TS系最弱な美幼女魔王ちゃんとなった俺は、何故か自分が生み出した使い魔達と無敵のダンジョンを作ることになったんだが！！

説明

「まずなぁ...、以前アリカに言っておいた今日用事があるってぇのがこの大会の事だ」

　私の言った言葉に対し、本気で怒りだす彼女は見ていて面白い。

　いきなり顔が凄く動いた結果、明らかに変な顔をしているのが少しツボに入ってしまう私。

(ふっ...)

　私のうすら笑いに対し、彼女は子供の様に両手をばたつかせながらこう言い放った。

「はぁ！？、じゃあなんで俺の言うこと聞いてくれなかったんだ！？、一緒に大会でようってやつをさぁ！！」

　彼女の言うこともごもっともですが、これにはリウの意思が関係しているのでした。

「悪いな...、その事についてなんだが、この大会に参加するのを黙っておいてほしいとリウの奴に言われたんだ」

「リウに？」

　腕を組みながら不思議そうな表情を浮かべ、考え込む彼女。

「ああ...、実はな、リウは私とロムパとルキィをお前よりも先に誘っていて「絶対に優勝してお姉ちゃんに賞金をあげたいから手伝って！」とせがまれていたんだよ」

　次々に真相を語っていくと、いつの間にか彼女の表情は柔らかい物に変わっていました。

「へぇ～...、リウの奴が...」

　少し嬉しそうな彼女の表情を見ていると、こちらも元気が出てきます。

　これがアリカの持つ謎の魅力だと私は考えていますが、本人が気がついているかは別。

(全く...、あんたのその笑顔には何物にも代え難い程の価値があるって事を分かっているのかね...)

　思わずニヤニヤしながら彼女の顔を見ていると、少し不快そうに私の方を見返してきました。

「何？ケロナ、俺の顔に何か付いているか？」

「いや...、相変わらず面白い顔してるなって思ってただけさ...」

「なんだよそれ！」

(こういう怒りやすい所も面白いよな...)

　思わずふふっと笑みを浮かべた私は、彼女の手をとってこんな暗がりからは、早く脱出しようとするのでした。