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ネア...
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俺たちの試合の時間がきた。
次の試合の相手はあのホウザだ。
どんな卑怯な手で俺達を襲ってくるのか分からない為、ある程度の覚悟を決めなくてはいけない筈なのに、皆の士気が異様に低い...。
理由は単純明快で、先程のネアという少女の名前が原因である。
彼女は俺の友人であり良きモンスターテイマーだった。
幼い頃から2人して一緒に修行し、いつかは共に競い合う良きライバルになるのだろうと俺自身思っていた。
なぜなら、彼女のセンスは俺の遥か上を行き、素晴らしいメンバー選出と戦略で幾度も好成績を収めていたからである。
そんな彼女のセンスが羨ましいと思った事はなんどもあるのだが、彼女はそれを誇示する事もなく謙虚だったのも惹かれた理由だろう。
美しい金髪を揺らしながら、優しく笑顔で皆にアドバイスしていく姿はテイマー界の天女とまで呼ばれた程だ。
大丈夫だ...、俺はそう心で念じ大きく息を吸った。
あの子はもういないが、俺の心の中に今も生き続けている。
「行くぞ...!」
とにかく今は勝ち上がることだけを考えよう。
それがあの子に返せる恩義だと信じて...。
~トーナメント会場~
俺達が会場に着くとホウザの奴が先に着いていた。
「ホウザ」
「ユカ...、こうしてお前とモンスターバトルをやるのは久しぶりだな」
「ぬかせ、お前とのバトル...、あれは俺のしたかったバトルじゃない!」
「何を言う?、あれも充分バトルだっただろう?、まあお前のモンスターが弱っちくて一方的になりすぎたのは謝るがな!」
ニヤリと笑いながら挑発してくる彼だったが、俺は挑発に乗る気はない。
「御託はいい、さっさとやろう」
俺はいつものメンツを選出し、盤面に並べる。
「変わらんなお前は...、また俺に打ちのめされない内に帰ったらどうだ?」
彼は笑いながらモンスターを選出して行くのだが、その名前が...。
「ネアPUROTOA!、ネアPUROTOB!、ネアPUROTOC!」
「ネア...?」
嘘だありえない...。
ホウザの使っているモンスターの形はまるで...。
(昔のネアの造形そのままだ...)
俺は目を疑った。
なんども目をこすり顔を見やる。
やはり幻影などではない、顔は完全に彼女のままなのだが、体の方が異形とかしている。
重機の様な体を持つ者もいるし、腕から先が剣の様になっている個体もある。
さらには足がカマの様に尖っていて、立つことさえ不安そうな者もいた。
それを見ると怒りが募ってくるのが分かる。
それはランドもリュアも同じようだった。
「ユカ...、もうバトルは始まっているよね?」
「ああ...、だが奴には聞きたいことがある」
俺は奴を睨みつけながら聞いてみる。
「おい...、このモンスター達は誰から買ったんだ?」
次の試合の相手はあのホウザだ。
どんな卑怯な手で俺達を襲ってくるのか分からない為、ある程度の覚悟を決めなくてはいけない筈なのに、皆の士気が異様に低い...。
理由は単純明快で、先程のネアという少女の名前が原因である。
彼女は俺の友人であり良きモンスターテイマーだった。
幼い頃から2人して一緒に修行し、いつかは共に競い合う良きライバルになるのだろうと俺自身思っていた。
なぜなら、彼女のセンスは俺の遥か上を行き、素晴らしいメンバー選出と戦略で幾度も好成績を収めていたからである。
そんな彼女のセンスが羨ましいと思った事はなんどもあるのだが、彼女はそれを誇示する事もなく謙虚だったのも惹かれた理由だろう。
美しい金髪を揺らしながら、優しく笑顔で皆にアドバイスしていく姿はテイマー界の天女とまで呼ばれた程だ。
大丈夫だ...、俺はそう心で念じ大きく息を吸った。
あの子はもういないが、俺の心の中に今も生き続けている。
「行くぞ...!」
とにかく今は勝ち上がることだけを考えよう。
それがあの子に返せる恩義だと信じて...。
~トーナメント会場~
俺達が会場に着くとホウザの奴が先に着いていた。
「ホウザ」
「ユカ...、こうしてお前とモンスターバトルをやるのは久しぶりだな」
「ぬかせ、お前とのバトル...、あれは俺のしたかったバトルじゃない!」
「何を言う?、あれも充分バトルだっただろう?、まあお前のモンスターが弱っちくて一方的になりすぎたのは謝るがな!」
ニヤリと笑いながら挑発してくる彼だったが、俺は挑発に乗る気はない。
「御託はいい、さっさとやろう」
俺はいつものメンツを選出し、盤面に並べる。
「変わらんなお前は...、また俺に打ちのめされない内に帰ったらどうだ?」
彼は笑いながらモンスターを選出して行くのだが、その名前が...。
「ネアPUROTOA!、ネアPUROTOB!、ネアPUROTOC!」
「ネア...?」
嘘だありえない...。
ホウザの使っているモンスターの形はまるで...。
(昔のネアの造形そのままだ...)
俺は目を疑った。
なんども目をこすり顔を見やる。
やはり幻影などではない、顔は完全に彼女のままなのだが、体の方が異形とかしている。
重機の様な体を持つ者もいるし、腕から先が剣の様になっている個体もある。
さらには足がカマの様に尖っていて、立つことさえ不安そうな者もいた。
それを見ると怒りが募ってくるのが分かる。
それはランドもリュアも同じようだった。
「ユカ...、もうバトルは始まっているよね?」
「ああ...、だが奴には聞きたいことがある」
俺は奴を睨みつけながら聞いてみる。
「おい...、このモンスター達は誰から買ったんだ?」
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