TS系最弱な美幼女魔王ちゃんとなった俺は、何故か自分が生み出した使い魔達と無敵のダンジョンを作ることになったんだが！！

無礼(？)

「何やってんだ！！ミユキ！！」

　俺が無礼なことをしている彼女に注意を促そうとしたのだが...。

　がしゃん！！！。

「今度はなんだ！？」

　今度はケロナの奴が食器を放り投げた。

「なんだこれは...」

　そう呟くケロナの瞳はドス黒い...。

　まるで信じていた者に裏切られた時の俺のように...。

「何してんだお前ら！！、せっかくサイラ王国の皆様が作ってくれた食べ物だぞ！！」

　大声を上げて2人の説得を試みる俺だったが...。

　がしゃん！！！。

　3度目の食器が壊れる音。

「これは、なんのつもりじゃ...」

　口を拭きながら怒りの形相を浮かべるシスティ。

「お前もか！！、いくら口に合わなかったからって食べ物を粗末にするな！！」

　流石の俺も食べ物を粗末にするのは許せない。

　おじいさんやおばあさんに似た境遇の人達が作ったかもしれない食事を無下に扱う3人に心底腹が立っていた！！。

　多分俺以外の皆は知らないのだろう...。

　どうしようもない空腹感というものを...。

　孤児院で育った俺にとって、食料とは凄く大事な物だったのだ。

　確かに毎日決められた量の食事はさせて貰えていたが、正直言って成長期な子供には全く足りていない。

　その時の空腹感を思い出せば思い出すほど、今目の前でされた行動に怒りを覚える。

「もういい！！俺が責任を持って全部食う！！」

　そう言って床に散らばった食べ物を口内に掻き込もうとした瞬間！！、ケロナに止められる。

「邪魔するな！！、食べ物を好き嫌いする娘は嫌いだぞ！！」

「違う！！、私達は好き嫌いしてるわけじゃない！」

　本気の瞳で俺を見てきたケロナのおかげで我に帰る俺。

(そうだよ！ケロナ達が食事を無下に扱っている所なんて今んで見たことがないじゃないか！、...もしかして何かあるのか？)

　彼女の瞳を信じ、床に散乱している食事を掻き込もうとしていた手を止める。

　いきなりの言い合いにパルナはきょとんとした表情のまま固まっていた。

「何か...、わたくし共がご無礼をいたしましたか？」

(ほら見ろ！！、パルナもどうしていいのかわからなくてキョトンしているじゃないか！！)

　ケロナを信じているものの、やはり食事を無下に扱ったことは俺の中で許されるものではない。

(頼むぞ...、深刻な問題があったと言ってくれよ)

　俺は祈るような素振りでケロナを見つめる。

　彼女が放つ第一声。

　それによってサイラ王国との友好関係を築けるか否かも変わってくるだろう。

「私・達・の・食・事・に・毒・が・入・っ・て・い・た・」

「毒...？」

　完全に硬直するパルナに対し、俺の心も激しく揺れ動く。

(毒！？、毒ってあの毒か！？)

　ケロナの言動に食堂全体の空気が揺れ動いていた。