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いやいや私がいるから...

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「大丈夫?」

 本当に小さな声で私に問いかける者がいました。

「えっ...?、ホムラさん?、その背中から生えてる物は...」

 私が彼女の背から生えている物に視線を移して見ると、それは赤くて美しい鳥の羽のように見えます。

 それが彼女の背中から生えて空を飛んでいたのでした。

 そのまま私を手で掴み、次にアリカ様をすくい上げる彼女を見て格好いいと感じました。

「ふっ...、流石ホムラだな...、俺は信じていたぞ!」

 さっきまで明らかに「死ぬぅぅ!!」とか叫んでいたのを彼女はもう忘れたのでしょうか?。

 そう思うと少し笑えますが、何故でしょうか?あんまり笑えないような気がするのは...。

 一瞬だけ私を掴んで重量を確認した彼女はこう呟きました。

「あっすみません、定員オーバーです」

「はっ?」

「私の定員は1人分なんだ、チュリアには悪いんだけど降りて」

 いきなり冷たく手を離される私。

「いや...ちょ...えっ?」

「うむ...、チュリアよ!強く生きるのだぞ...!」

 彼女の背中で偉そうな態度を取るアリカ様にムカつく私...。

「いや...もう死にそうなんですが...」

 彼女たちはいい感じに空中に浮いていますが、空を飛ぶ手段のない私は落ちていくしかありません。

(あれ?、これ本当にやばいんじゃ...)

 どんどん近づいてくる地面を見ながら、走馬灯の様な物が頭の中を巡ります。

 汚いおっさんに性奴隷として処女開通された時の事や舌で全身を舐め回された事...、最後にお仕置きと称されてお尻をたっぷりと調教された事などが頭の中を駆け巡りました。

(ああ...、私ってロクな思い出ないな...)

 そう思った瞬間!最後の走馬灯映っていた物は!!。

(アリカ様...?)

 それだけではありません。

(サアヤにホムラ...、シュガーもいる...)

 それが最後に流れると不意に涙を流す私。

「嫌だ...」

 それは本心の叫び。

「まだ死にたくない!!」

 これは本当の言葉。

「私は...皆とまだ生きていきたいんだ!!」

 そう...、私の中で唯一明るかった時期...、それは今なのでした!!。

(早速見捨てられてるけどね!!)

 いやそれでもいいのです。

 見捨てられるのなんていつもの事ですし、一瞬でも優しくしてくれた彼女達には感謝しかありません。

「自分の力でなんとかしてやるさ!」

 私が必死になって頭を動かしていると...。

「言ったでしょ?、定員は1人なんですよ...!」

 赤き翼を翻し、私の所へと一直線に向かってくる一羽の鳥が目に映りました。

「ホムラさん!?なんで...」

「先にアリカ様を地上に置いてきただけさ、後ついでにサアヤも送ってるから安心して」

「そうだったんですか...、てっきり私見捨てられたのかと...」

「見捨てる訳ないじゃん、チュリアも私達アリカ☆だからね!!」

「アリカ☆?」

「なんだ?気がついてないの?、貴女もアリカ様に選ばれたモンスターだって事だよ!」

「選ばれたモンスター?、私がですか?」

 選ばれたモンスターアリカ☆とは一体...。

 謎の単語に戸惑う私でしたが、取り敢えず今は彼女の手を取るのでした。
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