TS系最弱な美幼女魔王ちゃんとなった俺は、何故か自分が生み出した使い魔達と無敵のダンジョンを作ることになったんだが！！

傷...

「アリカ様！！」

　食堂に着いた時、1番最初に声をかけてくれたのはユカだった。

「大丈夫でしたか！？」

　俺の姿を見るや否や血相を抱えて近づいて来る彼には少し笑わされる。

「ハハッ、もう大丈夫さ」

　俺は普通に答えたのだが、彼は妙な表情を浮かべていた。

　それが気になったので聞いてみる。

「なんだ？、俺の顔に何かついてるか？」

「いえ...、なんだか少し変わられたなと思いまして...」

「変わった？、何が？」

　少し間を置いてから彼は答えた。

「雰・囲・気・と言いますか...、その...」

　何となく口ごもる所を見る限り、良いことではないのだろと察した俺は軽く受け流しす。

「ああ...、今朝嫌な夢を見たからな...、ちょっと気が立っているのかもしれない...」

「嫌な夢？」

　少し突っ込んで来る彼だったが、俺はそれ以上答える事を控える事にした。

　例え俺が丁寧に説明できたとしても、それはただの夢だという事で処理されてしまうに決まっているからである。

(前世の俺が今の俺に嫌味を言ってきた何て言っても、信じてくれない所か恐らくキモチ悪がられるだけだろうしな...)

「いや...、何でもない」

　素っ気ない態度をとったまま進んでしまい、それで嫌な気分になるがこればっかりは仕方ない。

(言っても信じくれないし、ここは軽く流すべき)

　そう信じてやまない俺の前に最近仲間にしたばかりのチュリアが姿を現した。

「アリカ様、おはようございます」

　一応礼儀正しい態度を取ってはいるが、やはり彼女特有の何かが俺をそそらせてくる。

　声だけでイキそうになってしまうほど(見た目が)気に入ってしまった俺だが、やはり彼女の今の体を見て絶句するのだった。

「チュリア...それって...」

　体に巻かれている包帯に視線をやる。

　見ただけでも痛そうなのが分かるほどに、彼女のそれは怪我をしているのだと自己主張していた。

「えっ？、ああこれですか？、ギサラの奴にやられてしまい申し訳ありません、ですが次に会えば必ず私があいつを倒してみせましょう...」

　彼女もミユキ同様、同じ仕草で俺に挨拶してきたのだが、どこかそれに違和感の様な物を覚えずにはいられない。

「なあチュリア...、一つ聞いていいか？」

「はい」

　彼女は何を聞かれるのか分からないと言った表情で俺の顔を見てくる...。

「その怪我を俺・の・所・為・だと思っているか？」

「はい？」

　彼女は返答に困っているような表情を浮かべたまま答えるのを躊躇っている姿を見た俺は、自分が愚かな行動をしていると気がつきすぐさま質問を撤回した。

「すまない、ちょっと疲れているみたいだ...、ご飯にしようと思ったけどもうちょっと眠ってくる...」

「えっ？、アリカ様？」

　彼女の困惑した声を聞き流し、俺は元来た道を戻るのだった。