TS系最弱な美幼女魔王ちゃんとなった俺は、何故か自分が生み出した使い魔達と無敵のダンジョンを作ることになったんだが!!

ルシェ(Twitter名はカイトGT)

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極限の力(リミテッド)

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 ここから指示を出しているだけで分かってしまう...。

(ギサラは一流のモンスターテイマーなんだな..)

 と。

 確かにユカはテイマーとしての技量も素晴らしい物を感じさせてくれていましたけど...、その兄であるギサラからはユカと方向性の違う力強さを感じてしまう俺。

(普通テイマーって奴は自分では戦わないよな?、なのに...、なんでこいつはこんなに強いんだ!?)

 そう...、人の身であるはずなのに、俺の幹部クラスのモンスター3体といい勝負をしているという事実はそれを裏付けてしまっていたのです。

 勿論俺達が手を抜いている訳ではない。

 寧ろ3VS1だからこそなんとか勝負になっているという様子だ。

 1VS1であれば恐らく幹部クラスだろうと瞬殺されているだろう。

 そう感じさせてくる彼の身体能力には末恐ろしい物を感じる。

(かなり強いな...こいつは...)

 そう思わずにはいられないほど奴の力量に目を奪われていた時だった!。

「ふむ...、やっぱりお前らかなり出来るな...」

 まだまだ余裕の表情を崩さない彼に対し、嫌な顔をしながら言葉を返すチュリア。

「...そいつはどうも...」

「だからお礼にさ...、見せてやるよ...、極限の力リミテッドって奴をな!」

 突然聞いたことの無い単語が出てきたので俺は頭の上にクエスチョンマークを浮かべる。

「りみてっど...?」

 俺が言葉の意味を考えていると、突然彼の気配が静かになった...。

 まるで戦闘を放棄したかのように動かない為一瞬諦めたのかとさえ思えたのだが...。

「渇極 ...」

 彼がそう呟いた瞬間!、彼の散漫していた力が明確な殺意として彼に纏わりついて行く!。

「あっ...あっ...」

 俺は初めて向けられた殺意に動けなかった。

 一瞬だ。

 瞬きをした一瞬でチュリア、ルキィ、ロムパの3人が血まみれで倒れ伏していた。

「これが俺の生み出す極限の力だ...」

 返り血を浴びたギサラが倒れている3人に目を向けてこう呟く姿に怒りと恐怖を覚える俺は全身に変な汗を掻きながらも動けない。

「さて...」

 徐々に俺の方に近づいてくる彼に得体の知れない恐怖感を味わいながら叫ぶ。

「来るな!!、こっちに来るな!!」

『怖い』

 その感情に全身が包まれる。

『殺される』

 そう考えずにはいられない。

 奴の一撃が俺の方に伸びてくる。

 早くて躱せない。

(あっ...俺死んだ)

 ザシュッ。

 俺はただ血の付いた海の中を立ち尽くす事だけしかできなかった。
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