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ここが...ダレカの町?
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「なんだこれは...?」
僕がダレカの町に入ってみてまず驚いたのは、町の中にモンスターがいる事である。
それも1匹や2匹ではない。
相当数のモンスターが平気な顔をして暮らしている事に目を疑う僕。
1匹の獣人の娘が僕の方を見て笑顔で手を振ってくる。
「こんにちは!、アリカ城下町にようこそ!」
「アリカ城下町?、ここはダレカ城下町ではないのか?」
僕の答えにキョトンとした表情を浮かべる彼女だったが、すぐ様笑顔になり答えてくる。
「はいっ!!、アリカ様がアイファフォースターを倒してくれたお陰で私達は解放されたのです、今では人間もモンスターも仲良く一緒に暮らしていますよ」
「...」
僕の頭の中で何かが狂っていく様な気がする...。
(モンスターと人間が一緒に暮らす...?、そんな環境が整うはずがない...)
そう思わずにはいられないが、事実この町には人間とモンスターが一緒に暮らしている様にしか見えない。
頭がどうにかなりそうになった瞬間!!。
ドゴォン!!!。
凄まじい爆音と共に魔導部隊と騎士部隊が城下町に侵攻して無害なモンスター達にも刃を向けている光景が広がった。
「殺せ!!、モンスターは1匹残らず町から追い出せ!!」
誰かの言葉が次の火種となり、僕の前にいた獣人族の娘の頭に矢が放たれる。
「危ない!!」
僕が彼女を庇う様に抱きかかえ、矢を躱す。
「誰だ!!」
僕が声を上げながら視線を移した方向に存在したのは紛れもなくサイラ王国の部隊であった。
「ディン様!!危険です!早くその娘を始末しないと!!」
その言葉に耳を疑う。
「ちょっと待て!!、この子はまだ子供だ!、子供まで争いに巻き込むのはおかしい!」
僕の反論に対し、帰ってきた答えは...。
「ダメです!!、子供と言えどもモンスター、少し時が経てば必ず人間に牙を向ける恐ろしい生物達ですよ!!、今この場で始末して置くのがサイラ王国の兵士として絶対の教え!!」
「そうだ!!、勇者様はご乱心なされているだけです!」
「モンスターは悪!!、この世に居てはならない存在!!」
次々と飛び交う言葉に僕の頭の中はこんがらがる。
(本当にそうか?、無害な子供も殺すなんてまるで...)
「心の無い怪物だな...」
僕はその時になって間違った道を進んでいるのだと気がついたが、今更戻るわけにも行かない。
僕はモンスター達を殺しすぎた...。
「お兄ちゃん...?」
不思議そうな表情で僕を見てきたのでせめて...。
「苦しまずにな...」
僕は一瞬にして少女の命を奪った。
(ごめん...)
喉元をかっ切り出来るだけ苦しまない様に工夫する。
僕が人畜無害な存在を殺めた瞬間にサイラ王国の士気は更に高まっていくのを感じた。
「「「「ウォォォォォ!!!勇者ディン!勇者ディン!!勇者ディン!!!」」」」
兵士たちの前では勇者を装うが、内心では酷く傷ついている僕の心など誰も知るよしなどない。
今はこの戦いに勝つ事こそが重要なのだから...。
でも...、微かに戦う事の意味を履き違えてしまったと思う僕がそこにはいた。
僕がダレカの町に入ってみてまず驚いたのは、町の中にモンスターがいる事である。
それも1匹や2匹ではない。
相当数のモンスターが平気な顔をして暮らしている事に目を疑う僕。
1匹の獣人の娘が僕の方を見て笑顔で手を振ってくる。
「こんにちは!、アリカ城下町にようこそ!」
「アリカ城下町?、ここはダレカ城下町ではないのか?」
僕の答えにキョトンとした表情を浮かべる彼女だったが、すぐ様笑顔になり答えてくる。
「はいっ!!、アリカ様がアイファフォースターを倒してくれたお陰で私達は解放されたのです、今では人間もモンスターも仲良く一緒に暮らしていますよ」
「...」
僕の頭の中で何かが狂っていく様な気がする...。
(モンスターと人間が一緒に暮らす...?、そんな環境が整うはずがない...)
そう思わずにはいられないが、事実この町には人間とモンスターが一緒に暮らしている様にしか見えない。
頭がどうにかなりそうになった瞬間!!。
ドゴォン!!!。
凄まじい爆音と共に魔導部隊と騎士部隊が城下町に侵攻して無害なモンスター達にも刃を向けている光景が広がった。
「殺せ!!、モンスターは1匹残らず町から追い出せ!!」
誰かの言葉が次の火種となり、僕の前にいた獣人族の娘の頭に矢が放たれる。
「危ない!!」
僕が彼女を庇う様に抱きかかえ、矢を躱す。
「誰だ!!」
僕が声を上げながら視線を移した方向に存在したのは紛れもなくサイラ王国の部隊であった。
「ディン様!!危険です!早くその娘を始末しないと!!」
その言葉に耳を疑う。
「ちょっと待て!!、この子はまだ子供だ!、子供まで争いに巻き込むのはおかしい!」
僕の反論に対し、帰ってきた答えは...。
「ダメです!!、子供と言えどもモンスター、少し時が経てば必ず人間に牙を向ける恐ろしい生物達ですよ!!、今この場で始末して置くのがサイラ王国の兵士として絶対の教え!!」
「そうだ!!、勇者様はご乱心なされているだけです!」
「モンスターは悪!!、この世に居てはならない存在!!」
次々と飛び交う言葉に僕の頭の中はこんがらがる。
(本当にそうか?、無害な子供も殺すなんてまるで...)
「心の無い怪物だな...」
僕はその時になって間違った道を進んでいるのだと気がついたが、今更戻るわけにも行かない。
僕はモンスター達を殺しすぎた...。
「お兄ちゃん...?」
不思議そうな表情で僕を見てきたのでせめて...。
「苦しまずにな...」
僕は一瞬にして少女の命を奪った。
(ごめん...)
喉元をかっ切り出来るだけ苦しまない様に工夫する。
僕が人畜無害な存在を殺めた瞬間にサイラ王国の士気は更に高まっていくのを感じた。
「「「「ウォォォォォ!!!勇者ディン!勇者ディン!!勇者ディン!!!」」」」
兵士たちの前では勇者を装うが、内心では酷く傷ついている僕の心など誰も知るよしなどない。
今はこの戦いに勝つ事こそが重要なのだから...。
でも...、微かに戦う事の意味を履き違えてしまったと思う僕がそこにはいた。
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