼の方が年上なので間違ってはいません。

 それでも身長が低い人に呼び捨てにされるとちょっぴり腹が立ちます。

 そこを抑え、私は彼にこう言うのでした。

「私と一戦交えませんか?」

「チュリアと?」

 キョトンとする彼に対し、私の瞳はいたって真剣です。

 なぜなら、先程の動きが目の錯覚などでないのなら、彼は恐らく...。

「いいよ、けど僕は結構強いからチュリアが泣いちゃうかもしれないね」

 生意気な口を聞いてくるケモショタ男子にお灸をすえるつもりで私はこう呟く。

「そうなればむしろ歓迎です」

「へぇ...」

 少しニヤリと笑う彼と私の試合が始まるのでした。
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