TS系最弱な美幼女魔王ちゃんとなった俺は、何故か自分が生み出した使い魔達と無敵のダンジョンを作ることになったんだが！！

謎のドラゴン

　我が雲の中を探索していると、遂に謎の巨影の正体が分かった。

「やはり我ら以外のドラゴンがいたのか...」

「ほぇ？」

　明らかにふざけた態度を取っている青いドラゴンに睨みを効かす我。

　青いドラゴンはこちらに気がつくと礼儀正しくお辞儀をしてきた。

「私はミユキと申します...、今は主人アリカ=ふぉーしゅん☆様に仕えている為、この地に暫く滞在いたします」

　彼女が名乗りを上げてきたので我も答える。

「我は四天の竜が1人エア...、他の大陸のドラゴンがなぜここに？」

「だから...、アリカ=ふぉーしゅん☆様の命令で...」

　彼女が何やら理由を述べているが大体分かっている。

「いや...言わなくても良い...、大方自然豊かなカザイの大地に住み着きたいというところだろう？」

「ですから...、私は...」

「いやいい、変な理由を並べられるよりかはよっぽど信頼できる」

「で...」

「では我はそろそろ行く」

　そう我が呟くと彼女は明らかに不服そうな表情を浮かべていた。

「...しお」

「なんだ？」

「私の話を聞けぇぇ！！」

　いきなり凄まじい尻尾攻撃が繰り出されたかと思えば、その凄まじい速度に防御が遅れた。

「ぐぅ！？」

　しかも一撃が重い...。

　不意打ちとは言え、たった一撃で四醒竜の一角が落ちてしまったのである。

「人の話を聞かないなんて...、ここのドラゴンさんはモラルがなってませんね！、プンプン」

　飛行感覚を失い地上に落下して行く様を怒った表情で見つめ続ける彼女を薄れゆく意識の中見てこう思った。

(見つけた...、我ら四醒竜を次に束ねし存在が...)

　何百年という長い月日の中、そう思ったのはこれが初めてである。

(後で他の四醒竜達に教えないとな...)

　我はそのまま地上に叩きつけられ、しばらくの間目を醒ます事はなかった。