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ダレカ領域
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「遂に国境か...」
僕は静かに呟いた。
馬車の外から見える風景です大体の現在位置が分かるのだが、もう少しでダレカの領域へと入る。
すると外から感じられる兵士達の気が逆立ち、より一層の重みを発揮し出したのを感じた。
「ここからは細心の注意をしながらダレカ城に向かわないとな...」
僕はパーティメンバー全員にそう囁いた。
コクリと頷いたユイが一旦立ち上がると、その場で魔法の詠唱を行う。
「天使に祝福されしこの身に降り注ぐ災厄から我が身を守りたまえ...」
彼女がそう呟くと、10万の軍団全てに防御の魔法が付与された。
彼女の膨大な魔力があるからこそなせる技である。
彼女の付与魔法は付与してから24時間以上持つのも魅力であった。
その為、何かあってから付与魔法を付けるのではなく、最初から付与魔法を付けた状態で戦闘を行えるようになり、仮に不意打ちを食らったとしてもある程度対抗できるようになったのだ。
付与魔法があるのと無いのでは生存確率がまるで違う。
事実、魔王を倒した時でさえ役に立ったのだからこう言う事態になった場合、自軍に真っ先にかけるべきであろう。
続いて俊敏の付与魔法、最後の攻撃の付与魔法がかけられて行く。
防御➡︎俊敏➡︎攻撃の順にユイが付与魔法をかけるのには理由がある。
まずは防御をあげて不意打ちを貰ったとしても一撃では死なないようにしておいてから俊敏をあげて回避力を上げる。
これにはまず死なない事が大事と言う僕の意思を尊重してくれたユイの考えである。
攻撃は正直最後で良いと僕のパーティメンバー全員が思っている事なのだ。
まずは生きて帰る事を考えるのが1番で、敵の殲滅はできればで良いと言う考えは今回の件でも同じである。
無論、出来れば軍隊の皆さんにも出来れば死んで欲しくは無いというユイの優しさがそこには具現化しているように思えた。
実際の所、ユイが軍隊の皆さんに付与魔法をかけて上げる必要はない。
一応魔法部隊がサイラ王国の軍隊には存在しているので、それらが各々の部隊に付与魔法をかけてあげればいいのだ。
でも...、それでも彼女が軍隊の皆さんに付与魔法をかける理由はそこにあるのだろう。
ユイは賢者である。
魔法を極めし者『賢者』の付与魔法ともなれば、一介の魔法使いの付与魔法など比べ物にすらならないほど強力なのだ。
それに、これ程の人数に付与魔法をかけても息切れ一つしない所を見るに、天使に祝福された身というのもあながち間違いではない。
そんな彼女を見ていると、どこからか勇気が湧いてくる。
(いつもピンチの時には僕達の側にいて窮地を脱してくれる存在...、それがユイだ)
僕はふぅっと息を吐く彼女を優しく見つめながら気を入れ直すのだった。
僕は静かに呟いた。
馬車の外から見える風景です大体の現在位置が分かるのだが、もう少しでダレカの領域へと入る。
すると外から感じられる兵士達の気が逆立ち、より一層の重みを発揮し出したのを感じた。
「ここからは細心の注意をしながらダレカ城に向かわないとな...」
僕はパーティメンバー全員にそう囁いた。
コクリと頷いたユイが一旦立ち上がると、その場で魔法の詠唱を行う。
「天使に祝福されしこの身に降り注ぐ災厄から我が身を守りたまえ...」
彼女がそう呟くと、10万の軍団全てに防御の魔法が付与された。
彼女の膨大な魔力があるからこそなせる技である。
彼女の付与魔法は付与してから24時間以上持つのも魅力であった。
その為、何かあってから付与魔法を付けるのではなく、最初から付与魔法を付けた状態で戦闘を行えるようになり、仮に不意打ちを食らったとしてもある程度対抗できるようになったのだ。
付与魔法があるのと無いのでは生存確率がまるで違う。
事実、魔王を倒した時でさえ役に立ったのだからこう言う事態になった場合、自軍に真っ先にかけるべきであろう。
続いて俊敏の付与魔法、最後の攻撃の付与魔法がかけられて行く。
防御➡︎俊敏➡︎攻撃の順にユイが付与魔法をかけるのには理由がある。
まずは防御をあげて不意打ちを貰ったとしても一撃では死なないようにしておいてから俊敏をあげて回避力を上げる。
これにはまず死なない事が大事と言う僕の意思を尊重してくれたユイの考えである。
攻撃は正直最後で良いと僕のパーティメンバー全員が思っている事なのだ。
まずは生きて帰る事を考えるのが1番で、敵の殲滅はできればで良いと言う考えは今回の件でも同じである。
無論、出来れば軍隊の皆さんにも出来れば死んで欲しくは無いというユイの優しさがそこには具現化しているように思えた。
実際の所、ユイが軍隊の皆さんに付与魔法をかけて上げる必要はない。
一応魔法部隊がサイラ王国の軍隊には存在しているので、それらが各々の部隊に付与魔法をかけてあげればいいのだ。
でも...、それでも彼女が軍隊の皆さんに付与魔法をかける理由はそこにあるのだろう。
ユイは賢者である。
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それに、これ程の人数に付与魔法をかけても息切れ一つしない所を見るに、天使に祝福された身というのもあながち間違いではない。
そんな彼女を見ていると、どこからか勇気が湧いてくる。
(いつもピンチの時には僕達の側にいて窮地を脱してくれる存在...、それがユイだ)
僕はふぅっと息を吐く彼女を優しく見つめながら気を入れ直すのだった。
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