TS系最弱な美幼女魔王ちゃんとなった俺は、何故か自分が生み出した使い魔達と無敵のダンジョンを作ることになったんだが！！

VSホウザ

「誰から買ったんだ？、そのモンスターを...」

「なんだ？、お前もネアちゃんが欲しいのか？」

「...、いや...、ただお前にそのモンスターを売った人物の名前を知りたいだけだ」

「ほうほうほう...、なるほどね～...、まあそのくらいなら教えてもいいけど...」

　チラチラと俺の方を見てくる彼の視線が妙にいやらしい...。

「そのかわりリュアちゃんを一日貸してくれ♡、もちろんテイマー権限も込みでな♡」

　相変わらずのふざけた提案に俺はため息を吐いた。

「まあそう言うと思ったよ...、お前は相変わらず変わらないな...、ホウザ」

　俺は奴の顔を力強く睨みつける。

「交渉は決裂ってことでいいんだよな？、そんな表情をするってことは...」

　お互いの間に妙な圧迫感が生まれるのをモンスター達は感じ取る。

　モンスターテイマー同士の戦いにおいてテイマーの指示は勝敗を分けるのにかなり左右される。

　例えモンスターの能力が大きく劣っていても、そのモンスターを活かすことが出来れば逆境を乗り越える事も可能だ。

　だが逆も然り。

　どんなにモンスターの能力が相手を超えていたとしても絶対に勝てるなんて保証はない！。

　故にテイマー達は求め続けるのだ。

　誰にも負けない最強のモンスターの存在を...。

「行くぞ！！」

　先手を取ったのは俺だった。

　流れる様な指示でサフィがリュアにバフをかけて攻撃力を上げる。

　そのまま敵三体の攻撃をランドが受け止めようとするのだが、合成によって小さくなってしまっているので止められない...、訳はない。

　戦闘中は自由自在に体を変形できると言うスライム特有の特性を受け付いでいる彼女だからこそできる芸当で攻撃を見事に受けきっている。

「うるさいなぁ...！、めんどくさいから皆食べちゃえ！！」

　ランドの体が勢いよく膨れ上がったかと思うと、ホウザのモンスター3体を一気に飲み込んだ。

　彼女のできる最大限の防御方法...、それは体内に敵を閉じ込めてそのまま窒息させると言うやり方である。

　スライムと言う存在は意外にも伸縮自在で、その大きさを自由自在に変形可能なのだ。

　まあ、それだけでは仮に敵を捕まえてもすぐに脱出されるのだが、ゴーレム種の遺伝子も受け継いでいるので、捕まえた後は体全身を硬化して体内に押し留めるのである。

「OK！！うちが全員閉じ込めたよ！！」

　ランドが大きく膨らんだお腹をさすって合図を出した。

「よしっ！、リュア！そのままお腹に黒炎弾だ！！」

「了解！！」

　リュアがランドの口元に近づいて大きく息を吸った。

「行くよっランド！」

「きてっ！リュア！」

　お互いに真剣な表情を浮かべながら、2人が取った行動とは...。

　ちゅっ♡。

　そう、どうやってランドのお腹の中に炎を送るのかと言うと口・移・し・である！。

　リュアの炎がランドの口内から食堂を通りお腹にいる敵モンスターを黒焦げにするという、恐ろしい連携技なのであまり使いたくはないが、相手がホウザなので遠慮なく使う。

　明らかに異質な技なのでしたホウザのやつも慌てふためいているのが滑稽で面白い。

「どうだ？、これがお前の言っていた弱っちいユカの今の姿だ」

「ぐぬぬ...、ガキが...、舐めてると潰すぞ」

　突如彼の素顔が恐ろしく豹変したのを見て俺は身構える。

　あの男の事だ、どうせまた卑怯な手を使ってくるに違いない！。

　俺が何が起きてもいいように彼の行動を見張っていると、彼は突然大声でこう叫んだ。

「合体！！」

　と。