TS系最弱な美幼女魔王ちゃんとなった俺は、何故か自分が生み出した使い魔達と無敵のダンジョンを作ることになったんだが！！

暖かいお風呂と痛々しい生傷

「ほらっ早く脱げよ！」

　彼女に急かされるままメイド服を脱ごうとしたのですが、どうやって脱げば良いのか分からず手こずりました。

　ようやく脱いで裸になると、彼女はまず私の体を見て表情を強張らせました。

「お前...」

　いきなり表情が暗くなったのを悟る私。

「ご...ごめんなさい！、私の傷だらけの肌なんか見せてお目を汚してしまいましたね...、すみません」

　そう早口で言いながら服に手を伸ばそうとした瞬間、彼女に手を掴まれました。

「いや...良いよ！、そんなことよりさ早く入ろ！」

「えっ...？」

　私は信じられませんでした。

　この無数にある傷を見ても彼女が何も言わないどころか、察してくれた？。

　その様な経験をした事が無かった私はとにかく焦りました。

　～お風呂～

　私は湯船を見てこれは何だろう？と思い手をつけてみると...。

「熱い！」

　と叫びながら二歩ほど後ろに下がりました。

　その姿を見たアリカが笑っていました。

「なんだ？知らないのか？お風呂は暖かいんだぞ！」

　そう言いながらかけ湯をして身体を鳴らす彼女を見て学び、私も同じ様にしてから湯船に浸かりました。

　足先をつけると、全身から程よい安堵感が生まれました。

(あったかくて...気持ちいいかも...)

　ゆっくりと全身をつけて行き、ようやく肩まで浸かると...、なんとも言えない幸福が生まれた様な気がします。

(ああ...気持ちいい...♡)

　私がお風呂の端っこの方で気持ち良くなっていると、先ほどの少女アリカが話しかけてきました。

「どうだ？チュリア、気持ち良いだろ？」

「うん...」

「なら良かった！、女の子が体洗えないのは苦しいだろうからな、これからは好きな時に入ってくれて良い」

「えっ！？、本当に毎日入っても良いんですか！？」

　彼女のありえない言葉に私は目を疑った。

　これだけ大量の水を毎日消費していたら、絶対に農業などに影響が出ると思い聞いて見たのですが、彼女はそれでも構わないと答えてくれたのです。

「それよりも女の子が汚れたままで過ごしている方が俺は気にかかるからな、やっぱり綺麗でいて欲しいじゃん！、家族にはな」

「かぞく？」

　不思議な事を言う彼女の言動に、私はまた頭が痛くなりました。

　そんな私の状態を見て、彼女は口を動かします。

「チュリアはもう俺たちの家族だろ？、もしかして嫌だったか？」

「いえ！、そんな事はありません！ありませんけど...」

　私は少し俯き湯船に反射する自分の身体を見る。

「私はこんな傷だらけの体ですし...、皆さんのお役に立てる様なスキルも持っていません」

「いや、お前はもう持ってるぞ、俺が与えたからな『メイド』のスキルを」

「へっ？」

　意味不明な事ばかり述べる彼女でしたが、この後、私は彼女の事を信頼するようになるのでした。